<アルダ>の強化(8)・・ジンの変化
種族変化?を果たしました
<神猫>から帰還して即寝てしまった俺は、翌日の夜まで目覚めることはなかった。
父さんや家族には、俺の近衛騎士であるラムが現状を報告してくれたと、目覚めた時に部屋にいたラム本人が教えてくれた。
姉さんや兄さんが心配で部屋まできたが、神獣のみんなが状況を説明し問題ない事を理解してくれたら自室に戻ったらしく、あとで心配をかけたお詫びを言っておこう。
一日以上経過してしまったわけだが、こうなると召喚魔獣2人はLvアップが終わっているだろうから、俺自身も含めてステータスの確認を行っておこうか。
2人はすぐに迎えに行くとして、俺のステータスを確認だ。
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名前:ジン・アルダ(覚醒転生者)
種族:神人
Lv:99
HP:9999/9999
MP:9999/9999
MT:9999/9999
【スキル】
<神の権能>
【称 号】
<神狼>管理者
<神龍>管理者
<神鳥>管理者
<神猫>管理者
<魔界森>管理者
【契約魔獣】
神狼フェンリル (モモ)
神龍バハーム (トーカ)
神鳥フェニックス(ソラ)
神猫ベヒーモス (シロ)
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おんやぁ~、何だか随分とスキルがすっきりしたな。しかも9ばっかり。
残念?ながら人ではなくなったようだが、そんな気がしていたし、家族と幸せに暮らせることが目標なので些細な事だ。こんな風に思えるのも、ステータス上は表示されていないが、精神耐性のMTが上限を振り切っているからなのかもしれないな。
水晶さんが教えてくれた通り、魔界森も俺の管理範囲に含まれたようだ。
制御室がどのようになっているかなどわからない事だらけだが、おいおい理解すればいいだろう。
『承知しました。<アルダ>の今後の方針により、これから皆様がどのような動きをするかによって状況が変化するため、都度説明させていただきます』
安定の水晶さん・・
『ありがとう』
よし、頭もすっきりしたし、体調もすこぶる良い。さっそくLvアップした2人を迎えに行くか?
『ジン様は神人になりました。ステータスに表示されるLv自体は現在表示できる上限になっていますが、実際のLvは遥か上にあると思ってください。そしてスキルも<神の権能>としてほぼすべてのスキルを使用することが可能です。よって、今まで使用していた<転移>についても、遠隔地から呼び寄せる方法も行えます。あまりにスキルの情報量が多くなるためジン様には情報は入っていないと思います。必要に応じ私の方でもサポートさせていただきます』
『ありがとう。呼び寄せるよりも、頑張った皆を迎えに行ってあげたいので、こちらから行くよ』
「皆、俺が寝ている間も一緒にいてくれてありがとう。これから<神鳥>と<神猫>にいる召喚魔獣、レイラとエレノアを迎えに行くけど一緒に行く?」
「「「「「はい」」」」」
神狼とラムはそろって明るい返事をしてくれる。皆美人だからなんでか照れちゃうな。
迎えに行く順番は召喚の順番で良いだろう。
先に<神鳥>のレイラだな。
こうして全員で<神鳥>の制御室に転移し、レイラを迎えに行った。
レイラは他の召喚魔獣よりも長く地下迷宮にいたので、ステータスは高めになっていた。
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名前:レイラ
種族:光鳥(幻獣)
【スキル】
Lv:Lv95・・SS(聖級)
HP:7000/7000
MP:6800/6800
MT:6300/6300
【スキル】
<光魔法 :Lv10・・神級>
<炎魔法 :Lv10・・神級>
<身体強化:Lv9・・聖級>
<物理耐性:Lv9・・聖級>
<精神耐性:Lv9・・聖級>
<魔法耐性:Lv9・・聖級>
<危険察知:Lv8・・帝級>
<危機回避:Lv8・・帝級>
<気配察知:Lv8・・帝級>
【称 号】
<神鳥>管理者ジンの僕
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水晶さんの言っていた通り、回復系統の<光魔法>のスキルが高いが、少し迎えに来る時間が遅かったので暇を持て余しLvアップしすぎてしまったようだ。
ステータスは良ければ良い程助かるので、嬉しい誤算ではある。
今のまま、<アルダ>に大した状況の変化が起きなければ、召喚魔獣は再度Lvアップをさせてもいいかもしれないな。
「レイラ、待たせてごめんね。俺自身が進化したようでその影響で暫く動くことができなかったんだ」
「とんでもございません。わざわざジン様がお迎えに来ていただけるとは恐縮です。私自身をジン様の盾・剣・回復士として存分にお使いいただければと思います」
やっぱり召喚魔獣はみんな・・なんて言ったらいいだろう・・忠誠心が前面に出すぎていて壁を感じちゃうんだよね。
今度4人の召喚魔獣と腹を割って話す必要がありそうだ。
「ありがとう。もう少し砕けた感じでも構わないよ。これからよろしくね。それで、次は<神猫>にレイラと同じ召喚獣がいるので迎えに行くんだ。レイラもいきなり<アルダ>に一人で帰っても何をすればいいのかわからないだろうから、とりあえず一緒に来てくれる?」
「お気遣いありがとうございます。同行させていただきます」
やっぱり堅いな・・
「よしでは行こう」
早速<神猫>の制御室に行き、エレノアと対面した。
彼女はLvアップの時間は<神鳥>のレイラと違って他の召喚魔獣と同じ程度だったので、Lvもそこそこだ。十分強いけど。
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名前:エレノア
種族:虎幻(幻獣)
Lv:88・・SS(聖級)
【スキル】
<炎魔法 :Lv9・・聖級>
<風魔法 :Lv9・・聖級>
<土魔法 :Lv9・・聖級>
<雷魔法 :Lv8・・帝級>
<氷魔法 :Lv8・・帝級>
<水魔法 :Lv8・・帝級>
<気配察知:Lv7・・上級>
【称 号】
<神猫>管理者ジンの僕
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いや、極端に攻撃側に偏りすぎでしょ。
ちょっと怖いよ。しかも唯一攻撃系じゃないスキルも<気配察知>で、結局は攻撃につながるし・・
でも、召喚した時の感じだと瞬滅系統の魔獣とは思えないほどおっとりしていたような気がするようなしないような・・・
大丈夫だよな??
