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救助開始

 <アルダ王国>は、六大陸に対して力を貸す事を決定した。

 これからは情報収集を迅速に行う必要がある。


 付け加えると、万が一この大陸にも間者が紛れていないとも限らないので、この大陸における<アルダ王国>以外の国家に潜伏させている【諜報部隊】隊員の活動を活発化させている。


 また、絶対的に【諜報部隊】隊員が不足する状況が目に見えているので、各部隊から隠密系統のスキルを有する隊員を一時的に異動させて、鍛錬場で【諜報部隊】に必要な技術を磨かせている。


 各大陸の状況については、凡そ確認することができた。

 この大陸については、名前がない。そもそも大陸が他にもあると知らなかったので、必要性を感じていなかったのだ。

 なので、いつも通りのパターンで<アルダ大陸>となった。


 この<アルダ大陸>を含めての状態は、


  アルダ大陸  封印されていた神は解放され、力を取り戻しつつある。魔神の侵攻は無い。

  ブロス大陸  魔神が侵攻中。やや劣勢。

  カムリ大陸  魔神が侵攻中。やや劣勢。

  コビア大陸  既に神は封印されている。

  ドツマ大陸  既に神は封印されている。

  リハク大陸  既に神は封印されている。

  ジロム大陸  既に神は封印されている。


 と思った以上に劣勢だ、

 既に大陸の神が封印されている所については、局所的な抵抗を行っているようらしい。

 らしいというのは、そもそも全ての国家が自国の対応に手一杯で他国の状況までは把握できていない状況なのだ。

 

 そんな中での唯一の希望が、何故か封印されていた神が解放されたこの<アルダ大陸>なのだ。しかし、その大陸の代表者であったドルロイは明らかに神の開放に関して関与していた状況ではない上に、信頼できないと判断されいたので、間者になり得る可能性もあり即座に断罪された。


 そういった意味でも、<アルダ大陸>の尻拭いをしてくれた恩もあるのだ。


 そして、彼らはたとえ国が他の大陸のような状況になろうとも、決して召喚は行わないと誓っている。

 そもそも、召喚はお互いに大きな犠牲を払う。召喚側は多数の命、そして召喚される側は強制的に今の生活を破棄させられ、異なる世界に来る事になる。

 禁呪も良い所だ。なので、既に関連資料や魔道具については完全に廃棄したと言っていた。


 時期的に<フロイライ王国>は、<シータ王国>にこの禁呪関連の情報を渡した後すぐに<シータ王国>が実際に召喚を実施してしまってから、非常に後悔し、即関連資料の廃棄を行った。

 彼らとしては、当時の<シータ王国>と協力して関連技術の向上を図り、障害のない召喚、もちろん帰還もできる状態で、異世界の技術を取り入れられればと言う計画だったらしいのだが・・・

 

 しかし、彼らが編み出せた術を魔神ができない道理は無く、魔神に同調するような不穏な輩が召喚されてしまう事も念頭に置くべき・・・との事だ。

 

 そんな情報を得つつ、先ずは<フロイライ王国>と<ワンド王国>に<転移>で【諜報部隊】と各隊長、副隊長クラスが一度移動することにした。

 知りたい情報がありすぎるので、行った方が早いという結論になったのだ。


 俺と神獣達は、<フロイライ王国>に一度行ってから、<神の権能>で行けるようであれば他の大陸に、行けなさそうであれば、短距離の<転移>を連続実行して、既に魔神の手に落ちている大陸に行ってみようと思っている。

 

 水晶さんによれば、魔神が支配している大陸にある瘴気は、<神の権能>の力を弱体化させるらしい。

 逆に<神の権能>による力は、瘴気の力を弱体化させる。


 要するに相反しているので、最終的にはどちらが強いか・・・という事になる。


 全ての隊長・副隊長が<アルダ王国>を去ると危険な為、【防衛部隊】、【技術開発部隊】、【治安部隊】、【近衛部隊】は、残ってもらうことにした。

 

 位置関係を完全に把握しておきたいため、<フロイライ王国>のある<ブロス大陸>と、<ワンド王国>がある<カムリ大陸>に、各王子にマーキングをした上で帰還してもらった。


