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最下層での戦い?

最下層のボスと戦うことを決意したジンのその後になります。


第3話の王国に依頼されて迷宮を攻略した冒険者のその後のレベルを、(SSS)から(S:帝級)に変更させていただいています。

 俺は、最下層のボス部屋に転移した。


 部屋自体はなぜか明るいが、天井は雲があってもおかしくないレベルの高さがありそうだ。

 広さも東〇ドーム数十個はあるんじゃないかというレベルだ。


 元は日本に住んでいたので、広さはドーム基準になっているのはしょうがない・・。


 と、若干余裕があるのも、なぜかこの部屋に全く威圧感がないのだ。

 

 クズ共に転移させられるまでに4回フロアボスを倒したが、フロアボスの部屋は、少なくともボスからの威圧感が肌をヒリヒリさせていた。


 あまりにレベルが違いすぎて、何も感じなくなったのか?


 そう、俺のスキルレベル自体は<テイマー:Lv10>と、この世界では見ることができない上限レベルになっているが、個人のレベルはスキルレベルと違い、上限がLv99まで存在する中の<Lv5>で、ギルド冒険者クラスは(E:初級)に分類されている。


 せっかく覚悟を決めてきたのに、何か気が抜けた感じがするが、そうはいっても4大地下迷宮(ダンジョン)の一つ、クズの一角、辺境東伯であるアレンの家が管轄する<神狼>だ。


 油断せずに命をつなげて地上に帰還し、クズ共を見返すんだ。


 決意を新たにしたところで、記憶を呼び戻したときに聞こえた声が聞こえてきた・・気がした。


「ご主人様~」


 ・・・ドカ~ン・・・


「ぐぇ」


 目で追えない何かが、俺の体を直撃した。


 これがフロアボスの攻撃か・・

 俺なんかじゃ、立ち向かうことすらできないんだな・・・


 あきらめの境地に至っているが、なぜか次の攻撃を受ける気配がない。


 ないが、なぜか頬擦りされている感覚があり、最初の攻撃で横たわってしまった俺の体に重なって何かが乗っている感覚もある。


 むしろこの感覚は、柔らかい感触で幸せを感じさせる。


 なるほど、このレベルのラスボスになると、魅了を使ってくるのか・・・

 このまま幸せな気持ちで終えるのも悪くないか・・


 と思っていても、意識が途切れることはない。


 恐る恐る目を開けてみると、白銀の髪を持つ裸の女性が横たわっている俺の上に乗り、顔を俺にこすりつけているのだ。


 えっと・・・


「どちらさまでしょうか?」


 とても迷宮最下層フロアボスの部屋で言うセリフではないが、思わず出てしまったこの言葉・・

 いや、この状況なら10人中15人以上が同じことを言うだろう。

 

 って、何を言っているかわからないが、落ち着け。


 すると、女性は俺の上から移動し、横に座って涙を流しながらこう言った。


「長い間お待ちしておりました、ご主人様。私はご主人様と地球で共に過ごしたモモです。地球の神様から、ご主人様の転生は私達の転生後100年経過してからとのことで、ずっとずっと心待ちにしていました。この100年は、ご主人様と幸せに暮らせるようにお待ちしておりました。ただ、申し訳ありません、私もこの世界の神の1柱であり、<神狼>の暫定管理者であったことから、この部屋から出ることができませんでした。また、暫定管理者であるがゆえに、地下迷宮(ダンジョン)の制御を変更することもできず、各階層を監視することもできなくてお迎えに行くこともできませんでした。しかし、私はご主人様のものであるため、ご主人様はこの<神狼>の新たな管理者になられます。これで、私は地上に出ることができるのです」


 嬉しそうに、そう、とてもうれしそうにモモは説明してくれる。


 見かけはドストライクの裸の女性であり、モモのイメージはわかないが、なぜか本当にモモであることは本能で理解できてしまっている。


 また、<テイマー:レベル10>の権能で、モモの名前も正しいことが理解できているしね。


 でも、ちょっと気になることができた。


「えっ、ということは、今度は俺がここから出られなくなるの?」


 そう、モモの代わりに管理者なるものになったら、最下層から出られなくなるかもしれないのだ。

 そうすると、クズを見返ることも当然できないわけで、俺としては認められないところだ。


「いいえ、そういうことではございません。地下迷宮(ダンジョン)が新たにできたら、最下層のボスは暫定の管理者となり、動きは制限されますが、ボスを倒して・・ご主人様の場合は、私のご主人様ですので、倒す必要はございませんが・・、新たに管理者となられた方は自由です。地下迷宮(ダンジョン)の中に出てくる魔獣の制御も自由自在ですので、レベル上げも容易にできます。その昔、レベルの低い地下迷宮(ダンジョン)を複数の人間が制覇したと他の神が言っていました。その人間は新たな管理者となり、他人をダンジョンに入れないように設定した上、魔獣に攻撃を禁止したそうです。そうすれば、安全に全ての魔獣を倒すことができて、かなりのレベルアップを行い、英雄レベルになったとか・・」


「あぁ、そういえば昔にそんなことがあったようだね。その時の冒険者レベルは(S:帝級)認定、人類最高峰だったようだよ」


「そうでしょうね。ただ、しょせんはレベルの低い地下迷宮(ダンジョン)ですので、繰り返し魔獣を討伐し続けても上がるレベルは知れています。しかし、この<神狼>は全200階層の巨大地下迷宮(ダンジョン)ですので、ご主人様のレベルも上げ放題ですよ。人間はこのダンジョンを(SSS:神級)と言っているようですね」


「そうなのか、でも、今色々ありすぎて混乱しているから、まずは落ち着いて少しゆっくりしたいところだな」


「承知しました。では、一度制御室の方へご案内させていただきます。そこで正式に<神狼>の管理者として登録させて頂ければと思います。 ところでご主人様、もちろん私と契約していただけますよね?」


「あ~、そうだね、丁度<テイマー:Lv10>になったから、モモさえよければ契約させてもらおうかな」


 そう言った瞬間、モモから強烈な殺気が漏れ出て、思わず固まってしまう。

 その後、悲しそうに俺に近寄り抱きしめてくれた。


「まさかご主人様、またつらい思いをされていたとは思いませんでした。これからはこのモモが絶対の忠誠を誓いおそばにおりますので、ご安心ください」


 そうか、Lv10解放の条件をモモ達も聞いていたんだな。だから俺が信頼している仲間に裏切られたことを知って怒ってくれたんだ。


 やっぱりモモ達は俺の家族だ。

 なんだか涙が出てくるよ。


 でも、裸の女性に抱き着かれるのはちょっと、いやだいぶ問題がある絵面だな・・

 個人的にはうれしいが・・・


 そのおかげで、目から涙の代わりに、鼻から赤い物が出ているよ・・

お読みいただきましてありがとうございます。

もしよろしければ、下の☆を★にして頂けると、モチベーションが上がります。

よろしくお願いいたします。

次話は、31日12時に投稿予定です。

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