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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第五章 大樹の祭
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68 疲労

 眩い光がオレの左手を中心に広がる。

 これでルーメンが元気になるはずだ。


「大丈夫か、ルーメン」

『んんんん!!ルーーーメンちゃん!ふっっっかぁぁぁつつ!!!』


 オレの手を強引に開いて脱出しクルクルと回転しながら、バーンという背景を出すかのように光を強くきらびやかに放出してポーズを決める。


 うん、なんとなく想像してたわ。

 こいつはこういうことするやつだって。別に悪いことじゃないし、場が明るくなるからこいつはこの性格のままでいい。


『おほほほほー! ちょーぜつ体が軽いわッ!

 やっぱりあんたの魔力はいい魔力よ!! 感謝するわ!!』


 オレの顔の回りをブンブン飛び回るのやめてくれないか。うっとおしい。

 まぁ、元気になってくれたのなら文句を言うつもりはない。限度はあるけどな!?


「ふぅ、これでやっと一つ。疲労で倒れそうだなぁ」


 ため息を吐くと、これからの事後処理が溜まっていることが思い返されて更にため息を吐きたくなる。

 どうせオレ自身、気になることもあるからやることはやるけどな。


『ねぇー! ガルっちって疲労回復魔法出来ないの?』

「はい? 何が何だって?」

『だーかーらー! 疲労回復ま・ほ・う!!』


 なんじゃそれ。

 もしそんなことが出来たら24時間働けちゃうじゃないか。


「それ出来るの人外だけじゃないのか? お前みたいに精霊とか」

『んー? 違うよ、そもそも私は疲れとは むえん なのだー!』


 ドヤ顔を見せつけてくんな。腕もブンブン振るな。

 はぁー、コイツ忘れてるだろ。


「おまえ、さっきまでぶっ倒れてたろ……」

『うっ! ちゃ…ちゃうもん! エネルギーが尽きただけやもん! 疲れたんちゃうねーん!!」


 ルーメンはパニクったのかオレから逃げていってしまった。

 というか、何故にエセ関西弁……動揺しすぎだろ。

 普通に失念してたみたいだな。こんなことが起きるのは初めてだったんだろう。


「仕方ない、追うか。広場の方に向かったみたいだし、ちょうどいい」


 広場からは活気のある喧騒が聴こえてくるし、問題は無さそうだ。

 まぁ、リテラという問題が残ってるんだけど。


 スゥーっと深呼吸をする。

 強い木々の香りに混じって料理の芳しい匂いが鼻に入ってくる。

 深呼吸したのはストレスを和らげるつもりだったんだけど、料理の匂いを嗅いだら腹がグーーッとなった。

 ルーメンに聴かれてたら大笑いされてたところかもな。タイミングはいい。

 それにしてもそれだけ腹が減っていたのか。

 朝も軽くナッツつまんだ……っけ? 食った記憶が無いかもしれん。


 確か今日は──ソフィの膝枕で起きて、テーベに勝負を仕掛けられて、コジベ村長と話して、プリン作って、セーベの裸を見て蹴られて、リテラに眠らされた──


 何も食ってない!? 色々起きすぎじゃない!?

 もう、なんか頭がイカれそうだ。


 ゆっくりと猫背になっていることを意識しながら広場に向かって歩く。

 雑草は今日も逞しく生きているなぁ。んーほとんど現実逃避だな。

 あ~はらへった。


「ん! ガルゥ~!!」


 おっ、こりゃ間違えもしないソフィの声だ!

 ひっさしぶりにソフィに会う気がする。

 大方、オレの魔力でも感知したかな。今のオレは何だかんだ言って気が抜けているからなぁ。アンは感知してるだろうけどねー。


「おー、ソフィー」


 うむ、久方ぶりに見るソフィはかわええのぉー。


「がるぅぅー!」

「ぐっ」


 会って早々抱きつかれた。

 待って! なんか痛い。腕の締めがキツい。


「ちょ、ちょっと待ってソフィ、痛い」

「え? ご、ごめんね!」

「…っー」


 何でだろう。少なくともこれまではこんなこと無かったはずなんだけど。

 もしかしてステータスでも関与してるのか?

 検証するなら即実行。鑑定!


 〔・個体名:ガルゥシュ・テレイゲル

 ・種族:ヒューマン

 ・性別:男

 ・状態:疲労

 ・レベル:17

 体力:204/207

 魔力:405/405

 攻撃力:101

 防御力:55

 素早さ:90

 ・所持スキル

(ギフト)【生まれ変わる力(残り使用可能回数:1】

  【言語理解】

(特殊スキル)【解答解説[アン]】【光風霽月《こうふうせいげつ》】【光】

(固有スキル)【生きるための才能】

(通常スキル)エネルギー吸収Lv3

 ・称号 :【意思ある精子】【英雄の核】【救いし者】【*絶望*】}


 まじでか。

 まずソフィの抱きつきが痛かったのは防御力が40も下がってるせいだろう。

 ゴルチェラードと闘い終わったときは防具含めて95あったはずだ。

 それに、状態が健康じゃなくて本当に疲労になってしまっている。それのせいか解らないが徐々に体力が減っている。

 まぁ、いつかは直るだろうから放置だな。ルーメンが言ったように疲労回復魔法があれば別だがな。


 んで、この特殊スキルだよ……

 何なんだ? 【光風霽月】って? 【守護】の代わりに出来たみたいだけど。

 大方、ソフィに関することだと思う。だって、守護が手に入ったのはソフィが産まれた瞬間だしな。そのスキルの代わりなんだからソフィ関連だろう。

 あんまり熟語とか得意じゃねぇから、意味は知らん。いい意味なら良いんだけど。


 最後に、称号の【*絶望*】。

 しかもこれだけ称号の中で輝くようなイメージがある。強調されているというのだろうか。

 手に入れたのはリテラの能力による眠りの中だろう。

 でも称号が何かステータスに影響を与えているのは見受けられない。放っておいても問題ないか。

 ただの問題の先送りなんだけどな。何か起こったらその時どうにかすりゃいい。


 うーむ、それにしても上位スキルの瞬間思考は役に立つな。

 わりと長い思考のはずなのに使った魔力は少ないし、他の奴の行動も少し遅れて見えるくらいだ。

 もしかして、このスキルを成長させたら超強力なスキルが発現するかもなぁ。


「大丈夫?ガルゥ」

「ん?あぁうん大丈夫」


 痛みはまぁいいんだけどさ、防御力どうしようかな。

 あ~困った。取り合えず当初は置いといてリテラの話を訊くか。


 ──何故オレを絶望に叩き込んだのか──

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