<シータ王国>との闘い・・<フラウス王国>の紹介(1)
<アルダ王国>の歓迎会?です
南門の前に集まった幹部たちを前に、父さんはまず国として<フラウス王国>と同盟を結んだこと。
そして、<フラウス王国>からその情報が各国に流れること、王国の第二王子であるリノス王子とその護衛、重鎮AとBが<アルダ王国>のために同行してくれたことをみんなに伝えた。
「皆、留守を守ってくれてありがとう。今日はこれから<フラウス王国>との同盟と助力しに来てくれた王子一行を歓迎する宴を開催する。そこでお互いに親睦を深めよう。」
俺はとてつもなく嫌な予感がしていた。
そう、この宴でガジムとその一族、そして重鎮AとBが暴れないか不安になったのだ。予感というよりも、確信なのだが。
そうすると、どの様に暴れるレベルを抑えるか・・またはあいつらを隔離するかが重要になってくる。
俺は部屋に移動してラムと話をした。
「ラム、ラム、今後の動き・・どうなると思う?」
「<シータ王国>の準備はまだかかりそうなので、ここで親睦を深めた上で、急ピッチで有効な魔道具・・そうですね、防壁関連の強化、万が一侵入された場合の避難用魔道具を開発するのが良いと思います。」
しまった、言葉が足りなかった。ラムの言っていることはその通りだが今この瞬間に必要な情報ではない。もっと緊急性の高い事案が起こっているんだ。
「ゴメン、ラム。その案はその通りだと思うけど<シータ王国>ではなくて、重鎮2名とガジム率いるドワーフ族との宴だ・・」
「そうでしたか。う~ん、それは・・確かに・・ちょっと制御できそうにありませんね。ガジム殿とドワーフ族は<フラウス王国>の重鎮殿とはおそらく魔道具や錬金関連で大いに盛り上がるでしょう。その盛り上がり具合は・・・想像するだけでちょっと眩暈がしますね。」
「そうなんだよ、あの重鎮A、Bなんて、<フラウス王国>を出立する時も軽く王国に残る重鎮を煽っていたし、<アルダ王国>に来るための選別方法がどうやら殴り合い?だからな!・・父さんもわかっている上で歓迎の宴と言っているのだからしょうがないか・・だけど、あまりLvが高くない者も当然同席するわけだから、万が一の時は近衛とそして・・マーニカ!!幻獣達も頼むぞ。今日は影にいる必要はないからな!」
「「承知しました。」」
Lvが段違いのこのメンバーであれば、まぁ、最悪の事態は避けられるだろう。
よし、久しぶりにウェインと話をするか・・
『ウェイン、今どこにいる?久しぶりだから今後の事も含めて少し会って話さないか?』
「ここに!」
おう!いきなり転移で出てきたよ。
「忙しいところごめんな?大丈夫だった?」
「全く問題ございません。ジン様ご帰還に伴い幻獣や近衛騎士も<アルダ王国>に戻ったため、戦力は万全でございます。」
「そうか、油断は禁物だけどな。その話は後でするとして・・直近の大問題をたった今ラム、そしてマーニカと話をしていたんだ。お前は<フラウス王国>に行っていないから、彼等の性格を把握できていないから少し説明すると・・第二王子であるリノス王子とソフィア姉さんは意外と良い仲になっていると思う。つまり、リノス王子は問題ない。そして彼の護衛についてはよくわからないが、<フラウス王国>自体が信頼できる国と俺そして父さんも判断している為こちらも問題ないだろう。最後は、くっついてきた<フラウス王国>の重鎮A、Bだ。」
「・・随分と珍しいお名前ですね?A殿、B殿・・ですか?<フラウス王国>では、そのようなお名前が一般的なのでしょうか?やはり異国は違いますね。」
