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傭兵である俺がエロゲーの世界に転生した件について  作者: エージェントK
第2章 中学生編
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第7話 狼中学生

今回から中学生編がスタートします。新しいヒロインやバトルシーンを描いていきますのでよろしくお願いいたします。

 恋と愛に見送られ生まれ故郷、京極から離れた俺達は父さんのセレナで高速道路を数時間走って東北にさらに数時間かけて秋穂村に着いた。移動に時間がかかったこともあり日は沈み辺りは暗くなっていたので村の様子は確認出来なかった。これは明日改めて確かめよう。



 新しい我が家は最近(この時代の)の二世帯住宅だった。仕事の連絡を効率良く共有するためにここに待田一家も住まわせるのでこの二世帯住宅を購入したようだ。


「ここが新しい俺の部屋か……」


 新しい自分部屋を眺めながらそう呟く。父さんと理貴さんは運転疲れでダウン、母さんと文子さんは新しい家の確認、理子は新しい自室の確認に向かった。確認が終わったらそのまま就寝するらしい。


 10日後には地元の中学校、秋穂中学の入学式が始まる。俺も理子もその中学に入学するので10日までに準備をしなければならない。


「こりゃ忙しいことになりそうだな…」


 入学式までにこの地域のことを調べないとな……だが、今日は疲れた、それは明日以降にしよう。











 次の日、秋穂の地形を知らない俺は早朝ランニングを断念してランニング以外のトレーニングだけを済ませた。朝食後、父さん達は支社に向かい、母さん達は近所の挨拶回りに行ってしまったので俺と理子は今日1日フリーになってしまった。


「準備出来ましたか?理子さん」


 俺は玄関で準備する理子に声をかける。口調が違うのは、中学に上がってからオリジナルは原作通りの丁寧口調(一人称も『僕』から『私』に変わる)になるので俺もそれにあやかったのだ。理子にこの口調で話して不思議そうな顔されたがイメチェンだと言ったら納得してくれた(それで良いのか?)


「はい、征男さま」


 どうせ家に居ても仕方ないので理子を連れて村を探索してみることにした。ちなみに新しい我が家は家こそ従来の二世帯住宅なのだが庭が無駄に広く庭には車が3台入る車庫がある。何かに使えそうだな……。









「景色が綺麗ですね、征男さま」


「ええ、自然はあるし、空気もうまい、東京とは違いますね」


 村のほとんどが田んぼと山でポツポツと建てられた家屋もほとんどが木造家屋で俺達の家の用な近代的な住宅は少数だ。道路も舗装されておらずじゃりみちばかりだが桜の木があちこちにあったもう4月だが桜の開花もまだで入学式には咲いて欲しいものだ。


 自宅が村外れに在るため俺達は村全体を見渡せる中心部にある丘に向かっていた。


 そもそも秋穂村は山間に囲まれた人口2000人未満の小さな寒村で歴史を紐解けば戦国時代に村の中央にある丘を中心にして発達した経緯があるため今でも丘の周りには小学校と中学校を兼任する秋穂小中併設学校、村役場、商店街が集中している。主な産業は農業や林業などの一次産業で二次産業や三次産業で収入を得ている者は南にある隣町である刈穂町まで通勤しているらしい……。


 なぜ1日でこれほどの情報を知っているのか?前もって調べている訳ではない。



ゲームに登場するのだ、この村が……そう、これこそが俺がこの村に来る決意をした理由でもある。


 秋穂村が登場したのは、『悪夢の学園2』が発売された後、『悪夢の学園3』が制作途中に発売されたスピンオフ作品『悪夢の学園0』である。『悪夢の学園0』は『悪夢の学園』の前日譚にあたる作品でオリジナルが高校に入学する前、つまり催眠ガラケーを手に入れる前に起こったことを描いた作品である。


 オリジナルが何故躊躇なく催眠ガラケーを使えたのか?何故あんなにゲスなのか?を描いた作品でもある。自分の身の回りのことで手が回らず『悪夢の学園0』というより秋穂村の存在を完全に失念していた。スピンオフとは言うが本編と深く関わって来るため介入する必要があるのだ。


