新人歓迎のあいさつ
―異常性大災害―
歴史の転換点において常に起こってきたそれは、時に人類種の大きな繁栄につながり、時に世界を崩壊させうる種となった。
勿論、多くの人々はそんな事は知るよしもなかろう。
当然だ。『異常性大災害』などという事実が知れたら、自身の目と鼻の先で非日常が展開されていたとしたら、世界は一体どうなると思う?
パニック、新興宗教、経済崩壊…
やがてそれは世界を壊してしまうだろう。
新人君、これだけは君に言っておこう。
我々には義務がある。
我々以外の民衆における正常を守ること、異常性を関知する我々以外の愚衆を抑えること、我々以外の世界を保つこと
我々は、我々には義務がある。
世界の正常を害する輩は粉砕せよ。世界の正常を乱す物は破壊せよ。我らは世界の番人、世界という概念の忠実な犬。
番犬の役目はなんだ? 主人とその家を守ることだ。例え自らを犠牲にしようとも...
なに、そんなに難しいことではない。我々の場合、主人とその家が【正常な世界】に置き換わっただけだ。実に、実に簡単な事だよ。
さぁ行きたまえ。歓迎の挨拶は終わりだ、さっさと職務に取り掛かって貰うぞ。
では、新人君。ここも異常性のごった煮だ。
君を歓迎するよ。
<ようこそ>
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