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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第四章 因果の通り夢
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43 ロクシュの里

 

 オレたちはリス族の集落に向かって歩き始めていた。

 自己紹介を順番に行い、リス族についてセーベに聞いていた。

ベゼック教官のことを話していると気が病んでしまいそうだったからだ。


 リス族は基本的には移住する種族らしいがセーベの集落はあまりというか全く移住しないらしい。ある木のお陰だとか。

 主食は木の実やキノコらしいが肉も食べるらしい。草食寄りの雑食だと言うことだ。


 ある程度リス族がどういう種族か分かり始めたところで見え始めたのは大きな大きな縄文杉のような木だった。

 夕焼けの世界で威風堂々たる様で(おごそ)かに立っている。

 周りには柵があるだろうか、どうやら警備用の物見やぐらもあるようだ。

 思っているよりよほどしっかりした集落だ。

 その場の誰もが立ち止まり、その夕焼けに照らされる大きな木を見つめた…


 この景色は日本じゃ見られなかっただろう。

 オレは引き込もっていたからな。

 これを見れただけでもオレはこの世界に生まれ変われて良かったと思った。


「美しい……」


 そう言ったのは誰だったろうか……オレも見とれていて上の空だった。


「う~んやっぱり何度見ても綺麗ですねぇー。

 あっ皆さんにお教えしますね。あの木は“ロクシュタリアの樹”と言ってですね、いつも私達を見守ってくれてるんですよー」

『そうそう。ワタシの力の源なんだよねー、ロクシュタリアちゃんって。あのこから光分けてもらってんのよ』


 へぇーロクシュタリア……本当に凄そうな樹だよ。

 ん?分けてもらう?光を?


「じゃあ光の精霊はロクシュタリアの木から離れられないんじゃないのか?」

『何いってんのよ、ワタシ自身だけでも一応は大丈夫だけど、あのこから分けて貰うと元気が出るのよ』


 ふぅーんそうなのか。元気が出る、ねぇ?

 エネルギー吸収でちょっと吸わしてもらおっかな。何か起きそう。


「なぁガルゥシュ、君、何一人で話してるんだい?光の精霊ってなんだい?」

「えっ?見えないの?この光の精霊……」

「気味悪いことを言うなよ…あの景色の感動が引いちゃったじゃないか…」

『あ~ダメよ。ワタシは普通の人には見えないから。あんたは~多分あれね、なんかの特殊スキル持ってない?』


 マジか…それじゃあオレめっちゃキモいじゃん!

 アン~これは何のせいなんだ!?


 《特殊スキル【光】の効果です》


 特殊スキル、か…それじゃあもうどうしようもない…

 あっ、皆に効果を付与って出来ねぇか?


 《不能です》

 《しかし、【精霊視】スキルによって視認可能です》


 おっ!他のスキルでもいけるのか。

 どうすれば習得出来るんだ?


 《マスターならば光の精霊の回りを注視してください》


 注視ね。

 ……ジーーー


『ちょ、ちょっと何見てんのよ!恥ずかしいじゃない!?

 きゃーいやんっ』


 《精霊視Lv1を習得しました》


 はい来た~。相変わらず習得のはやいことで。

 ルーメンの反応?知ったことか。

 さてさて使ってみるか!

 精霊視スキルゥ──発動!

 お! おおー!

 オレの体の回りに黄色い粒が動き回ってる! これが精霊?

 うわっ! セーベの回りヤバッ! 多っ! 何あれ、顔見えねぇ!

 他の皆はオレほどの精霊の多さはない。強いて言えばチヌネアの回りには紫の精霊が多い。あれは闇の精霊かな?

 それにしても顔が見えなくなるほどって凄いな…セーベちゃんの顔って結構オレの好みだし見えなくなるのはちょっと…

 まぁ精霊視スキルは暇な時に練習しよっと。


「だれだっ! 止まれっ!」

「待ってっ! タルベさんっ! 私ですっ!」

「セーベか! ちょっと待ってろ、今、門を開ける!」


 オレたちが進んで門が大きく見えてきたところで声をかけてきたのはいかにもリスという感じの男性だった。

 タルベと呼ばれたリス人は物見やぐらから急いでかけ降りている。そして、グングンと門が開いていった。


「よいしょ…おし、やぁようこそロクシュの里に」

「え~こちらの方々は、森で色々あったみたいで…もしよろしければ と連れてきたんです」

「そうか…まぁ歓迎するよ。久々の訪問者だよ」

「よろしくお願いします」


 オレが代表して挨拶をしておいた。オレが頭を下げると皆もあとに続いた。


「取り合えず、父、えっと村長のところに案内しますね?」

「あぁそうしたほうがいいね。私は見張りに戻るよ」


 セーベに連れられて入った村は普通の村とあまり何も変わらなかった。

 ただ──村のあちこちに地面が盛り上がっている所があり、村人の頬っぺたが膨らんでたり、リス族という感じがありありと伝わってくる。

 リス村人はチラチラこっちを見てたり、ナッツを歯で削りながらこっちを見てたりしていた。まんまリスだな、おい!


「ここが村長の家です。一応私の家でもあるんですけど、ね」


 セーベが立ち止まったのはロクシュタリアの樹の真下、里内の他の家よりかは大きい木造の家の前だった。

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