「そろそろ着きますよ、征男さま」


「お、もう着きましたか……」


 考え事をしていたらもう丘のてっぺんに着いたようだ。丘の上には小さな社がある。この土地を護る山神さまの社らしく丘を中心にして村が栄えたのもこの丘が山神が住まう聖地だからという理由があるからだ。


「うわぁ〜〜キレーイ!」


「すごいですね……」


 丘の上から見えた景色は絶景だった……。青い空、緑に覆われた山々、規則正しく整地された田畑とそのゲーム本編で描かれなかった美しい景色に俺は心を奪われたのだ。







 

 タッタッタッタッ




 どれくらい時間が経ったのだろうか?俺と理子が景色に見惚れていると丘の下から上にナニかがかけ上がってくる足尾とがする。


「理子さん、何か来ますよ」


「え?」


 足音に気付いていない理子を守りながら警戒する。足音からして人間ではない四足歩行の動物だ。山から降りてきた獣か?いや違うな後ろから人の気配と足音がするペットが逃げ出して追っかけて来たのか?………そろそろ来るな。









 警戒する俺の前に丘の下からかけ上がって来た者が姿を現した。



「ワンワン!」


「あっ!征男さま、ワンちゃんですよ!!」


 予想通りだった姿を現したのは立派なクリーム色の毛並み良い大型犬ゴールデンレトリバーだった。


「ワンワンワン!ハッハッハッ」


 レトリバーは俺達を確認するとクルクルと俺達の周りを回りだして2〜3周すると俺に腹を見せてきた……服従のポーズ?初対面の俺に何故?


「可愛いなぁ〜」


 理子が撫でると犬が嬉しそうに目を細める。俺も試しに顎の下を撫でたら凄く嬉しそうにじゃれてきた。首輪とリードがあるからやはり飼い犬か


「クゥ〜ン♪」


「よしよし……随分と人懐っこいなお前」


 この毛並みのよいレトリバー、秋穂でレトリバーを飼っている人物は原作通りなら1人しかいないのだが……それだとこのレトリバーが俺に懐つくはおかしい、原作通りなら俺もといオリジナルの姿を見たら懐つくどころか噛み殺す勢いで吠えられるんだがな


「ハチ〜待ってよぉ〜!」


 どうやら飼い主も追い付いたようだ。


「失礼、君がこの子の飼い主かな?」


「ハァ……ハァ……はい、うちのハチが大変ご迷惑をおかけしました」


 飼い主は女の子だった。急に丘をかけ上がったせいで呼吸が乱れていたが呼吸が整うと真っ先に俺達に謝ってきた。恐らく自分の飼い犬が俺達に迷惑を掛けたと思ったのだろう。


「とんでもない、人懐っこい可愛い子ですよ。ね?理子さん」


「はい、可愛くてお利口さんですね」


 俺と理子がフォローする。実際、迷惑してないしな。


「そ、そうですか?よ、よかったぁ〜〜ハチったら普段は良い子なのに知らない人を見るとすぐ吠えるんですよ、特に男の人が苦手みたいで…」


「へぇー、とてもそのようには見えませんが……」


 理子が不思議そうにレトリバーことハチを見つめる。


「随分前にも散歩している時に偶然あった研修の先生に突然吠え出して先生にご迷惑おかけしてしまいました……」


 研修の先生ね……。


「なるほど、そのようなことが……おっと自己紹介が遅れてしまいました。私の名前は悪原 征男、昨日こちらに引っ越して来ました」


 さっさと自己紹介して彼女の名前を聞こう、でないと()()()()()()()()()()()を漏らして不審に思われたら厄介だからな。


「私の名前は待田 理子です。私も昨日、征男さまと一緒にこちらに参りました」


 俺に続いて理子も優雅に一礼しながら自己紹介をする。なんか最近口調どころか仕草すらメイドぽくっなってるな……彼女のメイド服姿を生で見れる日は近いのかもしれない……。


