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満州航空撃滅戦1946年7月15日

対米英戦の終結を以て満州及びアジア各地、そしてヨーロッパ方面においてソ連中国の「共産党枢軸」に対する反抗作戦が始まろうとしていた。

戦局は「守勢」から「攻勢防御」へと移行しようとしていた。


その第一段階としてアジア連合はソ連中国の航空戦力を撃滅し、航空優勢を確保するための航空撃滅戦(戦闘機掃討 Fighter Sweep)を開始した。


先陣を切ったのは粒法飛行場に展開していた第204飛行隊(F-15J/DJ)18機と第6飛行隊F-2A18機で、両飛行隊の攻撃目標はソ連領内のハバロスク空軍基地。

日が落ちた現地時間19:30に次々と出撃していった。

21世紀の戦闘機は夜間戦闘も問題にならない。

優れた慣性誘導装置や赤外線スコープの支援で夜間攻撃も全く苦にはならないのである。

21世紀技術のアドバンテージを最大限に生かした夜間空爆である。


それから少し遅れて吉林飛行場の航空自衛隊第8飛行隊(ACHILLES、F/A-18E)36機と第201飛行隊(HAKEN、F-3A/B)36機がチチハル飛行場に前進配備されたソ連空軍空爆のために出撃した。


まともなレーダーをもたないソ連軍は夜陰に紛れて高速で接近して来る航空自衛隊の攻撃隊を補足することは出来なかった。

闇夜の空に轟音が響いた途端、基地に巨大な火の玉が膨れ上がった。

J/LAU-3ロケット弾ポッド:70mmロケット弾を搭載したF-15J、F-3A戦闘機により夜間飛行能力をもたないソ連空軍はどちらも戦うことはおろか、飛び立つことすらできず、ほとんどの機体が地上で撃破されてしまった。

チチハルの基地守備隊や対空砲部隊は第8飛行隊のF/A18EJのGCS-1装備型Mk.82 500lb誘導爆弾により次々に粉砕されていった。

ハバロスク基地にいたってはF-2AのJDAM(統合直接攻撃弾薬) 500lb誘導爆弾により滑走路をはじめとする基地施設全てが徹底的に破壊されてしまった。


一夜にしてソ連極東空軍はその航空戦力の30%以上を戦わずして失った。

極東ソビエト軍総司令官アレクサンドル・ヴァシレフスキーソ連邦元帥と、その幕僚達は激しい衝撃を受けた。

まさか日本軍が夜間にこれだけ正確な爆撃をしてくるとは全く予想していなかったからである。

特にハバロスク基地の壊滅は手痛い打撃だった。

満州北部の部隊への航空支援がほとんど不可能になったからである。

そしてそこに追い打ちをかけるような報告が飛び込んできた。

台湾空軍機と日本海軍空母艦載機がウラジオストックに来襲したというのである。


夜明け前の午前4時、朝鮮半島北部のトクサン基地から台湾空軍第455戦術戦闘機連隊第4大隊のF-16Cの編隊がウラジオストックの第一飛行場に飛来した。

ロケット弾が駐機していた攻撃機や爆撃機を次々に破壊し、そして20mmバルカン砲が列線に並んでいた戦闘機を薙ぎ払った。

さらに別の小隊のF-16がMk.82 500lb誘導爆弾を叩きつけ滑走路をはじめとする基地施設のほとんどを破壊した。

そして夜が明けた午前6時、今度は東朝鮮湾に布陣していたNGF第3艦隊の空母「おうみ」より雷鳴改部隊40機がウラジオストック第2飛行場を空爆した。

夜が明けたと同時にYak9戦闘機が空中哨戒に上がったが、それらは護衛役の雷鳴改20機のAAM3短距離誘導弾によって瞬く間に全機撃墜されてしまった。

エアカバーの無くなったウラジオストック第2飛行場は攻撃隊のロケット弾攻撃により壊滅的打撃を受けた。

飛行列線に駐機してあった戦闘機や爆撃機、そして格納庫にしまいこまれた戦闘機も次々に破壊されていった。

さらにその後第2波の空爆により基地施設はほぼ壊滅してしまった。


この朝の空爆によりウラジオストックの航空戦力はほぼ壊滅。

5月のバトルオブ満州の損害からようやく立ち直った極東ソ連空軍は再びその戦力の50%以上を失い、またしても事実上「壊滅」状態に陥ってしまった。

しかも今度は航空機だけでなく基地施設も壊滅させられた。

これでは満州に侵攻した部隊の航空支援が出来ない。


極東ソ連軍は満州戦線での航空優勢を失った。


中国に対してもNGF第2艦隊空母航空隊を主力とした航空撃滅戦が実施された。

緒戦で航空戦力の大半を失いソビエトからの航空機補充も欧州戦線におけるソ連軍の苦戦もあって十分とはいかなかった。

しかも辛うじて僅かなら補充されたのは相も変わらずこの時代ですら旧式となっているラボーチキン LaGG-3であった。

黎明に来襲したNGF空母艦載機群に対し中国空軍はありったけの迎撃機を出撃させて迎え撃ったが最高速度が500km/h前後の戦闘機で亜音速ジェット戦闘機である雷鳴改に太刀打ちできるはずもなく、迎撃機は全機撃墜されてしまった。

北京軍管区の航空機部隊はNGF第2艦隊の空母艦載機部隊の徹底的な空爆により北京周辺の飛行場もろとも粉砕されてしまった。


半日もたたない間に満州西部の熱河省、興西省方面のアジア連合軍の航空優勢は確立された。

そしてアジア連合軍はすかさず熱河省、興西省方面に侵攻した中国軍地上部隊に対し航空攻撃を開始した。


航空支援を早くに失った中国人民軍は丹東基地から飛来した航空自衛隊411飛行隊の空虎(F-5E)と満州国空軍の第1爆撃飛行隊の97式重爆の熾烈な空爆を受ける羽目になった。

空からの援護のない陸上部隊ほど悲惨なものはない。

そしてさらに中国人民軍にはまともな防空火力もない。

爆撃機から降り注ぐ爆弾と戦闘機の機銃掃射により中国人民軍部隊は成すすべもなく薙ぎ倒されていった。


損耗した第一波侵攻部隊に代わって進出した第2波である人民解放軍第36軍、第63軍はわずか1日で戦力の25%を失った。


中国人民解放軍の人海戦略を警戒したアジア連合軍は翌日も徹底的な空爆で満州領土内に侵攻した中国軍部隊を叩きのめした。

中国軍相手にまともに地上戦を戦うのは危険と判断されたからである。

アジア連合軍による航空攻撃はその後3日間続き、結局中国軍侵攻部隊は戦力の50%以上を失った。


しかし、中国軍はそれでも撤退しなかった。

それどころか後方に下げた第24・27軍を再編成し、さらに南京軍管区から第1軍、第12軍を満州方面の増援に送った。


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