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フィリピン解放 1942年10月~11月

フィリピン解放 1942年10月~11月

日本・台湾両国によるアジア各国の独立承認と独立支援宣言は欧米諸国の植民地下にあるアジア各国に大きな影響を与えた。

アジア各地で独立運動が盛り上がり、各国で「独立戦線」が組織され欧米諸国への抵抗運動が活発化した。


フィリピンでも米国太平洋艦隊壊滅を期にマニュエル・ルイス・ケソンをリーダーとするフィリピン独立戦線が独立闘争を開始した。

1942年9月28日、ケソンはルソン島北部ラワグにて「フィリピン共和国政府」の樹立を宣言。

ルソン島北部に展開していた第26騎兵連隊(PS)、第45歩兵大隊(PS)、2個重砲兵大隊(PS)、1個山砲大隊(PS)、フィリピン第11、第21、第31歩兵師団はケソンの「共和国政府」に合流した。

部下に一斉に離反された北部ルソン部隊の司令官ジョナサン・ウェーンライト少将は側近の部下と共にマニラに脱出した。


その他のフィリピン軍部隊でも動揺が広がり脱走者や独立戦線に合流するものが続出。


公称15万人を誇ったフィリピンのマッカーサー軍もその戦力はたちまち半数以下に激減した。

それでもM3戦車や作戦機249機を誇るマッカーサー軍は強力であり、フィリピン独立戦線は苦戦を強いられる。


日台両国政府はフィリピン独立支援を決定。

同時にケソンの共和国政府との国交樹立と友好条約にむけ動き始める。

フィリピン独立支援のため、先ず台湾空軍がフィリピン独立戦線の航空支援を開始した。

花蓮基地所属の第5 (401) 戦術戦闘機連隊第5大隊(F-16A2個中隊)クラーク飛行場を。

台南基地の第1 (443) 戦術戦闘機連隊第1大隊(IDF雄鷹×3個中隊)がイバ飛行場をそれぞれ空爆。

これにより在フィリピンのアメリカ航空戦力はほぼ壊滅。

フィリピンにおけるアジア連合の航空優勢を確保した。

その後も台湾空軍はフィリピン共和国軍のために近接航空支援(CAS)を実施。

それによりケソンの「共和国政府」は北部ルソンの確保に成功した。


また台湾海軍輸送船団が第4機動艦隊の護衛の元、ルソン島北部のアバリの港に接岸。

フィリピン共和国政府軍に歩兵用のM72対戦車ミサイルランチャーや「スティンガー」携帯対空ミサイル、M-16アサルトライフルといった近代兵器を供与した。

日本も陸自の64式小銃、84mm無反動砲、携帯式地対空誘導弾等を、台湾軍を通じて供与した。


日本もNGF第2艦隊の派遣を決定。

任務の主体が近接航空支援と対地戦闘ということもあり第二航空戦隊の蒼龍・飛龍の両空母には陸上自衛隊中央即応集団(練馬区:朝霞駐屯地)第1ヘリコプター団の第1ヘリコプター隊(V-22オプスレイ2個飛行隊)と第4対戦車ヘリコプター隊が搭載され、そして習志野の第1空挺師団が乗船した。

10月15日、準備を整えたNGF第2艦隊はフィリピン独立支援のため、在泊地のサイパンから出動した。


10月20日

日本、台湾軍から供与された武器が行き渡り一通りの訓練を終えたフィリピン共和国軍はNGF第2艦隊のフィリピン到着を以て台湾空軍の援護の元、南下を開始、ヴィガンにてマッカーサー軍と交戦した。

マッカーサー軍はM3戦車を全面に押し出し迎撃するが、洋上のNGF第2艦隊空母飛龍から発艦した第4対戦車ヘリコプター隊のAH-64Dロングボウアパッチの攻撃を受け次々に撃破されていった。

また一方フィピン軍歩兵部隊もM72対戦車ミサイルや84mm無反動砲によって戦車を撃破し、M16、64式小銃といった自動小銃の濃密な弾幕によって米歩兵部隊を退け前進を続けた。

そして10月29日リンガエン湾の要衝ダグパン・リンガエン両都市がフィリピン共和国軍の支配下に入った。


在フィリピンのマッカーサー軍の圧倒的劣勢と、太平洋艦隊壊滅により米国からの援軍の見込みが無いという事実はそれまでマッカーサー軍につき従っていたフィリピン人兵士にさらなる離反を促し、そして南部ルソンのフィリピン第41、第51歩兵師団、ビサヤ・ミンダナオ部隊のフィリピン第61、第81、第101歩兵師団がケソンの共和国政府への合流を宣言した。