「ご丁寧にありがとうございます。私は『星川 留美(ほしかわ るみ)』秋穂中学の一年生です。と言っても正式に入学するのは9日後なんですけどね」


 そう言いながら彼女は、朗らかに笑った。やはりか……


 『星川 留美』――――『悪夢の学園0(略称、学園0)』に登場するヒロインの1人、『学園0』本編の2〜3年前に秋穂に越して来た都会育ちの少女だ。白い肌と黒髪ロングのストレートの美形が特徴的でクラスいや、学校のマドンナである。家が小金持ち(父親が銀行の支店長らしい)で本人も礼儀正しく物腰が柔らかいことから周りから深窓の令嬢のように扱われている。今の彼女の服装は白い長袖ロングのワンピースを身に纏っていて彼女の持つ清楚な雰囲気を際立てている(たしかゲームの私服の立ち絵もこの衣装だったな)。


「奇遇ですね、実は私も理子その日が入学式でして……同い年ですし、畏まらないでいいですよ、私のは癖ですから」


「いいの?じゃあそうするね?って同い年なの!?落ち着いてるから年上だと思ってた」


 まあ、精神はおっさんだから当然だな。


「そういえば、引っ越して来たって言ってたけどどこから来たの?」


「東京ですね」


「え!本当に!?私も3年前は東京に住んでたんだよ」


 そこから話は盛り上がった。同じ東京出身ということで留美とはさっきあったばかりだと言うのにそれなりに仲良くなれた。社交的で引っ越してからも友達が出来た彼女でも疎外感を感じていたようで俺や理子と話している時はとても楽しそうだった(そういえば原作でも同じ東京出身であることを理由にオリジナルと仲良くなっていたな)。



「それじゃあ私、家がこっちなんで」


「また、入学式で会いましょう」


「お気をつけてお帰りください、星川さん」


 話が盛り上がった俺らだが昼近くになったので丘を降りた。留美の家は村の中心部寄りだったここで別れるのだ。


「うん、それじゃあ悪原君、待田さん、さようなら!」


 まさか、引っ越して2日目でヒロインの1人に出会えるとは残りのヒロインと出会うのも近いかもな。




 だがまさか、予想以上に早く残りのヒロインに出会うことになるとはこの時の俺が知るよしもなかった。













「うぃ〜〜さっぱりしたぁ〜」


 その日の夜、風呂から出た俺はタオルで頭を拭きながら自室に戻った。俺の部屋は二階の一室で大変気に入っている。ただ残念なのがこの部屋に唯一ある窓から田舎特有の田園風景を見れないことだ。この部屋の窓から見れる景色はうちのお隣さんの二階の窓という窓開けて鉢合わせたら気まずいでは済まない立地になっている。


「暑いな、夜風にでも当たるか…」


 風呂上がりの火照った体を冷やす為に窓を開けた。この時俺は『流石にばったりお隣さんと鉢合わせなんてベタなことないだろw』なんて安易な気持ちだった。それが間違いだと気付かずに………



 ガラガラ


「ふぅ〜夜風が気持ち良いぜ――――――あっ………」


「ふぇ?」


 まさか、こんなベタな展開を誰が予想できるだろうか?今俺の目の前、つまりお隣さんの窓には同年代の女の子が呆けた顔で俺を見ている。これだけなら『あっ、どうも』と挨拶を交わすだけで済むかもかもしれない……女の子が着替え途中でなければな!


 お隣の女の子は英字がプリントされたTシャツを着かけていたようでお腹が丸見えで下手したらお腹から上の胸が見えるか見えないか、と言った状態だった。


 って、こいつはヤバい!!端から見たら着替え中の女子の裸を覗いた変態である。故意では無いとはいえこれは不味い!不注意で女子の裸を見てしまったラノベ主人公のように鉄拳制裁を食らうオチ!ラノベ主人公みたいになりたいと思ったことはあったがこんなとこまで似なくていい!


