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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第四章 因果の通り夢
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51 門出祭準備-1-

 

 セーベの旅の門出を一応オレたちも祝うため、オレは何か料理を作ることにした。


 何個かアイデアはあるんだけど材料あるかなぁ…木の実を使えたらいいと思っていくつか持ってるんだけど、んー。材料次第か。


 ソフィには女子たちにこの事を伝えてもらうことにした。

 ちなみに男子組は近くの森で魔物を狩ったり、キノコや木の実をとってくるそうだ。


 あっそうだ。


「ゼン! いい忘れてたけど、セーベうちのパーティーに入ったから」

「ん!? えっ! なんでだい!?」

「そういうことだからよろしく~」

「お、おい! ガルゥシュ、待ってくれ! 話を聞かせてくれ!」


 うーん本人の了承もまだなんだからゼンに色々説明するのはめんどくさい。別にいいかって思ったんだよね。どうせ後で話すでしょ。

 ゼンが後ろでねちっこく聞いてこようとするがピタシーナちゃんが強引に連れていった。ゼンの顔は大好きなのケモ耳がパーティに入る喜びなのか笑っているがな。


 うるさいのも居なくなったし、さぁーて何作ろっかなぁーっと…


 いくつか作るか…?

 あれがあったら色々広がるんだけど…あるかなぁ~?


 村長に聞いてみるか?

 えっと村長は~っと。

 いたいた。村長は村の広場の近くにいた。門出祭を宣言してすぐに来たみたいだ。

 あれは赤樫の型の稽古か? 全く重心がぶれてないな、いや、耳がピクピクしてるなぁ…

 もしかして、オレの手の中で転がしてるドングリの音が気になるのか? いくつか埋まってるのを拾ったんだけど、拾うのはまずかったかな?

 邪魔になっちゃってるか?あんまり時間無いし、稽古中悪いけど聞くか。


「すいません~村長、聞きたいことが~」

「ん、なんだの? 娘婿の言うことならある程度聞くぞ」


 いやちょっとまて、娘婿になるってきまったわけじゃねーし、オレの手に目線あわせすぎ…ハァ


「これあげますから、えっと牛乳って、どこかにありませんか?」

「いいのかいの!? ありがとうの!

 それで牛乳だったかいの? ホルステン牛の乳なら、あれは~、ケッベの里が定期的に分けてくれるからどの家庭にもあるの」

「ケッベの里?」

「うむ。我らリス族の別の里じゃ。ここから南東の方向にあるっての、牧畜が売りなんじゃ」


 ほう。クレハーロに帰って世界を旅するのに行く場所を決めてなかったから、南東の方向に行くのもいいかもな。一応王都には行くつもりだけど…


 んで、牛乳だ。ホルステン牛か。ホルスタイン種なのかな?

 有るのなら分けてもらえるかな?


「ポリポリ食べてるところ悪いんですけど、牛乳分けてもらえませんか?」

「んも? もごも、もごももごん?」


 何言ってるか分からねぇ!頬っぺたパンパンじゃないか…


「食べきってからでいいんで分けてくださいね!」

「もあ!」


 もあ!ってなんだよ!おうってか!?


 ☆☆


「よし、これだの。ほれもってけるか?」


 村長は一抱えの壺を持ってやってきた。何リットル位だろ、かなりの量だ。


「えっ、いいんですかこんなに?」

「おう、セーベの門出祭に使うんだろうの? それなら使ってもらって構わんの」

「すいません。ありがとうございます」


 おっと、思ったより結構入ってるな。これは収納に入れとくか。

 手をかざすとまた空中に黒い穴が開く。そのまま壺を穴にゆっくり入れる。どうにも異空間だから閉じたら無重力になるみたい何だよな~。

 どこかの青いタヌキ(あれ猫だっけ)型ロボットのアレみたいだ。


「おお、またそれに入るのか」

「あっと、すいません」


 慣れてない、普通に使っちゃうな。

 慣れてかないとどっかでもまたやっちまうかもなぁ…


 牛乳は手に入れたから、砂糖だな。あと、卵。


「村長、卵と砂糖はありませんか?」

「卵はあったとおもうが砂糖はないのぉー」

「砂糖がない…あっ。ならハチミツはありますか?」

「ハチミツ…あるぞ。甘味の王様と言ってるくらいだから少し値は張るがの。砂糖よりは安めだがの…」


 よし。ハチミツがあるなら作れるな。

 とにかく甘味系は高いんだよなぁー。でも無いと困る。


「それらも分けてもらいたいんですけどいいですかね?」

「ふーむ、仕方ないの…何を作るかは知らんが、美味しいものを作れ、の?」

「ええ、勿論ですとも」


 これは初めて食べたら驚くだろ…地球の料理は凄いぜ!


 さぁーて、『プリン』作りの始まりだ!

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