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星の明かり

作者: アリス

ある日、もう日が沈み、空には月が顔を覗かせ、星がちらほら出てきた頃、道に小さな影が二つありました。それは、二人の小さな姉妹でした。そして、姉の名はきみよ。妹の名はきみ子といいました。

二人はお母さんにおつかいを頼まれたのですが、今日は店が混んでいて、帰るのがこんな時間になってしまったのでした。

まわりはもう真っ暗です。だから、きみ子はこわくてぶるぶる震えだしました。そして、こう尋ねました。

「お姉ちゃん、お化けでないかな?」

「大丈夫よ」

ときみよは言いましたが、内心ではきみ子と同じく、とても怖かったんです。

ふいに、きみ子が石につまづいて転んでしまいました。

小さな足に血がにじみ出ました。きみ子は痛くてしゃがみこんでしまったので、きみよは困ってしまいました。

と、その時不思議なことが起こりました。

星がどんどんこちらに向かって来るのです。

初めは目の錯覚だと思っていましたが、もう目の錯覚でもなんでもありません。確かに星がこちらに近づいて来ます。きみ子も泣き止み、ポカーンとそちらの方を向いています。

数分経って、きみ子ときみよの前に来て止まりました。

小さな小さな星でした。それから、星は人間の姿になりました。目は空の色で、髪は、金色の少年の姿でした。服は、王子様のような服装をしています。

そして、彼はにっこり笑って、こう言いました。

「はじめまして。きみよさん、きみ子さん」

”星が喋るなんて”と二人はびっくりして口を大きく開けて、星だった少年を見守りました。

少年の星が続けました。

「僕には名前がないんです。教えてあげたいけれど。僕は、ずっとあなたたちに会いたかったんです」

と言うと、きみよは「なぜ、私達の名前を知っていて、どうして会いに来なかったの?」と尋ねました。

すると、少年はこう答えました。

「だって、いつも空の上からあなたたちを見ているから、名前を知っているんだ。それに、周りに人がいると他の人達に、僕のことが分かってしまうだろう。だから絶対に他の人には言っては駄目だよ」

そして、三人は話をしながら、帰りました。

きみ子は星のかけた魔法で転んだところも痛くなくなりました。

星がいるので、もうお化けを怖がっていませんでした。

そして、きみよたちの家の近くに来ると、少年は「もう帰らなくちゃ」と言いました。

「ばいばーい」

と言い合うと、空高くまい上がりました。

きみ子が「また会おうね」と大声で言い、きみよは数秒間手を振り続けていました。

星が見えなくなると、二人は家に向かってかけだしました。

お母さん達は家の前で待っていました。そして、きみよ達はお母さん達に飛びつきました。

お母さんが「なぜ、遅くなったの?」と顔はにっこりと、声はきつく言いました。

「混んでいたからだよ」ときみよが言うと、

「詳しい話は中でね」とお母さんが言い、家の中に入っていきました。

ここだけの話ですが、さっききみ子が言った通り、また会う事になるのです。

(そしてきみよ達は、少年を呼ぶ時、星のあかりと呼ぶことになります)

そして、これからいろんな事がきみよ達に起こってくるのですが、当の本人達は知るはずもありません。星のあかりに出会った二人の姉妹は、初めて秘密を持ったのでした。

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