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第十六章
第十六章
皮は最後の出汁を取り、煮付けて食べ終わった。
なんとか使い切り、食べきった。
そして、最後の骨に手を付けた。
豚骨スープが取れて美味しいと冊子にあった。
Sは骨の半分を砕き、鍋に入れて煮た。
骨くさいというか、ホコリくさい臭いが台所に満ちた。
茹でこぼしを四回やって、ようやく臭さは薄らいだ。
最初は白く濁っていた豚骨出汁も、そこそこ澄んだ色合いになっていた。
しかし、薄まったとは言え、ニオイはニオイだった。
これを濃縮出汁と捉え、水で薄め、コンソメを入れると、ニオイはほぼ感じない味になった。
問題は、出汁を水で薄めて使うことで、一回で取れた出汁が十回分くらいありそうなことだった。
骨は、膝下部分も残っている。
Sのぐっと結んだ口から、ため息がもれた。