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第一話

いつも見慣れたこの町を 僕は旅立つことにした

これと言って理由はない ただ冒険がしたかったからだ


8月の陽気の中 見慣れたこの町を

何も持たずに 旅立つことにした



その年の春の初め 一匹のネコがふらふらとこの町に住み着いたんだ

汚いその身を見て 街の奴らは誰も近寄らなかった


ある時いつものゴミ箱に 食べ物をあさりに行くと

そいつがいた 美味しそうに何か食べていたんだ

仕方がないから他の所に食べに行こうとした

そしたらそいつが呼び止めるんだ 「一緒に食べないか。」と


それからというもの僕はしょっちゅうそいつといるようになった

そしていろんな話を聞いたんだ

今まで行ったいろんな街の出来事なんかを

ぼくは夢中になって聞いたんだ


ある時そいつは何も言わずにいなくなった

また旅にでも出たんだろう

なんとなく悲しかった

春も終わりの出来事だった


この町を出ることを他のやつはバカだという

こんなに住みやすい町はないというんだ

だけどやっぱり旅立つことにした

ただ 冒険がしたかったんだ



照りつける太陽の日で 道には陽炎が立っている

その暑い日の中 ぼくは川に沿って下っていった

時には立ち止まって水を飲む

あまりの暑さに 木陰で休んでいたときもあった

それでもぼくは歩いて行ったんだ


旅を始めてから4日が経った

ぼくはとってもお腹が空いて 倒れそうになっていた

食べるものが見つからなかったんだ


旅の途中 反対側から誰かが歩いてきた

ぼくはたずねた 

「お腹が減っているんだ。何か食べるものはないかい。」と

彼は言った 

「そんなにお腹が空いているんなら この先に大きな街があるからそこで何か食べるといいよ。」と

それを聞きぼくはその街に向かって必死に歩いたんだ



たどり着いたその街は とても大きかった

歩いていくと 少し大きな広場があった

ここをねぐらにしようと思いつつ 食べ物を探しにいったんだ


探しているとき とてもいい匂いがする店があった

ぼくはあまりにもお腹が減っていた

そこで力を振り絞って 力いっぱい鳴いたんだ

そしたらそこのおじさんが 食べ物をくれた

ぼくはそれを必死になって食べた

そしてもと来た道を戻って その広場で疲れた体を休めたんだ


ぼくはこの町に住むことにした

いつもその店に行き 食べ物をごちそうになった

空いた時間は この街を探索したりした

そこには前の街にはない いろんなものがあった

水が吹き出る変なもの 店の前でいつも同じ動きをしている変な生き物

大きな音をたてながら走っていくはこ型の生き物 そしてたくさんの人達

疲れたらまたその広場に行って ひとねむり

そんな日が続いたんだ


その町で僕は一匹のネコに恋に落ちた

そのネコはいつも通る道の通りにある家の中から いつも窓越しに外を見ていた

最初は気にならなかった いつから気になったのだろう

ぼくはしょっちゅうその家の庭の木の上からそのネコを見るようになったんだ


あるときその猫はベランダにいた

ぼくはその猫に話し掛けた 「なんでそんなに外を見ているんだい?」と

そのネコは言った 「この家の外には何があるのだろうと思って。」

それからぼくは その猫がベランダにいるとき

いつも今まで旅してきたことやこの街のことなど いろんなことを話してあげた

そしてあるときぼくは言った 「一緒にこの街を出ないかい」と

そしたらそのネコは言った 「私はこの家が好き。安全だし。だから私はここにいます。」と

ぼくは少し残念だった

でもそれからもベランダでそのネコを見つけては いろんなことを話したんだ



しばらく時は過ぎ 秋近くなった

ぼくはいつもの生活を満喫していた

毎日が楽しかった

そんな時 一匹のネコがその広場にいつき始めたんだ

そいつは大柄なネコだった

ぼくを見つけては いつも追い掛け回すようになった


そうして数日が経った

ぼくは疲れきっていた

そこでぼくはこの街をたとうと決心した

ぼくは彼女に「旅立ちます」と言い残し この街を去ることにしたんだ



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