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共産陣営崩壊1946年10月

欧州と極東においてソ連共産党の武力組織である赤軍はその戦力の半数以上を失い、共産党の支配体制が大きく揺らぎ始めていた。

スターリンの強圧的な独裁体制にかねてより不満を持っていた上に欧州とアジアとの戦闘で大量の戦死者をだしたにも関わらずさらに戦争を継続しようとするソ連共産党への不満は高まりその支配体制は大きく揺らぎ始めた。

その揺らぎはウラジオストクを中心とした極東沿海州地域が「東シベリア共和国」を名乗り独立を宣言したことで激震に変わった。

極東地域はシベリア鉄道の破壊によってソ連中央から切り離され極東ソ連軍も壊滅状態で敵中に孤立した状況にあったためそれもやむなしであった。

そしてシベリア鉄道が破壊され海軍力も壊滅的状況で極東地域に戦力を送る事も出来ずソ連共産党は東シベリア共和国の独立を黙認するしかなかった。

そして、その激震はユーラシア大陸の反対側、東欧諸国と接するベラルーシ、ウクライナに及んでいた。

欧州同盟各国と国境を接し戦闘となったら真っ先に戦火に巻き込まれるであろうベラルーシとウクライナが「東シベリア共和国」の独立宣言に触発されたかのようにソ連邦離脱を宣言した。

そして両国ともに欧州同盟と和平交渉を開始した。

ベラルーシ、ウクライナに続きその他のソ連邦構成国も次々とソ連邦離脱を宣言し欧州同盟とアジア連合との和平交渉に臨んだ。

徹底抗戦を叫ぶソ連共産党にこれ以上ついてはいけない。

これがソ連邦構成共和国群の偽らざる本音であった。

ソ連邦を離脱した国々はそれぞれ赤軍を離脱し赤軍の襲来に備えた。

アジア連合と欧州同盟との戦いで戦力の大半を失った赤軍は連邦離脱した各国を押さえる力はなくソビエト連邦は崩壊に向かっていた。

ソ連共産党の権威は地に落ちスターリンの支配力も弱体化し、アジア連合と欧州同盟との和平を除く穏健派が台頭してきた。

穏健派の台頭に危機感を抱いたスターリンはそれらを粛清しようと赤軍を動かそうとしたが、赤軍の大半は穏健派側に付き逆にスターリンが粛清されてしまった。

1946年12月2日

ロシア共和国大統領ニキータ・フルシチョフはソビエト連邦解体を正式に宣言。

ソビエト連邦は崩壊した。

5日後、フルシチョフ大統領はソ連軍侵攻による損害賠償と連邦離脱そして独立した各国の独立と主権を認めることを条件にアジア連合、欧州同盟との講和に同意した。

事実上の敗戦でロシア国内は意気消沈となったが、それでも平和の到来を喜ぶ声は多かった。


その一方の中華人民共和国は悲惨な状況となっていた。

アジア連合との戦いで人民解放軍はほぼ壊滅。

共産党の権威も地に落ち弱体化した。

その共産党の弱体化を機に一度は中国共産党の支配下に下った各地の地方軍閥が一斉に離反し、それぞれが中国全土の支配権を得ようと武装蜂起し中国はそれぞれの地方の軍閥が相争う戦国時代へと突入してしまった。

共産党支配地域の河北省は山西省を支配下に置く普系の軍閥と山東省周辺を支配下に置く皖系の連合軍に攻め滅ぼされ中国共産党は滅亡してしまった。

そして普系皖系の軍閥連合は「北洋人民共和国」を名乗り日本と台湾そして満州に和平を打診してきた。

同じくベトナムと国境を接している雲南派、新旧広西派も「華南共和国」を名乗りアジア連合諸国に和平を持ちかけてきた。

アジア連合各国はその両国の和平を受け入れた。

しかし泥沼化した中国内戦に巻き込まれることを避けるため戦闘停止と不可侵条約締結にとどめた。

通商も食料や衣料品と民生品に限定し武器弾薬の類は一切輸出を禁止し極力不干渉の姿勢を取った。

アジア連合諸国が遠巻きにしてその状況を眺めている中、中国の各地方の軍閥は「中華統一」を目指して血みどろの戦いを繰り広げる事になった。


とにもかくにも共産主義陣営の崩壊によって1942年8月より始まった第二次世界大戦は終結した。

日本と台湾をはじめとするアジア各国と欧州各国はひとまずの平和の到来を喜んだ。

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