 直後に、幻獣部隊と俺、神獣達が<神の権能>を使用して居場所を特定したが、思ったほど距離は離れていなかったのだ。

 順次<転移>で幹部を一度その大陸に連れて行けば、彼らも任意で移動する事ができるようになるだろう。


 一度連れて行くだけであれば瞬間で済むのですぐに実施し、いよいよ本格的に大陸に移動する事にした。


 早速<ブロス大陸>に移動して、各隊の隊長、副隊長はそれぞれ情報収集を行った後に<アルダ王国>に各自で帰還することにした。


 実は<神の権能>を持っている幻獣部隊については、誰かが一度<転移>してしまえば情報共有できるので、全ての箇所に自らが転移する必要はないのだが、副隊長はそうはいかないのが残念だ。


 <ブロス大陸>担当

 【諜報部隊】副隊長:グリフ 

 【管理部隊】副隊長:キャンデル

 <カムリ大陸>担当

 【攻撃部隊】副隊長:ホープ

 【遊撃部隊】副隊長:リゲルガ

 <コビア大陸>担当

 【諜報部隊】隊長:ウェイン

 <ドツマ大陸>担当

 【管理部隊】隊長:セリア

 <リハク大陸>担当

 【攻撃部隊】隊長:マーニカ

 <ジロム大陸>担当

 【遊撃部隊】隊長:エレノア


 魔神によって支配されてしまっている各大陸は危険度が高い為、隊長格を担当とした。そして、その四大陸については、俺と神獣達もそれぞれ視察する事にしている。

 

 魔神支配下大陸に行くにも、ジョルナス王子の魔道具により一瞬転移してもらって場所をマーキングしてから俺達が<転移>した。

 ジョルナス王子にしてみれば、一瞬とは言え敵地ど真ん中に行くのだから相当なリスクがあるのに、迷いなく実行してくれたのだ。彼の各国家に対する想いが見て取れる。

 

 副隊長は、現時点で魔神側の勢力と戦闘している地域の情報を重点的に仕入れる為、同じ手段で<転移>していった。

 隊長も改めて注意事項・・・安全を最優先すること・・・を確認して移動した。


 俺達も移動しよう。

 しかし、この<ブロス大陸>についてはあまり瘴気と言う物を感じない。まだ魔神の支配下になっていないからだろうか?

 そう思って、魔神支配下にある<コビア大陸>に移動した。


 すでにウェインは情報収集を行っているようで、転移ポイントからかなり離れた位置にいる気配がある。

 この大陸には確かに瘴気はあるが、思ったほどではない。

 これは人によって感じ方が違うからかもしれないので、何とも言えないところだ。


 この転移ポイントとした場所は、ある王国の王都だったらしいが既に廃墟だ。

 所々で魔獣の気配がするが、破壊衝動に任せるまま行動している。だが、俺達からすれば雑魚も良い所だ。

 これなら難なく奪還することもできるのではないだろうか?


 と、その魔獣が暴れている地下に人がいる事を<神の権能>によって把握することができた。

 そこにいる人は、局所的な抵抗ができるような状態ではなく、逃がされて隠れている・・・と言った人達だ。より詳細を感知すると、女性、子供、お年寄りなので間違いないだろう。


 ソラとシロに救出と間者ではない事を確認してもらい、問題なければ<アルダ王国>に転移させて、あっちにいるユフロに対応しておいてもらおう。

 

 そして、俺とトーカ、モモは探索範囲を広げるべく短距離の<転移>を繰り返し救出できる人を探すことにした。やはり水晶さんが言っていた通り、瘴気のあるこの場所では<神の権能>の能力が一部弱体化するようで、一気に気配を探ることができなかったからだ。


 その間、ソラとシロに任せた辺りから轟音が聞こえた気がするが、気にしない。もちろん彼女達に異常がないのは分かっているのだからだけど。


 そうして同じように救出すること暫く、結構な人数を<転移>させたが、この辺りには既に人の気配な一切ない。

 ついでに魔獣の気配も一切なくなった。これなら一気に大陸奪還できる可能性が高そうだ。


 そうして、一旦<アルダ王国>に帰還した。

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