「いやいや、そうじゃない。本当の名前は今日の宴の時にでも紹介されるだろう。まともに聞こえるかはわからないけどな。あいつらは名前を呼ぶのも、覚えるのもめんどくさいほどの性格をしているんだ。いや、<アルダ王国>に直接危害を加えるとかではなくて、なんて言ったらいいのか?ラム、マーニカ、お前ら直接あの惨事を見ただろう?うまく説明できるか?」
一瞬めんどくさい性格と言った瞬間に、ほんの少しだけウェインから殺気が漏れたので、誤解のないように<アルダ王国>には問題ないことを慌てて付け加えておいた。
「そうですね、一言でいうと錬金バカでしょうか?」
「ラム殿、私も同じように感じました。ガジム殿と似た匂いを感じますし。」
ラムとマーニカが俺と同じような感想を述べた。
「よくわかりました。つまりジン様は宴の最中で錬金にかかわる件でヒートアップし問題が起こることを危惧されている・・・という事でよろしいでしょうか?」
「そうそう!それだよ。なんか久しぶりに会って普通の話をしたかったんだけど、こんな話になっちゃってごめんね。でも流石ウェイン、長い付き合いだけあって話が早いな!!」
「お気遣いありがとうございます。では我らで万が一の時は彼等を<空間魔法>で異空間に排除します。」
助かるな。マーニカにはお願いはしておいたけど、流石幻獣部隊のリーダ(今正式に名前を決めたけど・・)だ!!。
よし、直近の最大懸案はこれでひとまず安心だ。
あいつらの破壊力は尋常ではないが、これで大丈夫だ。そう、きっと大丈夫。
頼んだぞ、幻獣部隊・・そして近衛騎士!!
「ラム、この件、近衛騎士の全員にも情報共有して万が一のフォローを頼むぞ。」
「承知しました。では、今はマーニカ殿、ウェイン殿もジン様のお傍におりますので早速連絡してまいります。」
ラムは少しだけ俺に対する過保護レベルを下げてくれている。
というのも、俺の強さが桁違いになったこと、<アルダ王国>の防御がガジム達のおかげで上がっていること、そして幻獣部隊が増えて更に万全になったため四六時中護衛についているわけではなくなった。
そんな訳で、俺として万全の体制を整えて・・というよりもこんな状況なのに、なんで内輪の問題に力を割がなくてはいけないんだ!!という思いはあるが・・何とか宴を迎えることができた。
「皆、改めて留守を守ってくれて感謝する。今日は我ら<アルダ王国>と友人となった<フラウス王国>第二王子一行歓迎の宴を開催する。第二王子一行は、我らの建国に当たり<シータ王国>との戦闘が起こる可能性が高い中で、自らの危険を顧みず助力に来て頂いた。その心意気に感謝すると共に、我らの友情を更に深められればと思う。それではリノス王子、よろしくお願いします。」
「皆さん、私は<フラウス王国>第二王子のリノスと申します。この度、我が王国は<アルダ王国>と友好の証として同盟を結び、共に共通の敵である<シータ王国>と戦う決意をしました。少数ではありますが、我が国のメンバーを紹介します。まずは騎士のロンガン。」
俺は念話で、近衛騎士達、そしてウェイン筆頭とする幻獣部隊に、念話を飛ばした。
『ここからだ、AとBが何か反応を示すかもしれない。気を緩めるな。』
一気に緊張が高まる。そんな我々の状況などリノス王子が知るわけもなく、問題の重鎮A、Bが紹介され始めた。
「そして、こちらにいる二人が<フラウス王国>の要である錬金術を発展させてくれている「私がラン「俺がノレン」」・・・」
「おい、ノレンド俺が最初だぞ!」
「うるせぇ!!そんなもの関係あるか、俺が先だ。ランドルお前は引っ込んでろ!!」
こいつら、いつも通りの平常運転だ。
王子が紹介してくれている最中に平気で割り込み、勝手な主張をしていやがる。
リノス王子は困惑した表情で彼等二人の争いを見ているので少し気の毒になってきた。
あとでソフィア姉さんに慰めて貰ってください。
お読みいただきましてありがとうございました。