圧倒的劣勢に立たされたマッカーサーは残された兵士と共にバターン半島とコレヒドール要塞に立て籠もる作戦に出る。

それに先駆けマニラを「無防備都市宣言」とし放棄した。


マッカーサーは、そのプライドの高さが災いしあくまで本国からの援軍を信じ徹底抗戦を決定する。


11月3日、ケソンがマニラに入城。

改めて首都マニラにおいてフィリピン共和国の独立とフィリピン政府成立を宣言。

日本、台湾を始めとするアジア連合各国と友好条約締結を発表する。

そしてバターン半島とコレヒドール島要塞に未だ立てこもるマッカーサー軍に対して降伏をフィリピン大統領マニュエル・ルイス・ケソンの名で勧告した。


マッカーサーはこれを拒否。

それを受けて日本・台湾・フィリピン3カ国共同による掃討作戦が開始される。


11月6日

フィリピン軍第11、第21、第31歩兵師団及び第1重砲兵大隊がサンタローザ山麓の都市バランガに展開し陸上でマッカーサー軍を包囲する。


そして洋上からはバターン半島要塞に対しNGF第2艦隊の戦艦比叡・霧島らによる艦砲射撃が開始された。


海自のSH-60Jの誘導を受けた精密な砲撃と35.6cm連装砲の威力によりバターン半島要塞の各所が崩壊。

その機に乗じNGF空母艦載機の援護を受けた比軍が突撃。

11月8日にサンタローズ山陣地が陥落。

2日後の10日にはバターン山陣地も陥落した。


残されたコレヒドール島要塞に対しても艦砲射撃と空母赤城・加賀の99艦爆隊、空母飛龍に搭載された陸上自衛隊第5対戦車ヘリコプター隊のAH64Dロングボウアパッチによる対地攻撃が行われた。


NGFの徹底的な砲撃と空爆によってコレヒドール島要塞の沿岸砲兵陣地が壊滅。

砲兵陣地壊滅を確認後空母蒼龍から第7普通科連隊を搭載したV-22オプスレイが発艦し、コレヒドール島モリソン丘にヘリボーン作戦を決行する。

軽装甲機動車を伴ったによりたちまちモリソン丘は陥落。

占領の際、第7普通科連隊は日の丸ではなくフィリピン国旗を掲げた。

自衛隊はあくまでもフィリピン軍の「代理」としてコレヒドール島を解放したという政治的アピールであった。

また、それは日本・台湾の掲げる「大義」の象徴であった。


マッカーサーと側近のウエンライト少将らは魚雷艇で英国支配地域のボルネオに逃走した。

(アイ・シャル・リターンという有名な台詞はやはり言ったようだ。)

11月15日

生き残ったマッカーサー軍兵士達が降伏。

フィリピンは解放された。


その後日台両国はフィリピンに技術・資金援助を約束し、フィリピンの近代化に尽力することとなった。

また先のマリアナ沖海戦での鹵獲艦艇のうち残った艦艇をフィリピンに供与。

フィリピン海軍誕生となった。


フィリピン海軍

第一艦隊マニラ

重巡洋艦ルソン(旧ソルトレイクシティ)

軽巡洋艦ミンドロ(旧ホノルル)

駆逐艦ラオアグ(旧エレット)・ヴィガン(旧モーリー)

第2艦隊ダバオ

軽巡洋艦サマール(旧セントルイス)

駆逐艦タグム(旧ジャーヴィス)・ダバオ(旧パターソン)


フィリピン政府も日台両国に協力しアジア諸国解放に協力することを約束した。

12月1日

フィリピン共和国は正式にアジア連合に参加した。


余談として…

前の歴史と違いフィリピン軍兵士のほとんどがケソンの共和国政府に参加したためマッカーサー軍自体の総兵力も4万人前後にまで激減し、またバターン半島・コレヒドール島の戦いでその半数以上が死傷したこともあり捕虜の総数は2万人強となった。

うち半数以上のフィリピン人ついてはケソン大統領が恩赦の形で武装解除の後解放した。

残りの増派されてきた米軍兵士については日台の船舶によって中立国オーストラリアを通じて米国本国へ帰された。

(輸送については日台が急きょ供与したトラックが使われた。)


バターン死の行軍という悲劇はこの世界では起きなかった。


またフィリピン解放により東シナ海の制海権を得たアジア連合はタイ王国にも鹵獲艦艇を回航し、タイ海軍に供与した。

供与された艦艇は以下8隻である。

重巡洋艦ノーザンプトン・チェスター

軽巡洋艦トレイトン・リッチモンド

駆逐艦ハーバート・ラング・スタック・ウィンスロウ





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