53 赤と白の美
プリンも出来たことだし、片付けも終わったからそろそろ開催場所の広場にでも行くか。
門出祭は外の広場で盛大にするそうだし、準備も大方終わったところでしょ。
そういえば、セーベはどうなってんだ?
まだ気絶したまんまなのか? オレそんなにヤバイことしちゃったか…?
《セーベ・リースタに健康上の問題はありません》
だよな、だよな。
ちょっと不安になっちまった…アン、報告ありがとう。
つーか、せっかくゴルチェラードから救ったのに、オレがやっちまったら何の意味があったんだって言うことになるからな…
でも少し心配だな。ルーメンに聞いたら分かるか?
「なぁ、ルーメン、セーベがどうなってるか知ってるか?」
『んー? セーベのことー?
えっとねぇ? 起きてるんじゃないかなぁー?』
ダメだ、コイツ。役に立ちやがらねぇ。全部疑問形…
しゃあねぇ見に行くか…
『ん? 見に行くの?』
「あぁ」
オレは、手を洗ってピッピッと水を払って服で拭いた。
あ~またやっちまった。
前世では服で手を拭いてたから癖でやっちゃうんだけど、ソフィもいるしちゃんとしてようと思ってたのに! クローネ母さんはそういうとこ厳しかったからなぁ、これから気を付けよう…
さてとセーベの部屋はこっちだな。
失礼しまーすっと…
オレはドアを開けて、顔を上げて眼に入った光景によって、体が固まった…
「はっ!?」
「…!?」
部屋の中でセーベが着替えていた…
──下のカボチャパンツしか履いていない…ほぼ生まれたての体──
透き通るような白い肌を惜しげもなく晒し、僅かに小高い胸がとても可愛らしく…ほのかなピンクが存在を強調している。
顔が朱色に色づき、髪の白とのコントラストが目に眩しい…
頭の上の耳は天を指すかのように高く立ち、大きく広がった尻尾が軽くすき間風に揺られる…
一瞬の光景がオレの目に焼き付けられ、言葉をなくした…
ラブコメ等でお決まりの展開だが、いざ自らがその場にたつとこうも立ち尽くしてしまうのか。
紅花のように韓紅に彩られた双眸がこちらを…視た…
「…き! きゃあああああああああ!!」
「ち、ちが! ごめ…! …!?」
セーベの悲鳴を聞いてようやく否定の言葉と謝罪をしようとしたが一瞬遅かった…
オレは気づかぬ間に後ろに吹っ飛んでいた。
そして空中で痛みがオレの身体を貫いて、ようやく気づいた。
セーベがテーベの六趣拳赤樫の型以上の速さでオレを蹴ったんだ。
しかもローリングソバットで。
いくら二重人格だからといって体は同じだから咄嗟の時には攻撃出来るんだな…て言うかこういう時ってビンタとかじゃないの…?そう思った。
ゴロゴロと何度か後ろに転がって壁に当たって止まった。そういえば頭に乗っかってたルーメンは大丈夫か?
『アッハハッ! 大丈夫? セーベもやるときゃ、やるのね!』
「──もぅっ!」
恥ずかしさからか扉を閉める勢いが強い。
くっ、あんなに勢いよくドアを閉められたらなんとなく心に来るな。
ちゃっかりルーメンはオレの頭から避難してやがるし…指差して笑いやがるし。
『アッハッハッ…ヒィヒィ…あ~お腹いたい!」
「うるせぇ…指差して笑うんじゃねぇ。あーいて」
『プッ…ご、ごめんごめん。
……ブッふ! ゴメン! やっぱ無理! アハハハハ!!」
こ、コイツ!
くっそ、そんな無様だったか?はぁ、無理もないか。
多分オレ、惚けた顔してぶっ飛んだもんな。
それにしても、あぁ…頭からさっきの光景が忘れられない…、いやぁー眼福だった…
ち! 違うぞ!? オレはそういう変態じゃねぇー!
思えばソフィのめっちゃ小さいときの裸しか見た覚えがないな…
まぁオレも身体は小さかったからあそこも小さくて反応とか全然なかったな…
今はちょーっと硬くなっているかな…?まぁ12歳らしく前世の高校生の時より大きさはそこまでなんだけど、身体が違うのか、かなり大きくなる見込みがあると思う。
でもこの世界エロ本もなければ、アダルトなビデオもなく、そういう店しかないんだよなぁ…クレハーロの裏町がそうらしいんだけど…
って!なんの話やねん!
ちなみにセーベはBカップ、ソフィはCカップ(現在)急成長中。
クレールCカップ、エミッタDカップ、チヌネアFカップです。
えっ?ピタシーナちゃんのカップ数も知りたいって?
計りたくもありません……