「す、すみません!すぐ閉めま―――「君が昨日引っ越して来たお隣さん?」す……え?」


 事実は小説よりも奇なりとは良く言ったものだ。


 彼女は着替え終わると身を乗り出してマジマジと俺の顔を見てきた。Tシャツがブカブカだから見えそうなんだが……


「え、ええ、昨日引っ越して来た悪原 征男って言います。よろしくお願いします」


 とりあえず挨拶だけはしておこうと自己紹介をする。


「悪原 征男……ね。私は、『皐月 薫(さつき かおる)』よろしくね征男!」


「あ、ああ、こちらこそ……」


 嘘だろ、まさかもう1人のヒロインがお隣さんだったなんて……


 『皐月 薫』――――『学園0』に登場するヒロインの1人で、小麦色に日に焼けた肌とショートカットにした短めの髪が特徴的な女の子で先の留美が深窓の令嬢なら彼女は元気な活発娘と言ったところか、留美と違い生まれも育ちも秋穂で秋穂の自然中で育ったお陰かスポーツ万能だが勉強は苦手性格も面倒見が良いため皆から慕われている。若干、恋に似ているキャラだが、恋が勝ち気なツンデレに特化しているのに対してこちらは天真爛漫で積極的と言った違いがある。


「皐月さんですね?こちらこそよろしk「ダメダメ!そんな他人行儀な呼び方!薫でいいよ薫で」


 おっとかなり積極的だな、まあ着替えといい本人に自覚はなさそうだがな。


「じゃあ、薫さんで」


「う〜ん、さんもいらないけど…まあいっか!」


 窓越しの薫との会話は盛り上がった。俺が東京出身であると知ると『東京!?私の友達にもいるんだ!今度紹介するね!』と言っていた。恐らく留美のことだろうな。原作だと転校当初友達が出来なくて心細かった留美に最初に話し掛けて友達になったのは薫だったと語られていたしな。


「じゃあ、夜も遅いしまたね!」


「ええ、おやすみなさい」


 薫と別れた後俺は部屋のベッドの上にスティックシュガーをくわえながら横になった。


「まさかその日のうちにヒロイン二人に出会うとはな……」


 『学園0』は前日譚ということからヒロインは留美と薫の二人だけと他の『学園シリーズ』と比べヒロインの人数は少ないがその分Hシーンは濃厚になっている。


 あらすじは父親の都合で秋穂村に引っ越して来たオリジナル、苛めのせいで荒んでいた彼は同じ東京出身の留美とお隣さんの薫に出会う。心優しい留美と明るい薫のお陰で荒んでいた心が癒え始め幸せな中学生活を過ごしていたが幸せは長く続かなかった。


 悲劇の始まりは中学二年の春、進級して新しい担任を紹介されてからだった。担任の名前は『添島 亮(そえじま りょう)』その年に赴任してきたばかりの新人教師だ。添島は数年前に研修で秋穂中に来ていた為(留美の言ってた『研修の先生』とは恐らくコイツ)に生徒は顔見知り、気さくでユーモアのある先生のため生徒からの人気は高いが……それは外面に過ぎない、この添島の本性は二十歳未満の少女にしか欲情しないロリコン野郎なのだ。


 添島は体育倉庫に二人を呼び出すと二人を犯した。その後、前もって設置したビデオカメラで犯しているシーンを撮影、二人にビデオカメラの映像をネットに流すと脅して二人を性奴隷に仕立てあげるというゲスな行いをした。


 添島はオリジナルの気付かないところ(体育倉庫、二人の自宅、森の中、放課後の教室、添島の自宅など)で二人を調教した。オリジナルが気付いた時には既に身も心も手遅れなところまで調教されていたのだ。


 『学園0』の特徴はヒロインの少なさに反比例したエロシーンの濃密度だけでなく他のシリーズと違い選択肢が一切ないことも挙げられる。つまり彼女達は悲惨な目に合う運命を定められたと言っても過言ではない。


「まあ、そんな運命知ったことじゃないがな……」


 そんなことを呟きながら俺はスティックシュガーを噛み砕いた。
























「征男さまお待たせいたしました」


「それでは行きましょうか。理子さん……」


 ()()()に身を包んだ俺と理子は家を後にし今日から通う秋穂中に向かって桜並木を歩いている桜は咲いたがまだまだ五分咲きで満開になるのにはあと数日内必要だな。


 結局、あの日の後は学校の準備に忙しく隣町の刈穂に行ったり来たりを繰り返していたため留美や薫とは会えず仕舞いだった。まさか、制服が刈穂まで行かない買えないなんて思わなかった(近所の奥様方に教えて貰うまで気が付かなかったとは)。お陰で入学式当日までドタバタしてしまった。


