大同盟の交流・・(10)祭りの視察と闘技大会参加者
入国者を受け入れます
気配を消して<神鳥>の町の上空にいた俺達は、先ずは<神鳥>主要部に<転移>した。
そうそう、ラムはLvが上がったおかげで俺達と同じように<精霊術>で空の散歩を楽しめるようになっている。
相当な人がいるのだが、混雑して身動きが取れないという程ではない。
ここ<神鳥>の町から地下迷宮1階層の町、そしてそこから他の町へと人が流れているおかげだ。
俺のお勧め、温泉の施設もかなりの集客がある。今回入国してくれた人々の宿泊に関しては、このまま行くと全ての宿が満室になり、あぶれる人も出て来てしまうかもしれない。
その場合は巡回している【治安維持部隊】が声をかけて、特例的に各部隊の隊舎を一時的に開放する。
俺達は温泉宿の受付を覗いてみた。
受付が忙しなく説明や案内、そしてカードの受付を行ったりしている。
カードの受付に関しては特に問題がなく進んでいるようだが、ちょうど【諜報部隊】の隊員がいたので、こっそりと状況を聞いてみることにした。
彼によれば、カードシステムや温泉施設の評判は上々で、この祭りが終わってもまた来るという声が良く聞こえているそうだ。
今回は特例で無料だが、通常の料金を聞いても問題ないらしい。そんなに高く設定していないしね・・。
滑り出しは上々だ。
よし、次は遊技場がある<神龍>の町に行ってみよう。
町に着くと、【技術開発部隊】が作った遊戯施設とふれあい広場は残念ながら入場制限がかけられていた。
あまりに大勢の人が一気に来たため、内部で動けなくなってしまうのを防ぐために実施したとの事。
この町はこのような施設をメインにしているので同様の設備が多数あるのだが、他の町にも同じ施設がある。受け付けは他の町の混雑状況を確認した上で、他の町の施設であればすぐに入場できると説明している。
この設備の中で一番人気は、空中散歩が体験できるエリアらしい・・
そりゃそうだな。俺も空を飛べると聞いた時にはすぐにでも飛行したくなったし・・景色も素晴らしいからね。
そして次は王都のある<神猫>の町だ。
ここは、これと言った施設があるわけではなく、満遍なく全ての施設が揃っている。
しかし、ガジムが講師を担当する予定の”魔道具”関連を専門的に学べる学校があるため、魔道具や、武具などの販売が他の町よりも多い。
最後に<神狼>の町だ。
ここは一般入場が制限されているエリアが多くあるが、この祭りで最も盛り上がると想定されている闘技場のある場所だ。
その他も宿泊や遊技場などはあるが、やはりメインは闘技場だろう。
現在は何もイベントがないため、闘技場の内部は自由に入ることができる。
もちろんステータス制限機能は稼働していないので、単純に設備を見学するだけだ。
とは言え、4000人収容可能な巨大な闘技場、そしてどの席からも会場が良く見える配置、前後の観客との十分な距離、更にはこの大きさでありながらドーム状に天井がある建築技術・・
これだけでも見る価値があるだろう。
全ての町の評判も上々で、俺は気持ち良く皆と<魔界森>に帰った。
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・・・王城執務室隣の円卓・・・
いよいよ祭りが始まり、各国の国王を【近衛部隊】の面々に<転移>でアルダ王国に連れて来てもらった。
まずは<アルダ王国>国王として挨拶をしよう。
「皆さん、ようやく同盟各国の防壁が完成し、<フラウス王国>からの転移魔道具、そして我が国からカードシステムの運用装置も稼働した所です。本日から2週間、同盟国家の親睦を深めると共に、各システムの起動テストを兼ねて祭りを開催させて頂きます。各国からの入国に関して今のところトラブルの報告は上がっていないため、各装置全て順調に稼働しています。また、各国家の人員移動による補填は、既に各ギルドを通して各国に手配済みです。このあたりはご確認いただけましたでしょうか?」
「ダン王、今回は特に我ら5カ国に対しての多大なる配慮ありがとうございます。<フラウス王国>と<ゴルデア王国>にも代表してお礼申し上げます。派遣していただきました冒険者は既に各国で仕事をしてくれているのを確認しています。祭り開催前に派遣していただけるとは思っておりませんでした。そして防壁まで完全に整備頂いて・・感謝の念に堪えません。」
