<アルダ>建国へ向けて・・<フラウス王国>へ準備(3)
近衛騎士と家族の補強です。
皆で父さんの執務室に到着し、マーニカの紹介、ウェインやその他召喚魔獣との顔合わせ、近衛への装備譲渡と意外とやることがあるので、幹部?を皆集めてもらうことにした。
各族長・・もちろんガジムもいる。そして俺たち家族、近衛騎士、召喚魔獣、神獣と執務室隣のホールに揃った。
ここで父より、明日出立する旨伝えられた。
「皆、忙しいところすまない。我ら<アルダ>一族は、近衛とジンの召喚魔獣、神獣を連れて新たな交易先としたい<フラウス王国>に明朝出立することとした。<フラウス王国>は<シータ王国>と一切の交流がないため、残念ながら何の情報もない。ただ、壁には一部門のようなところがあるので、こちらから向こうへは行けるはずだ。今回の交渉は何としても成功させたいと思っている。」
「防衛はどのような体制になるのでしょうか?」
龍人族の族長が聞いてきた。外の警備を担当しているので当然の反応だな。
「ここにいる召喚魔獣のリーダーであるウェインと、見事な魔法防壁を作成したドワーフ族族長のガジムを主体に防衛してもらおうと考えている。実は<魔界森>と<神猫>の内部にいる魔獣も軽くコントロールできるらしく、魔獣は領内には決して責めないが、領外の者は攻撃対象になる可能性があるから、そのあたりの注意点はウェインからしてもらう。細かいコントロールはできないらしい。大まかなコントロールはウェインに実施してもらうことになっている。」
「改めまして、大役を仰せつかりましたウェインです。ダン様がおっしゃったとおり、迷宮内部にいるときに命令はできるのですが、命令を実行しようと外に出た瞬間から追加の命令はできなくなるため、細かい制御ができません。よって、王族の皆様が<フラウス王国>に行かれている間に敵が来た場合は、外で迎え撃つのではなく、即<アルダ王国>内に帰還いただき、門を閉鎖します。その後防衛班で対処が厳しい状態となってしまった場合に迷宮より魔獣を出現させて挟み撃ちとすることにします。」
「承知した。」
龍人族以外の族長もうなずいてくれている。
「もしそのような事態に落ちった場合には、敵の気配を察知した時点で<神猫>攻略者は強制的にジン様の<神の権能>をお借りし私ウェインが<アルダ王国>内部に転移させます。」
うん、一応穴はないかな。うまく行きそうな気がする。
そういえば、<シータ王国>や他の辺境伯の情報はどうなっているんだろうか?
「ウェイン、今諜報部隊は既に配置が終わっているので、俺がいない間の報告は全て受けて貰い、必要な情報を俺達に直接<念話>で飛ばしてくれないか?」
「承知しました。」
よし、これで情報も徐々に入ってくるだろう。
そして、一度解散し各族長は退出していった。
最初に父さん母さんに、ドロップの指輪を渡した。
「父さん、母さん、この指輪を受け取ってほしい。これは光魔法Lv2と危機回避Lv2が使えるようになるもので、万が一の時に回復や危険を回避できるんだ。」
そうして父さんに光魔法の指輪、母さんに危機回避の指輪を渡した。
そもそものLvがない状態ではこのドロップはメリットがあまりないかもしれない。
しかし、スキルを持たない者でも使用できるため、練度を上げればドロップに依存しないで使用できるようになる・・つまりスキルを得られて、Lvも上げられるのだ。
このドロップの凄まじい性能は実はそこではなく、どんなLvにいるものでも必ず指定のLv分だけ上昇できることにある。
そもそも人族最強と言われている<S:帝級>クラスになると、スキルのLvは<Lv5・・上級>程度になる。
この高いLvから一つLvを上げるのは至難の業なのだ。
そのため、必ず指定Lvが上がるドロップというのは、破格の性能と言える。
父さんはある程度体を動かせるので、万が一には自分にも回復魔法を掛けることができるだろう。