『ジン様、問題ありませんよ』
ですよね、水晶さん。わかってますよ。
よし、とりあえず皆を紹介するか。
「レイラ、そしてエレノア、既に知っているとは思うけど改めて、ここにいるのが俺の契約魔獣で<神獣>のモモ、トーカ、ソラ、シロだ。状況などは水晶さんに聞いてわかっていると思うが、お前たちの先輩の召喚魔獣も2人<アルダ>にいるし、領地を守る仲間も戻ってから改めて紹介したいと思うのでよろしくね」
「「ありがとうございます。よろしくお願いします」」
そして俺は、神獣4人、そして新たに迎え入れた召喚魔獣2人と常に背後霊のように傍にいるラムと共に自室に転移した。
まだ皆寝ている時間なので、俺も改めてゆっくりさせてもらい明日の朝、父さんに皆を集めて貰って紹介しよう。
でも、たっぷり寝たからか、あまり眠くないんだよね。寝ようと思えば眠れるんだけど・・
『ジン様、それは神人になられた影響です。基本的には<幻獣>と同じように睡眠はなくとも問題なく活動することができます』
ほぇ~・・少しテンションが上がってきた。そう、無駄に夜中におきて何かをしようとするときの前世のあの感じ・・
どうしよっかな~・・・
「ご主人様、何やら嬉しそうですね?私も嬉しそうなご主人様を見てると嬉しくなってきます」
「「「私も!!」」
モモに引き続き他の3人も俺をみて嬉しそうにしている。
幸せだ・・
でも、ラムは俺の心配であまり寝ていなかったのだろう、少し眠そうだ。
「ラム、今日はありがとう。少しゆっくりして体調を整えてからまた一緒に活動してくれるか?」
「承知しました。何かありましたらいつでも<念話>でお声がけいただければ即馳せ参じます。では失礼します」
ラムも休むようにとだけ言っても、きっと休んでくれないので、次の活動についても付け加えておくことがうまく言う事を聞かせるコツだ。
よし、じゃあ家族とは契約したし、忠誠心の高い召喚魔獣とも契約しようかな?
スキルが消えてるけどできるよね??ね??
『問題ありません。ですが、<テイマー>の時も総合Lvでの契約可能数があったように、今回の契約でも制限があります。契約によって得られる権能が大幅に上がっている関係で契約の制限は人数に変更されており、既に神獣の皆様と契約をしているので残りの枠は6人となっているのでご注意ください』
良しわかった。そもそもむやみに契約するつもりもなかったから問題ないな。
では召喚魔獣同士の紹介もかねて一気にやってしまおう。
まずは、ウェインとユフロをこちらに転移させるが、いきなりだと驚かせるので、一応念話で連絡しておく。
『ウェイン、ユフロ、<神鳥>と<神猫>で召喚した同僚を紹介したいので俺の部屋に転移させるよ』
『『承知しました』』
よし、全員揃ったな。
まずは召喚魔獣に俺の前世の家族であった神獣を紹介しよう。
「皆、ここにいる4人が4大地下迷宮それぞれにいた仮管理者の<神獣>達で、俺の前世の家族だ。俺のわがままで彼女達以外を先に契約することはしたくなかったんだ。でも、4人と再会できて契約も終わったので、各地下迷宮から召喚したお前たちとも契約したいと思っている。無理強いはしないが、どうだろうか?」
あれ?なんだか神獣の4人がちょっと涙ぐんでるけど何かしてしまったか?
後でフォローしておくか。
「ジン様、願ってもないことです。むしろ恐れ多くも我々からお願いさせて頂こうかと思っていたところです」
ウェインの回答に、ユフロが頷いている。
おれは残りの召喚して間もないレイラとエレノアを見た。
「「是非とも契約をお願いできますでしょうか?」」
よかった。契約の内容すらまともに話していないのに、絶対の忠誠心からか好意的だ。
ごめんな、そもそも俺のスキルから<テイマー>が消えて<神の権能>になってから、契約でどのような効果があるのか俺もわからないんだよ。以前のスキルであれば頭に流れ込んできたんだけど、水晶さん曰くあまりにも膨大な量のため制限がかかっているようなんでね。
『水晶さん、あとで色々聞くからちょっと待っててね』
『・・・』
一応先に契約をしておきたかったので、水晶さんの割り込みを先手を打って止めておいた。
そして、<テイマー>の時と同じで良いだろうと思いまずはウェインから試してみた。
「汝ウェイン、我ジン・アルダに従う魔獣契約をなす」
俺とウェインの全身に光が多い、契約が成功したことを確信した。
あれ?以前と比べて光が強くない??? そう思いつつ…
お読みいただきましてありがとうございました。




