インターミッション通商破壊戦
インターミッション通商破壊戦
1944年より、かねてより懸念さえていた米海軍潜水艦による通商破壊戦はじまった。
ウェーキ島、タラワ島より米海軍潜水艦群が日本と東南アジア諸国を結ぶシーレーンを狙って侵入するべくマリアナ諸島沖、カロリン諸島沖の海域に侵入を開始した。
そのことを予測していた日本自衛隊は既に対潜パトロールを強化していた。
両海域には無人のソナーステーションブイが配置され米潜水艦の気配を探っていたのだ。
さらにはエニウェトク基地の海上自衛隊第1航空群が対潜哨戒を厳にしていた。
ウェーキ島から出撃した潜水艦ナワール(ナワール級)ドルフィン(ドルフィン級)
キャシュロット(キャシュロット級)トウトグ・ガジョン(T型)が第1飛行隊(コールサイン "SULUGGER")の対潜哨戒機P-1に補足された。
ただちに海自第1飛行隊はASWを開始。
21世紀でもトップクラスのサブマリンハンターに狙われた米海軍潜水艦群はひとたまりもなかった。
対潜爆弾や魚雷で次々と撃沈されていった。
しかしそれでも数の力でウェーキ島方面から出撃した潜水艦部隊は潜水艦スレッシャー・タンパー(T級)アルゴノート(アルゴノート級)ガトー (SS-212 Gato)、グリーンリング (SS-213 Greenling)、グルーパー (SS-214 Grouper)、グラウラー (SS-215 Growler)、グラニオン (SS-216 Grunion)、ガードフィッシュ (SS-217 Guardfish)、ら10隻がマリアナ沖海域へと侵入していった。
しかし、通報を受けたサイパンに展開していた第6飛行隊(コールサイン "LICIFER")のP-1の待ち伏せを受けた。
ここで潜水艦スレッシャー・タンパー(T級)アルゴノート(アルゴノート級)ガトー (SS-212 Gato)、グリーンリング (SS-213 Greenling)らが撃沈された。
残り3隻は辛うじて東シナ海に侵入を果たすことができた。
タラワ方面から侵入してきた、アルバコア (SS-218 Albacore)、アンバージャック (SS-219 Amberjack)、バーブ (SS-220 Barb)、ブラックフィッシュ (SS-221 Blackfish)、ブルーフィッシュ (SS-222 Bluefish)、ボーンフィッシュ (SS-223 Bonefish)、コッド (SS-224 Cod)、シアロウ (SS-225 Cero)、コーヴィナ (SS-226 Corvina)、ダーター (SS-227 Darter)、ドラム (SS-228 Drum)、フライング・フィッシュ (SS-229 Flying Fish)、フィンバック (SS-230 Finback)、ハダック (SS-231 Haddock)、ハリバット (SS-232 Halibut)ら15隻の潜水艦部隊はカロリン諸島沖の海域に無事侵入した。
しかし、トラック島に展開する海上自衛隊第5航空群の第5飛行隊(コールサイン "PEGASUS")のP-1による対潜哨戒網に補足された。
潜水艦アルバコア (SS-218 Albacore)、アンバージャック (SS-219 Amberjack)、バーブ (SS-220 Barb)、ブラックフィッシュ (SS-221 Blackfish)、ブルーフィッシュ (SS-222 Bluefish)、ボーンフィッシュ (SS-223 Bonefish)ら6隻が撃沈された。
カロリン諸島を突破した潜水艦群は、今度はフィリピン海軍駆逐艦の迎撃を受けてしまった。
フィリピン海軍第2艦隊の軽巡洋艦サマール(旧セントルイス)駆逐艦タグム(旧ジャーヴィス)・ダバオ(旧パターソン)らの爆雷攻撃により潜水艦アルバコア (SS-218 Albacore)、アンバージャック (SS-219 Amberjack)が撃沈された。
ウェーキ島とタラワ島から出撃した24隻の潜水艦のうち日本のシーレーンに潜入出来たのは10隻のみであった。
その日はボルネオやスマトラ島から資源を買い付けた日本と台湾の12隻の輸送船団が海上自衛隊の第12護衛隊の護衛の日本と台湾に向けて東シナ海を進んでいた。
先頭を進んでいた護衛艦DD-158 うみぎりが潜水艦の推進音をキャッチ。
第12護衛隊全艦にASWが下命された。
艦載対潜ヘリSH-60Jが直ちに発艦し、サブマリンハントを開始する。
第22駆逐隊の駆逐艦皐月の右舷10マイル付近に潜水艦が2隻発見された。
そのあとも続々と推進音が探知され、船団を包囲するように7隻の潜水艦が群がっていたことが判明する。
駆逐艦皐月は一番手近な潜水艦にアスロック攻撃をかける。
また対潜哨戒ヘリ隊は各々の目標に魚雷を発射した。
深度100m以上は潜れない旧式潜水艦など海自ハンターキラーチームにとっては訓練用の標的でしかなかった。
数分もしないうちにタラワ島から出撃した潜水艦部隊は全滅した。
サイパン島の海自対潜哨戒機の攻撃を逃れたウェーキ島から出撃した潜水艦部隊はバシー海峡に差し掛かっていた。
しかし、そこで台湾海軍の対潜哨戒機P-3C部隊の対潜哨戒網につかまり残った3隻は東シナ海に入る前に全滅した。
その後3か月にわたり米海軍潜水艦による通商破壊戦が試みられたが、出すそばから潜水艦は次々と全艦未帰還となり44年夏に入る頃は太平洋に配備されていた潜水艦は9隻を残すのみとなった。
それだけの犠牲を払って得られた戦果は一万トン以下の貨物船2隻と二万トン級のタンカー1隻のみ。
あまりにも犠牲が大きすぎたのと肝心の潜水艦が壊滅状態になったため米海軍は潜水艦による通商破壊作戦を中止せざるを得なかった。