「フィアンテ王、こちらこそありがとうございます。各国からかなりの人数を祭りに参加させて頂いたおかげでシステムのチェックもできますし、祭り自体も盛り上がり、各国の絆が国民レベルでも深まるでしょう。派遣については、当然の事をしたまでです。祭り当日に派遣しても、仕事内容がわからないままでは困りますからな。」
ある程度祭りの内容には事前説明をしていたため、<アルダ王国>に入国してすぐの場所にはまず各国・・特に迫害を受けていた5カ国の特産品の紹介や販売を行っていることも伝えている。
そして、最後の3日で闘技場で行われる大会についても説明しており、各国の腕自慢・・当然近衛等も出場可能で出場制限はかかっていない・・についても話が出ている。
誰が出場するかはわからないが、今回伝えるのが間に合わなかったことを先ずは伝えよう。
「祭り最大イベントの闘技大会ですが、各個人の地力がものを言う・・つまりはステータスによらない戦いと、ステータスを存分に発揮した戦いの2通りを準備しております。前者はスキルを含め、全てのステータスを上限<B:中級>に揃えての戦いとさせて頂き、ほぼ同じ条件での戦いとします。また、後者ではある意味なんでもありですな。ただご安心ください。我らが<アルダ王国>の【技術開発部隊】が作成した闘技場であれば、ステージ・・石畳から外に出た瞬間に欠損すら復元して完全な状態に戻りますので、遠慮なく全力を振るっていただけます。」
「「「「「なんと、そのような技術が・・・」」」」」
それはそうだろう。まさにとてつもない技術なのだから・・・
しかし残念ながら理屈はさっぱりわからない。ジンもわからないそうなので、この私がわかるわけがない。
「大変申し訳ない、技術はすごいのですが、理屈はさっぱりわかりません・・ハハハハ」
最後は思わず乾いた笑いが出てしまった。一国の主が自分の国土に存在する、ある意味要の施設の仕組みがわからない・・・正直恥ずかしいが、わからないのだからしょうがない。
ここは気を取り直して、
「我らが<アルダ王国>は、幻獣であるウェインがステータス上限有りの大会に出場します。また、上限なしには幻獣の4人と、【近衛騎士部隊】の4人が参加予定です。」
「なるほど。我が<フラウス王国>もそうですが、おそらく同盟各国は冒険者が勝手に出場登録を始めると思いますが・・闘技大会についての案内も各国がカードで各国民に実施しておりますので・・」
「もちろん誰が参加でも良いのですが、上限設定有の話は私のミスで今この場で説明させて頂いている物です。なので、今からカードで至急布告します。」
傍にいる近衛騎士の二コラに目配せし、布告を頼んだ。
彼は頷いて退出していったので、即布告されるだろう。
出場者登録の期限は、闘技大会開催1日前になる。
そして今度は各王に<アルダ王国>の学校を含む設備について説明し、実際に視察をお願いした。
「これから同盟各国での交流を行い、互いに技術を研鑽するために<アルダ王国>でも留学生を受け入れます。もちろん我らの国民が貴国に行くこともあります。そこで、学舎と留学生用の寮、その他今回間に合わせることができた各町の主要設備をご覧いただきたい。」
各王の反応はとても良い。
「学校については、入学後暫くは基礎教養を学んでいただき、その後は各専門に分かれます。戦闘・商業・農業・魔道具の四つです。これらの専門の学び舎は<アルダ王国>の各町にあるので、専門によって滞在していただく町が異なります。ただし、相互間の移動は<転移門>が使用できるために時間はかかりません。」
「素晴らしい、早速見させていただくことはできますか?」
<フラウス王国>のリンデム王が若干興奮気味だ。
他の王達も頷いている。
よし、この反応なら何の問題もないな。
視察が終わったら、皆で温泉を楽しむとするか。
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今日はもう一話行けるかもしれません・・・
宜しくお願いします。