「ところで征男さま、どこかおかしくありませんか?」


 俺と一緒に歩く理子が自身の制服を見ながら不安そうな声をかけてきた。どうやら始めて着る制服をちゃんと着こなせているか不安なのだろう。


「いいえセーラー服が似合ってて素敵ですよ」


 もちろんお世辞ではない。従者然とした背筋をピンッと伸ばした健康的な体に黒いセーラー服はとてもよく似合っていた。ちなみに秋穂中の指定制服は男子は学ランで女子は冬服は黒いセーラー服で夏服は半袖の白いセーラー服となっている。


「そうですか、よかったです」


 理子は俺に誉められて嬉しいのか頬を少し赤く染めてはにかんだ。


 俺も自身が着こんだ学ランを見つめた。前世で中高と学ランに慣れ親しんだ俺からしたらこの着心地は懐かしい感じがした。


 20分も歩くと俺達が今日から通う秋穂村唯一の中学校、秋穂中学校が見えてきた。秋穂中学校は、過疎地特有の人口減少と財政難を理由に秋穂村唯一の小学校、秋穂小学校と敷地と校舎を共有している小中併設学校である。小中合わせた全校生徒約270人と生徒数はかなり少ない、単純計算で各学年に1クラスしかないことになる。まあ、その方がヒロイン達と離れ離れにならなくて済むので有り難いがな(ヒロインとクラスが違うので添島の毒牙に掛かったことに気付きませんでしたじゃ話にならない)。


 学校に着くと新入生である俺達は入学式の会場に案内された会場はこの学校の体育館で既に何人かの生徒と保護者が待機していた。ちなみに俺達の両親は仕事が忙しいらしく入学式は後から来るらしい、理子は来てくれるか不安のようだが出来ない約束はしないタイプの人であると解っているので気楽なものだった。











「――――であるからして………」


 入学式が始まった。俺達の両親は約束通り来てくれて嬉しそうに俺達の入学式を見ている。理子も両親が来てくれて嬉しそうだ。ちなみに今は校長の話が始まっているが俺はマトモに聞く気はなかった理由は原作本編で校長がやらかしたことに起因するがそれは後日に説明しよう。







 式が終わった後、入学生は自分達のクラスに案内された(と言ってもクラスは一つしかなかったがな)担任からお互いの自己紹介とこれからの学校の日程を説明された今日はお開きになった。


「オイ!東京モン!」


 理子の席に向かおうとしたら呼び止められた。直接俺の名前を出した訳では無いが自己紹介の時に東京から来たと言ったのは俺だけなのでやはり俺が呼ばれたのだろうそれに原作でも似たような場面あったしな。


「はいなんでしょう?」


 俺は呼んだ奴を見た……って、お前ら……自己紹介の時からいや、原作をプレイした時から思っていた疑問を言いたい。何なんだその格好は!?


 俺を呼び出したのは3人


「あぁん?ワレさっきからアニキをジロジロ見やがってなんなんだ?あぁん?」


 イキナリ俺にガン飛ばす&メンチを切るパンチパーマのthe舎弟な見た目の同級生、


一彦(かずひこ)君、今日は挨拶に来たのであって喧嘩しにきた訳じゃありませんよ。まあ……アニキが殺れと言うならかまいませんがね」


 ガリガリに痩せた体格に丸坊主の頭、牛乳瓶の底のようなグルグルメガネの同級生、


「俺の名前は坂上 雄介(さかがみ 雄介)秋穂小の頃から番はってる者だ」


 最後の坂上は佐藤のような恵まれた体格に学ランを袖を通さずに肩で羽織り(着崩すのは駄目だろ)学生帽を目深にかぶった(そもそもこの中学に学生帽の着用率義務はない)一昔前の不良みたいな同級生、この3人に声をかけられた。


「これはご丁寧にどうも、改めまして悪原 征男です。よろしくお願いします」


「………」


 一応挨拶したがなんだこの空気?坂上は何も言わないし、パンチパーマはガン飛ばすし、牛乳瓶はメガネ光らすだけだし、俺喧嘩売られてるのか?なら買うぞ?添島が来る前のデモンストレーションには丁度いいしな。


