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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第一章 ゴールデンなところから
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ある夫婦の幸せ

どうも作者さんです。

父と母…暖かな目で読んでね!

 

 時は王国歴537年7の半月の日。

 ここは第33代国王

 エドラ・リビ・ダ・エイゲニア・フェビス様がお治めになられているエイゲニア王国である。


 私はセドル・テレイゲル。

 元貴族だ。現在28歳。

 準男爵家の三男で、今は家族とは縁を切っている。

 過去は魔道士として冒険者をしていた。

 それなりにはいい線まで行ったのはオレの才能だな。

 ごめんなさい嘘です。仲間たちのお陰で御座います。

 えーと、妻は平民のクローネ、冒険者として各地を回っているときに出会った。

 年齢は…女性のため言うことは出来ないが私の年下だ。

 クローネとの出会いは劇的…でもないか、宿屋の看板娘だったんだよな。

 何度も何度も通って告ったんだったか。

 甘苦い思い出さ。


 今はクレメト辺境伯領の隅に近いアシヤカ村に住んでいる。

 ギルドの依頼で訪れたときに気に入ったんだ。

 あんまり強い人たちがいなかったから大歓迎されて…

 ま、まぁクローネと出会ってからかれこれ4年になる。

 ようやく生活も安定してきて子作りをすることになった。



 同じ村にダグランという、元・レンベーズ侯爵の騎士団副団長だった男がいる。

 サリシャさんというレンベーズ侯爵の四女だった奥さんを持っててな…

 その夫婦と示し合わせて子どもを作ることになった。

 この人たちとは紆余曲折あったが仲はいい。

 ほとんど年齢も変わらないしな。

 ダグランに関しては私より上なのだが気楽に接することが出来ている。

 ダグランも私も妻に尻に敷かれているような気がするのは気のせいだな。


 彼らについて言うと、ダグランは強い。

 ハッキリといえば遠距離で魔法攻撃しててもギリギリ勝てないだろうな。

 あまり剣術には興味がないため知らないが、その界隈では有名なのだと。

 そして、奥さんのサリシャさんはエグイ位美人である。

 も、もちろんクローネのほうがかわいくて大好きだが!

 一瞬心奪われたのは秘密だ…

 仕方ないのだ。うむ、仕方ない。


 えと、サリシャさんは貴族がよく持つ、平民を見下すような価値観を持つこともなく、クローネと仲良くしている。

 歳は私と同じくらいかな。

 ハッキリとは分からないのだけど。


 さて、しかし子どもを作るというには、歳がかなり遅いが仕方ない。

 生活の安定の方が先だった。

 安定した暮らしが子を育むという考えがあるのでね。

 金がなく医者に見せることもできなくては、子も元気に育てないだろう?


 まぁ既に今、クローネもサリシャさんもお腹がかなり大きくなってきている。

 ダグランもオレも産まれてくる子が気になって気になって仕方がない。

 こないだはオレの子どもがクローネの腹を蹴った音を聞いた。


 あぁ、神よ。

 産まれてくる子が元気に育ちますように!

 うちの夫婦もダグランの夫婦も待望の第一子だ。

 うちの子どもと仲良くなってくれたらいいんだが。

 それと男の子でも女の子でもどっちでもいいようにクローネと何回も相談して二通りの名前を決めた。


 出産はあと一ヶ月位だろうか…出産は村の助産婦のヘノラさんに頼んであるが……

 私たち男はソワソワして何回もヘノラさんに出産中と出産後の事を聞いている。

 多少は治癒魔法で体力を回復させられるらしいがそれでも大変らしい。


 あぁそれにしても早く会いたい!

 我が子の姿を見たい!

 さぞ素晴らしい魔道士になるだろう!

 男の子でも女の子でも魔法を教えるのが楽しみだ!


 こうやって考えていたらクローネに冷たい目で見られた。

 理不尽だ。

 だがその冷たい目も可愛いぞ!



 ☆




 ヤバイ。

 夫のセドルがヤバイ。

 最近、ニマニマしながら考え事をしている。

 まぁ、恐らく私のお腹にいる子どものことを考えているのでしょうが、ずっとウロウロ、ウロウロしていて正直うっとおしい。

 でも私もその気持ちはわかる。


 早く我が子に会いたい。

 抱きしめたい。

 そう思っている。

 けれど、出産は痛くて辛くて大変らしい。

 それも初産はより大変らしい。

 そう聞いてから不安があるけれど、それでも、お腹を痛めて産む子どもだ。

 きっと可愛いに違いない!

 大切に育てなくてはいけない!

 サリシャちゃんのところもそうだろう。

 私たちの子どもと、サリシャちゃんのところの子どもが産まれてくるタイミングは大体一緒だろう。

 たぶん私のほうが少し早いかもしれない。

 産まれてくる子どもは私が思うに男の子じゃないかなと思っている。

 少しヤンチャで元気な子だろう。


 フフッ、私もセドルと変わらないわね。

 私の顔もニマニマしていると思う。


 ちなみになんだけど。

 セドルと呼び捨てになっているのは、結婚するときに彼が『オレは冒険者だし、さん付けと言うのも余所余所しいから、セドルと呼び捨てしてくれ。クローネ』と言われたからだったわね。

 宿屋の接客のせいで、さん付けばかりだったからあの時は嬉しかった…かな。

 冒険者で魔道士なセドルは結婚する前はちょっと荒いところもあった。けど…


「ねぇクローネ。私は村長のところに行くから、待っていてくれるかい? あ、家事はしたらダメだよ! 今、クローネは二つの私の大切な命を持っているんだから! 私がすぐ帰ってやるから」


「いいじゃない。家事くらい…」


「ダメ! もうかなりお腹も大きいんだから! いいね!」


「ハァ…分かりました、いってらっしゃい。セドル」


「うん! 行ってくるよ!」


 と、まぁ丸くなったよね、我が夫様は。

 子どもができてから引くくらい優しいし…

 言葉も オレ から 私 に変わったのは別にいいんじゃないかと思うんだけど…オレ の方がかっこいいから戻してもらうようにしようかしら?

 でも女の子が生まれて来ることも考えているんでしょうね。

 まあ、丸くなった…セドルも好きだけどね…今更セドルの前でハッキリ言えないけどね。


 そんな私たちの愛の結晶ももう少しで産まれてくる。

 ドキドキだわ。

はい。作者さんです。

気のせいでなくセドルは尻に敷かれてる。

クローネとセドルはお互い一目惚れだったりするよ。


いつかダグランとサリシャの話も書きたいかな……いつかね。

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