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<アルダ>の強化(9)・・契約完了とその後

外敵?の動きも少しあります

 ウェインとの契約を終えた俺は、残りの召喚魔獣であるユフロ、レイラ、エレノアとも契約を完了した。


 ここで水晶さんの出番ですよ!!


『ジン様は神人になっているため、基本スキル<テイマー>も神の権能として使用しています。よって、契約時によるメリットも大幅に増加しました。彼らのステータス表示はこの権能の力が巨大すぎるため残念ながら反映されませんが、各種のスキルがほぼ倍の力で使用できるとお考え下さい。また、ジン様がお持ちの権能の一部・・つまりはほぼすべてのスキルをジン様の許可があれば使用することが可能です』


 いやいや、すごいね。

 契約時の光の強さが理解できたよ。


「皆、水晶さんの言う事理解できたかな?ま、それはさておき皆と親睦?を深めたくて、いい機会だからこのまま色々話さないか?<アルダ>の警戒は、モモ、トーカ、ソラ、シロ、頼めるかい?」


 俺の契約神獣たちは、部屋の四隅・・各地下迷宮(ダンジョン)にいた時の方角、それぞれの東西南北に移動した。


 部屋を出る必要なく神の権能で各方向を警戒してくれているのだろう。


 というよりも、俺の傍から離れたくないだけかもしれないが・・


 でもありがたい。これから4人の召喚魔獣と話をして、少しでもお互いの壁が薄くなるといいな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 時間は少し遡る。<アルダ>の魔法防壁に攻撃を仕掛け、あわよくば領民を拉致しようとしていた人族最強<S:帝級>一族のゾラム。


 彼は一族といっても下端のため<S:帝級>まで達していないが、忠誠心が高く重宝されていた。

 

 今回の<アルダ>に対する作戦も、5人の小隊の隊長として任務にあたっていたため、<アルダ>到着直前で、歩きながら軽い打ち合わせを行っていたのだ。


「いいかお前ら、今回は<アルダ>領内にて人族以外にクレームをつけて、相手から手を出させるのが最終目標だ。人族以外に殴られたりするのは腹が立つだろうが、そこは我慢しろ。そしてその件を公にして領主の責任を追及していく」


「わかりました」


 そしてほどなく<アルダ>に到着した彼らは、領内に入ろうと門を目指したが、遠目で一定の人数が入領を断られているのを確認した。


 中には見知った顔もある。


 そう、同じように<アルダ>を落とそうとしている者だ。


 どうやら入領を断られている者は、全員が<アルダ>に対して害意を持つものであると判断した。


 実は入領に関しては、噂程度だが悪意の有無で選別できているようなことを聞いたことがあるため、簡単に状況を把握することができたのだ。

 

 だとすると<アルダ>に入領することができないので、内部で嫌がらせはできそうにない。


 複数のパターンを考えていたのだが、計画を変更することとした。


 そこでゾラムは、外部から城壁に攻撃魔法を打ち込ませ、警戒に出てきた者に対して安全に対するクレームをつけようとした。


 そこからお詫びをさせることで入領しようと試みたのだ。


 もしこの作戦がうまく行かなくても、警戒に出てきたものが少数であれば彼らで全員拉致できるかもしれないと考えたのだ。


 そんな思惑から、連れてきた小隊で最も攻撃魔法が得意な<炎魔法:Lv5・・上級>を城壁に向かって放つように指示をし、ゾラムは<隠密:Lv5・・上級>を使用して闇に紛れた。

 

 予定通り炎魔法が城壁に着弾し、炎が一瞬燃え上がったかのように見えたがあっという間に鎮火してしまい、城壁も何事もなかったかのように傷一つ付いているようには見えなかった。


 城壁内部の隙間から、弓を持っている狙撃兵らしきものが見えたが、この狙撃兵も、驚くことに何もなかったかのような振る舞いをしているのだ。


 一瞬<炎魔法>を打たせた者と、何故か<隠密>を発動している俺を見たような気がしたが、それだけだ。

 

 少しすると、城壁内部が騒がしくなってきた。

 

 やはり何かの間違いで<炎魔法>がうまく発動しなかったのか、威力が低くて城壁事態に大きなダメージは見えないが、人族最大Lvの魔法であるため、内部側にダメージがあるのだろう。だとすると、もう少し<炎魔法>を打たせるか、城壁の外を確認しに来る者を待つか・・・

 

 そしてゾラムは後者・・城壁の外へ確認しに来るものを待つことにしたのだ。


 しかし、待てど暮らせどそんな者は来ない。


 聞こえてくる城壁内部の声は、


「なんだこのへなちょこ魔法は。もっと強くないと魔法防壁の検証にすらならないだろうが。しっかり魔法を発動したのか!!」

 

「全くだ。ジン様対策のヒントになればと思ったが、とんだ期待外れだ・・、誰がやったか知らんが、魔法を発動するならするで、しっかりしろ!!」


「まあまあ落ち着け、魔法の術者がヘッポコだったことは間違いないが、せっかく皆が集まったのだからいっそのこと今回のLvアップの成果を今ここで試すか・・」


 と、何だかよくわからないがバカにされている気がするセリフが聞こえてくるのだ。

 挙句の果てには城壁内部でけたたましい音や声、そして魔法を行使している音まで聞こえてくる。


 こんな状態になってしまったためゾラムは一旦引くこととした。そう、不測の事態が起こった時に慌てて事を起こすのは大きな損失を生む可能性があることを知っていたのだ。


 最初の魔法攻撃からかなりの時間が経ってしまってからの撤退となったが、ゾラムが一瞬城壁を振り返ると、やはり<隠密:Lv5・・上級>を使用しているにもかかわらず、何人かと目があった気がしたのだ。


 ゾラムは、頭は切れる方で、経験も豊かである。


 その本能?が<アルダ>はこのままでは彼らがどんな方法を使おうが、相手にすらされないという事を悟ったのだ。


 そのため、時間はかかるが本拠地に戻ることを決意した。


 実際にゾラムの判断は正しかった。


 <アルダ>は戦力が大幅に上昇したため、通常であればかなりの脅威である彼らのLvが、取るに足らない有象無象に変わってしまっていたのだ。


 そのため魔法防壁にいる狙撃班も、当然<隠密:Lv5・・上級>程度は看破できており、ゾラムを補足していた。


 しかし、全く脅威に思えなくなっていたので放置したのが実情なのだ。


 但し、魔法防壁は強化前であったので彼らの<炎魔法>が効く可能性はあった。あったのだが、そこはドワーフ族の執念ともいうべきか、Lvアップ前でもLv以上の物を作り出していたのだ・・・


 本拠地に戻る途中、魔法を放った者からの報告では魔法の発動に問題はなかったとのことだ。


 何故かゾラムは帰還中、魔法担当に対して嫌に優しかったとか・・・

お読みいただきありがとうございました。


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