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戦闘に向けて

こんな時期に風邪をひいてしまいました。

皆さんも体調には十分お気をつけください。


 いくら考えても向こうの意図は読めないが、こちらに不利になる事ではなく、二コラ隊長の戦闘狂であるという案を採用して、魔神の提案を受けることにした。


 俺のイメージでは、魔神は悪の限りを尽くすので何でもアリかと思ったが、そうではないのだろうか?

 しかし、既に多数の犠牲を出している事実があるので許すわけにはいかないが・・・


 当然【諜報部隊】による調査を実施しようとしたのだが、<SSS:神級>五匹と魔神が集結している為瘴気が異常に濃く、諜報活動を実施するにもある程度の力で瘴気を無くす必要がある。

 そうすると、敵に存在が明らかになってしまうので結局諜報活動は諦めた。

 

 戦闘は<リハク大陸>にて実施することにし、互いに部隊を一部駐留させている。

 これは、魔神曰くくだらない罠を仕掛けないようにする為の監視だそうだ。

 その為、お互いが認識できる位置にはいるが戦闘は一切起こっていない。


 因みに、その場に展開されている部隊は向こうは<SS:聖級>の魔獣、こちらは【遊撃部隊】の精鋭達だ。


 最終決戦の日付も決定しており、一週間後に行われる。

 

 イノザ副隊長が手にしていた手紙の提案に対して、回答するべく魔獣を連れた者と後日話をしたのだが、その魔獣は、通信用の魔獣であったらしく魔神と会話することができた。

 その者は、こちらの返事を待つために門の外で野営をして待っていた。

 

 会話した相手は実際本物の魔神かどうかはわからないが、そういう事で話を進めた。

 

 魔神の提案は、幹部同士の戦いに尽きる。

 向こうは魔神と<SSS:神級>の魔獣五匹、合計六匹なのだが、<アルダ王国>側は何人来ても構わないと挑戦的だった。


 そして、こちらが負けた後は<アルダ大陸>を含めて全ての大陸を支配し、生き残っている者達は食料や労働力として飼育すると言い放った。


 更には、現在保護している神達も抹殺するというのだ。


 やはり魔神は魔神だ。

 向こうの言う通りにこちらの全戦力で叩き潰しても良いのだが、魔神の性格がよくわからないので、<アルダ大陸>や他の大陸の防衛にも力を割かなくてはならない。


 更にはこちらを下に見ている事にかなり頭にきたこともあり、こちらも同数での戦闘を行うと啖呵を切ってしまった。


 という事を、夕食の際に俺から報告をした。


 もちろん俺の短慮で、数の力で蹂躙できる相手に対して、わざわざ人数制限を懸けるような真似をしてしまったので深く反省してお詫びしようとした。

 

 「と言うわけで、こちらも六人での選抜になってしまった。本当に申し訳・・・」


 と言い終わる前に、王族以外の幹部の目の色が変わった。

 特に【近衛部隊】が互いを強く牽制している。


 ただならぬ雰囲気を察して、父さんが話す。


 「どうした。何かジンの報告に問題でもあったか?まあ、自ら人数制限をかけて首を絞めてしまった所は頂けないが、奴らが負けた時の言訳になる可能性もあるから、一長一短だな。」

 「いえ、ダン王。我ら【近衛部隊】としてはジン様のご判断に感激している所です。」

 「うん?二コラよ、判断とは人数制限をかけたことか?」

 「その通りでございます。その六人、当然この【近衛部隊】隊長二コラ、不肖ながら立候補させて頂きたいと思います。」

 「隊長!!抜け駆けは汚い。この私オルドも是非とも「いやいやこのハルドも「ずるい。私も・・・」」」


 収拾がつかなくなってきた。

 今騒いでいるのは【近衛部隊】の二コラ、オルド、ハルド、ラム、ミーナだ。

 

 最近の【近衛部隊】は、実戦となると性格が激変する。

 他の隊長達は既に慣れたもので、黙々と食事をしている。


 「わかったわかった。皆落ち着け。誰が戦うかは検討しよう。そうだな、【近衛部隊】以外に立候補はいるか?」


 父さんはこの場を収めにかかっている。

 しかし、普通は魔神や<SSS:神級>の魔獣と戦うので命の危険と言うよりも、命を捨てに行くような物なのだが、<アルダ王国>の隊長格はそんなことはない。まるで虫でも相手にするかのような感じがする。


 父さんの発言に、【近衛部隊】の面々が祈るような目で幹部を見渡している。

 

 どれだけ戦いたいんだよ!!

 

 彼らの状況を理解しているので、他の幹部は大人の対応をしている。

 と言っても、人数的には【近衛部隊】ともう一人必要になるのだ。


 俺は正直もう戦闘はあまりしたくない。

 のんびり、楽しく過ごしたいんだ。そに為に必要な戦闘だと言うことはわかってはいるが、前世からのいざこざもあったので、正直命をかけて戦闘することに大きな嫌悪感がある。

 そんな雰囲気をわかってくれている神獣達も立候補する気配はない。


 そこにマーニカ隊長が立候補してきた。


 「それでは私マーニカが立候補させて頂きます。前回、力を制御したとはいえ無傷で防がれてしまったので、このモヤモヤする思いを払拭させて頂ければと・・・あ、でももし他に戦闘したい方がいらっしゃればお譲りしますが・・・」


 近衛達と違って、控えめな立候補だな。


 何て事を思って【近衛部隊】の面々を見ると、拳を天に突き上げて喜びを体全体で表している。


 おいおい、マーニカとの差が酷いな・・・

 父さんも苦笑いだが、〆にかかった。


 「わかった。では戦闘要員は【近衛部隊】とマーニカ隊長で決定だ。魔神と魔獣五匹についての内訳はどうする?」


 と言った瞬間に、【近衛部隊】が喜びの態度から一変して殺気だった。

 勘弁してくれ。 


 「隊長、前回隊長に譲りましたよね?まさか覚えてないとは言わせませんよ?」

 「いやオルドよ、あの時言ったはずだ。あれはノーカンだと。」

 「いや、両者共に我らとは出撃回数が違っている。ここはこのハルドが適任かと・・・」

 「ふにゃ?出撃回数というのなら、私がリハビリも兼ねて一番強い敵が妥当にゃ?」

 「いえいえ、ここはレディーファースト、そしてミーナ、あなたはもう少しリハビリする必要があるから私が魔神でどうかしら?」


 横目でマーニカを見ると、我関せずという感じで食事を再開している。

 【近衛部隊】の扱いに慣れたもんだ。


 「お前たち落ち着け。それぞれの言い分は分かるがここは公平に行くべきだ。なので、魔神はマーニカ隊長。その他の五匹をそれぞれ近衛が対応とする。マーニカ隊長、問題ないか?」

 「全く問題ございません、ダン王。」


 食事の手を止めて、席を立ち優雅に一礼するマーニカ。

 一方、最大の獲物を取られて唖然とする【近衛部隊】の面々。


 一応大陸の命運がかかっているんだぞ!!

 しっかりしてくれよ??

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