スキル取得へ向けて初討伐(6)
徐々に戦力あ~ぷです。
「ジン様、ご無事ですか?どこもケガしてませんか?きちんと眠れてますか?お食事取られていますか?喉乾いていませんか?お風呂入っていますか?それから、それから・・・変態になってませんか?」
ラムは、女性用の服一式を荷物から出しながら、こちらを心配するような目をして聞いてきた。
「ラム、落ち着け、俺はこの通り何の問題もないから。今から手紙やウェインの伝言にもなかった事を少し説明するから聞いてくれ。あと、俺は変態じゃねーぞ、女性用の服についてはこれからもっときちんと説明するから」
ラムの質問に答えていると日が暮れる・・というか日は出ていないが・・時間がもったいないので、<神狼>攻略の事や、モモの事を話した。
モモには神狼にもなってもらい、変化ができることを理解してもらった。
ので、女性用の服については、特に突っ込まれることはなかったよ。ふ~
その後、俺の<テイマー:Lv10・・神級>について説明した後、他の4大地下迷宮を攻略し、最下層にいるそれぞれの<神獣>と契約する必要があることを伝えた。
但し、前世の話まですると何やらややこしくなりそうなので、そのあたりは話していない。
「わかりました。先程は取り乱してしまい申し訳ありません。ジン様とこれほど長く離れたのは初めてだったため、心配で心配で、夜しか眠れませんでした」
「うん、ラム、通常運転だな。随分余裕が出てきたようで何よりだ。で、ラムはLv52(A:上級)で変わりなないか?」
「はい、その通りです。ステータスご覧になりますか?」
通常ステータスは、自分の弱点をさらけ出すことになるため、安易に他人に見せることは絶対にしないが、ラムは俺に対して絶対の忠誠心があるため、ステータスを見せることに一切の戸惑いはないのだ。
「いや、良いよ。で、ちょっと相談なんだけど、今後クズ共と、場合によってはここ<シータ王国>自体とも相まみえることになるかもしれない。あいつらも、俺が生きていると知ったらどのような暴挙に出るかわからないし、<アルダ>領のみんなも、あいつらからの嫌がらせで我慢の限界だろ?だから、不測の事態に備えて、少しでも戦力を上げておく必要があると俺は考えている。そんな事態はなければないで良いことだが、いざ事が起こった時に慌てても間に合わないからな。そこで、ラムにはこの<神狼>でLvアップをしてもらいたい」
実はラムのLv52は、はっきり言って最強の部類に入る。
しかし、他の地下迷宮踏破者が、管理者権限を使って一族のLvを上げている連中は、最低でもLv自体は分からないが、(S:帝級)クラスであることは間違いない。
(S:帝級)と言ったら、LvでいえばLv76~Lv85に分類されている。
スキルの相性や、戦略等で一概に勝ち負けは判断できないが、こいつらが出張ってきたら、ラムでも正直厳しい戦いになるだろう。そう考えると、目標は最低でも今確認できている人族最強以上・・つまりは(S:帝級)以上となり、(SS:聖級)となる。
因みにLv帯域はこのようになっている。
0 (F:無級) 入門者
1~10 (E:初級) 初心者
11~20 (D:初級) 初心者に毛が生え始めた
21~30 (C:中級) 慣れてきた
31~50 (B:中級) ベテラン
51~75 (A:上級) 最強
76~85 (S:帝級) 人外
86~98 (SS:聖級) 人外が束になっても勝てないレベル
99 (SSS:神級) 神様レベル
ラムのLvでいえば、既に(A上級)の域に達しているため、通常の魔獣討伐ではなかなかLvアップは難しくなっている。
だが、この<神狼>の深層であれば、そこらにいる魔獣のLvは今の設定ではLv71~Lv98になるため、Lv上げ放題だ。
そうそう、最下層には新しい魔獣が鎮座している。
Lvは99ではあるが、正直Lv99以上の表記ができないだけで、Lv99の中でも強弱ははっきり分かれるそうだ。
つまり、モモよりも相当弱いとのこと。 それでも笑っちゃうほど強いけどね・・・
で、ラムには安全にLvアップができることを伝えて、実行してもらうことにした。
あまり時間はかからずに(SS:聖級)になれるだろう。しかし、今の状態では俺のようにとてつもないスキルを持っているわけではないので、(SSS:神級)にLvアップをするにはそれなりの時間がかかる。そのため、今回は(SS:聖級)で区切りをつけた。
父の手紙をもらい、読んでいる間にラムとウェインで195階層に行ってもらおうとしたが、ウェインも同レベルまでのLvアップを希望したため、ウェイン194階層、ラム195階層で、(SS:聖級)に達成したら<念話>で連絡するように伝えておいた。
もちろんラムにも<念話>が使えるように、一度スキルを使用して相互会話ができるようにしておいた。
ウェインが手紙と俺のナイフを出してくれたので、2人をそれぞれの階層に転移させた。
そして、ナイフをいつもの腰にしまい手紙を読むと、内容は、
・ジンの状況は理解した。裏切りは腸が煮えくり返るが、無事であることからまだ事は起こさず静観する。
・おそらく、こちらから手を出させ、領地または爵位剥奪等の措置をとるために嫌がらせが増すだろうが、こちらも耐えておく。
・こちらの家族、領民は皆元気だがお前の心配をしている。
・この連絡方法では、即意思の疎通ができないので、何か方法があれば教えて欲しい。今の<アルダ>にある魔道具では、<神猫>から<神狼>までの通信ができるものはない。
だった。
最後の連絡方法は、実は俺も気になっていた。
今、はここから<アルダ>までは片道2日を切っているが、これはウェインやラムだからであって、他の者が行く必要があった場合には更に日数が必要になり、対処が間に合わない場合があるからだ。
こう考えると、一度戻って<神猫>を踏破した方がよいか?
ただ、このタイミングで<神猫>に俺が向かってしまうと、俺の生存があいつらにバレる可能性が高いのだ。
『水晶さん、この件どう考える?』
『まだ、今のシータ王国の情報を得ることができていないため、確実なことは言えませんが、先ずはウェインを送ってはどうでしょうか?彼ならば<念話>で即話ができますし、今回のLvアップで戦力的にも問題ないのでは・・ラムさんは、行ってもらえなさそうですし』
流石水晶さん、この短い時間にラムの性格を完全に見抜いている。
「モモはどう思う?」
「私も水晶さんの通りで良いのかな・・と思います。申し訳ありません、あまり難しいことは分からないので・・」
いやいや、可愛ければ何にも問題ありませんよ!
「よし、ではウェインのLv上げが終わったら、トンボ帰りで申し訳ないが、また<アルダ>に向かってもらうことにしよう」
俺は、ウェイン召喚時に、<アルダ>への往復任務終了後に即帰還させようなどと思ったことは脇に置いて、彼を使える認定したのだった。
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