「はいはい、タンマタンマ」


 一触即発の状況を止めたのは薫だった。


「久しぶりだね征男」


「お久しぶりです薫さん」


 実は原作でもこの場面はある。オリジナルが先の時代錯誤な不良に絡まれた時に止めに入るのが薫だ原作だとこれが薫との初対面だが俺は早めに会うという軽い原作改変を行ってしまった。


「何すんだ薫?まだそこの東京モンとは話が途中なんだ邪魔するな」


 蚊帳の外状態だった坂上が不満そうに薫に言う。


「雄介あんたが番長として余所者を警戒するのは解るけどさ初っぱなから喧嘩腰はダメでしょ?」


「たしかに……な」


 随分と親しそうだな……そういえば設定だと幼馴染だったなこの二人。


「それに征男はそんな悪い奴じゃないよ私が保証する!」


 そういうと薫は自信満々に自分の胸を叩いた。


「チィ……解ったよ。オイ、東京モン!今回は薫の言うことを信用してやる。だがなもし俺達の村でなんかやらかしたら承知しねぇぞ!」


 そういうと坂上は手下二人を引き連れて教室から出ていった。


「ごめんな、雄介もそこまで悪い奴じゃないんだけど……最近うちの村に余所から来た奴がゴミをふほうとうき?だっけ?とにかく勝手にゴミを捨てるから気が立ってるだよ」


「へぇーそんなことが」


 それが余所者である俺に絡んだ理由か、原作でも理由は語られてなかったがそんなことがこの村に起きてるとはな。


「あっ!そうだ聞いたよ。征男って留美と会ったんだって?もう、なんで先に言わなかったのよ!」


「すみません。まさか、お二人がご友人とは思わなかったので」


 留美は両手を腰に当てて頬を膨らませ『私怒ってます!』と言わんばかりだったので、謝っておく、


「よしッ!許す。それより留美のところに行こうよ」


 俺と薫が来た時には既に留美と理子が仲良く話をしていた。


「ヤッホー、留美!その子は?」


「薫ちゃんに悪原君、えっとこの子は」


「初めまして皐月さん、私は待田 理子、よろしくお願いします」


「君が留美が散歩中に出会った人か、私は皐月 薫、薫ってよんでね!」


「では、薫さんよろしいですか?」


「う〜ん理子もさん付けか〜まあ、いっか!」


 そういえば理子と薫は初対面だったな、見た限り良好な関係を気付けそうで安心した。


「久しぶりだね。悪原君、あの後会えなかったから心配しちゃったよ」


「申し訳ない星川さん、入学の準備で手間取ってしまいまして……」


 留美が話し掛けて来たので俺もそれに応じる。初対面が白ワンピでなかなかに可愛らしかったが今の黒セーラーもなかなか……。


「ねえねえ!征男!理子って征男の彼女?」


「はい?」


「な、ななな、何を言ってるんですか!?薫さん!」


 薫の爆弾発言に俺は唖然とし理子は慌てふためく……どうしてそうなった?


「え〜〜だって理子と征男って同じ家に住んでるんでしょ?だったら付き合ってるのかな〜〜って」


 一緒に住んでるから付き合ってるって極端過ぎませんかね?


「そ、そそそそんな一緒に住んでるから付き合ってるって極端すぎますよ!だ、第一、征男さまは幼馴染でして……そ、そんなハレンチなか、関係では……た、たしかに最近は前より細くて格好良くて素敵だな〜って思いましたけど――――」


「………」


 なんか理子が聞いてもないことまで話しているんだが……そっとしておこう。





 皐月 薫と星川 留美そして秋穂中学校、ヒロインと舞台は揃った後は添島が揃えば原作通りの救いのない悲劇が始まる訳だがそんなことをさせるつもりはない、たかだか1人ロリコン教師ごときに遅れをとる俺ではないのだ。





ちなみに『第4話お泊まり』の時から主人公が葉巻替わりにくわえているスティックシュガーは某アニメの主人公(オリーブドラブカラーのフレームのベレッタPx4を愛用する美少女?)をリスペクトしました。わかった方は感想欄に書いてくれると嬉しいです。

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