母さんは、おっとりしていて動きも少し遅いので、致命傷を受けると回復する術がないかもしれない。
そんな状態を防ぐために母さんに危機回避を付けて貰うことにした。
影に潜む護衛とは、逆の性能を持たせる形をとったのだ。
「「ジン、ありがとう」」
二人が指輪を付けて、優しく抱きしめてくれた。
暖かい。本当に暖かいんだよ。こんな前世の記憶がある俺を無条件で受け入れてくれて・・・
ありがとう。
よし、気を取り直して近衛だ。
ちょうどミーナには聞いていた通りの装備だし・・・きっと水晶さんも聞いていたんだろう。
母さんの近衛騎士、魔族のオルド。
<槍:帝級>
姉さんの近衛騎士、魔族のハルド。彼はオルドの弟だ。
<双刀:帝級>
兄さんの近衛騎士、猫獣人のミーナ。
<手足装甲:帝級>
の腕輪をそれぞれ渡した。
彼らは嬉しそうに腕輪を装着し
「「「ジン様、ありがとうございます(にゃあ)、今装備を出してみてもいいでしょうか(にゃ)?」」」
「もちろんだよ。」
皆が装備を展開すると、腕輪が発光し、
オルドには、持ち手は黄金、刃は銀の槍が。
ハルドには、銀の刀と、赤の刀2本の刀が
ミーナには、黄色のガントレット、茶色のソルレット
が装備された。
一見して明らかに力が上がっているのがわかる状態で、彼らもあまりの力の上昇に若干戸惑っているようだ。
当然俺の近衛騎士ラムと父さんの近衛騎士二コラは同レベルの装備を持っていて既に腕輪を付けている。
「ジンよ、素晴らしいな。何の力もないこの私にも、明らかに尋常ではないほど近衛騎士達の力が上昇しているのがわかる。」
流石は父さんだ。
「少し力が上昇しすぎているから、上手くコントロールして装備に振り回されないように若干鍛錬した方が良いかもしれないね?」
ということで、ラムと二コラも含む近衛騎士全員は鍛錬場に喜々として向かって行った。
ここの鍛錬場は、俺が産まれる前にガジム率いるドワーフ族が整備したらしく、少々暴れても周りには被害が出ない優れものらしい。
今の状態であれば、場内で護衛は必要ないと伝えてようやく行ってくれたのだ。
本当は皆すぐにでも装備を使いたさそうにしていたのにね・・本当に忠誠心が高いよ。
そして残ったのは、俺の家族と神獣だけとなった。
そこで、俺はお土産?用のドロップを取り出し説明した。
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名 称:風魔法の指輪
効 果:風魔法スキルLv1UP × 1
名 称:土魔法の指輪
効 果:土魔法スキルLv1UP × 1
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「父さん母さんにつけて貰ったものと同じで、風と土のLv1を付与できる指輪になっているんだ。これも相当レアなので、喜んでもらえると思う。」
「そうか、ただこのドロップアイテムを装備して初めてわかることだが、これは性能が高すぎるのではないか?今回は建国した<アルダ王国>と交易という交渉のため友好的に行くが、<フラウス王国>も人族至上主義、他種族排他主義であれば摩擦は避けられないだろう。その可能性が捨てきれない状態であまりにも性能の良い、戦力状況アイテムというのは若干腰が引けてしまうな。」
「父さん、大丈夫だよ。正直個数も2つだし、俺たちの近衛や影に潜む護衛の契約魔獣Lvでは全く問題なく対処できるから。それにこれは国宝という事にしてもう在庫はないと言っておけば恩も売れるし、追加で要求してくることもないでしょ?」
一応俺も父さんと同じ懸念はあったのだが、全方向敵だらけのこの状態では多少はデメリットを受け入れてでも良い印象を与える必要があると考えたのだ。
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