第七話
悠緋と話を終えた俺が教室に戻ると、案の定クラスメートたちが俺のもとに集まってきた。
まあ、集まってきた奴等の全員が男子なわけなのだけれど・・・
「長瀬くん、ちょっと話があるんだけどいいかな」
次の授業がもうすぐ始まるから準備しようとすると
集まっていた奴等のリーダー?っぽい一人の男子が俺に話しかけてきた。
たしか名前は、いわ・・・・なんだっけ?
「……アヤト、その人は岩崎くんだよ……」
俺が名前を思い出そうとしていたとき隣から弥生が囁いてきた。
何この子?エスパーか何かなの?
「えっと岩崎くん、その話というのはなにかな?」
俺がそう聞くと集まってきた男子たちが整列し、岩崎が口を開いた。
「長瀬くん、いえ長瀬師匠!」
「しっ、師匠?!」
いきなり師匠なんて呼ばれたから柄にもなくビビってしまった。
……というか若干引いた。
そして岩崎くんがまた話し始めた。
「僕らを舎弟にしてください!」
「「「「「「「「おねがいします!」」」」」」」」
……舎弟ってなにかな?バカな俺にはよくわからないなー。
あはははは……
「ハハハッ!アヤト、おもしろっ!師匠に舎弟って
も、もう笑いすぎて腹が…はははははは」
アキトのやつ笑いやがって・・・ちくしょーっ!
絶対あとで笑ったこと後悔させてやる
「あっあのー師匠?もの凄く悪い顔してますけど……」
「わっ悪い。えっとだなー、まず師匠ってのはやめてくれ」
「はい!」
この先どうしようか?というか顔に出ていたか……気をつけよう
「とりあえず、何で俺を師匠なんて呼ぼうと思ったんだ?」
「そ、それはですね・・・・」
こいつらなんか急に歯切れが悪くなったぞ
一体何が目的だったんだ?
「実は・・・・」
「実は?」
「長瀬くんと仲が良くなれば」
「仲が良くなれば?」
「そのー・・・藍原さんのお目にかかれると思って・・・」
「は?」
何で悠緋に?
しかも、お目にかかれるってどういうことだ?
「……アヤト、藍原さんは男子たちと一部の女子たちから
女神みたいに思われているの……
……ほら、可愛いくて、頭もよくて、生徒会役員だから……」
また弥生が俺にだけ聞こえる声で囁いてきた
本当にこの子は絶対エスパーだよ!
まあ、なるほどだな
俺も予想以上に美人でびっくりしたからな。
でも、それなら・・・
「俺は弥生も十分可愛いと思うけどな」
「っ//!」
気付いたらそう呟いていた。
まわりに聞こえるかどうかギリギリの大きさだったが
どうやら弥生には聞こえていたようだ
まあ、なぜか顔を赤らめているみたいだけど、どうしたんだろうか
「あれ?佐々見ちゃんどうしたのかな?」
「うっさい」
「ちょっと俺に対する態度がひどいなー」
アキトと弥生のやりとりを横目に見ながらどうしたものかと考えていると
宮野先生(ロリ教師)が教室に入ってきた
そういえば次は現国の授業だった、やば!
「もう授業始めるぞー」
キーンコーンカーンコーン
宮野先生(ロリ教師)がそう言うと同時にチャイムが鳴った。
「じぁあ、この話はまたあとで」
岩崎たちはそういって自分の席へ戻っていった
本当に色々大変だった
「……アヤト、お疲れ……」
「なんか変に体力使ったよ」
弥生が俺にねぎらいの言葉をかけてくれる
疲れ切った心にはそれが本当にありがたかった
しかしこれが今後も続くとなると正直きつい
陰キャ目指しているのになんかなー
「……はあー」
「……頑張れ……」
よし頑張ろう!
この後の授業も乗り切りあとはHRだけとなり、
ようやく帰れると思う綾人だったが……
「そういえば悠緋との待ち合わせがあるじゃん!」
「「「「「「「「「「はあ?」」」」」」」」」」
俺の漏らしてしまった心の声になぜか教室内がざわめいているがそんなのどうでもいい
やはり俺にはまだ平穏な日常は訪れないようだ…
更新が遅くなってしまいすみません