表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

9話 帰還


ダンジョン【オフピア】に入ってから、1ヶ月近く経過した。


地下10階へ着いたが、食料は底を付きすでに餓死寸前で洞窟の壁を背にして、地面に座り込みピクリとも動けなくなっていた。



そこへ、10階層のボスを倒して地下11階へ移動する若い冒険者PTが来た。


冒険者たちは、フルフェイスの兜で表示が分からず、更に一切動かず座り込んでいる俺を死んでいると思っているようだ。


俺の目の前に来た冒険者たちは、みんな目を瞑り、手を合わせはじめた。



ピ「・・・・・・・・・・水を・・。」


冒「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ〜〜」」」」」



俺が動き声を出すと、冒険者達は驚き、大きな悲鳴を上げていた。


人によっては、剣を取りこちらに攻撃して来ようとしている状況だった。


腹が減って餓死寸前だと伝えると、冒険者たちは3日分の食料と水を分けてくれた。


更にヒールとクリーンを掛けてくれ、傷と身体・装備などの汚れを落としてくれた。



ピ「本当にありがとう・・・。 俺はピートだ。 君達に会えなかったら俺はここで野垂れ死んでいたよ・・。 少ないかも知れないがこれを受け取ってくれ。 後で地上へ戻ったら、正式にお礼をしたいので、名前を教えてくれ・・・。」



俺は、ポケットに入っていたCランクの魔石を2つ取り出し渡した。


リュックの中身やモンスターのドロップ品は戦闘の邪魔にならないように、魔空間にしまってあった。


そのため、手持ちの金目の物で冒険者たちへ渡せるのが、魔石2つしか無かったのだった。


誰かれ構わず他人に魔空間からアイテムを取り出すのを見られるのは、リスクがある。


魔空間なんてスキルは聞いたことが無い。



レ「俺はレイリーってんだ。 って、お礼なんてこれだけ貰えれば十分だよ。」


ピ「いやいや、そうゆう訳にはいかない。 ダンジョン内での食料は、貴重だ。 今度、何かさせてくれ。」


ショ「だったら、何か困った事があれば、相談させてもらうわ。 それでどうかしら? 私は、ショコラよ。」


ピ「・・・・わかった。 何でも言ってくれ。 本当にありがとう。」



冒険者PTは、地下11階へ進んで行った。


腹が満腹で傷も回復した俺は、そのあと中級ダンジョン【オフピア】をたったの1日で駆け上がったのだった。


そしてとうとう、俺はやっとダンジョン【オフピア】を出た。


そして、このときピートの能力値は、上級冒険者、A級ランク以上になっていたのだった。



<ステータス>

名前  ピート

レベル 10(レベル固定)

HP 3,567

MP 1,374

攻撃力 2,855 (+40)

防御力 2,273 (+28)

素早さ 1,417

賢さ 534

運 376


スキル

気配察知、記憶力強化、鑑定眼、ラーニング、ドレイン、??(呪)、魔空間、共鳴、威圧


魔法

ヒール、エクストラヒール、クリーン、アクアボール





約1ヶ月ぶりにカマクーラへ戻ってきた。


冒険者ギルドへ入ると一瞬静まり、その後、ひそひそと周りから陰口が聞こえた。


陰口が聞こえるが、決して誰かが突っかかってくることは無い。



冒「・・・最弱マスクマンか、・・・・。 あいつ1ヶ月も見なかったから、どこかでくたばったって、誰か言ってなかったか?」



陰口を無視して、そそくさとギルドの窓口へ向かった。


ギルド嬢がどこか嫌々ながら俺の対応をしているのが、はっきりと見て分かった。


ピ「・・・あの。 ・・・・・・・一緒にダンジョンに入ったラルフさんたちが、・・・・・・・ボスに遣られました・・・。 戻ってこられたのは、俺だけです・・・・。」


ギ「っえ! ・・・・・・。 ・・・・何があったんですか?」



ピートは、初級ダンジョン【ベアアシカ】での出来事。


その後、ボスから出た金の宝箱により、中級ダンジョン【オフピア】の隠しボスへ転送された事など、これまでの状況を説明した。


ただし、自分がドキネピから得たスキルについては、秘密にした。


この力は、これまでの常識を逸脱しているからだ。



ギルド嬢は、中級ダンジョン【オフピア】の中階層からピート1人で帰還した事に疑いを抱いていたが、レアスキルの気配察知により、どうにか帰還できたことを説明すると、どうにか納得してくれた。


冒険者は、死と隣り合わせの職業だ。


そのため、事件性が無ければ、死亡届けでもそれほど細かいことを聞かれない。


今回は、Fランクのピートが、Dランクの3人を倒せるとは、思われずすぐに処理が終わった。


更にいえば、この冒険者ギルドでピート気にかけていたのは、唯一ラルフたちだった。


そんなラルフたちをピートが殺害するメリットは全く無いのである。



そして、冒険者ギルドへの報告を終ると、すぐに教会へ向かいラルフたちを埋葬した・・・。


ライフたちの埋葬は、簡単に終わってしまった。


身寄りのことは全く分からず、冒険者共同墓地へと埋葬した。



ピ「これで、この町の唯一の繋がりが無くなってしまったか・・・・・・・。」



ピートは不動産屋へ向かい、そのままボロアパートを解約した。


荷物を全て魔空間へ収納し、その日のうちにカマクーラを後にしたのだった。



お読み頂き、ありがとうございます!

作者のモチベーション維持の為、ブックマーク、評価を頂けたら幸いです。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