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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第一章 ゴールデンなところから
4/115

4 国と精子と記憶力

どうも作者さんです。

ここで初めて異世界っぽさ出ます。 一文だけ…

 

 第一陣が出た。

 今はかなり体中が熱い。

 ヌルアツと言うやつだな。

 父親はそうとう興奮しているっぽいな。

 声が聞こえてくることはないが…そもそも聞きたくない。


 《熱耐性Lv1を取得しました》


 ふぅだいぶマシになった。

 相変わらずのタイミングの良さだことで。

 さてもうそろそろ出陣だろうか。

  オレの前の人生はもちろん童貞だったからな。

  言っててかなり心に来るものがある。

 うぅ泣きたい。父親が羨ましい。


 う~む母親は美人だといいなぁー!

 父親もイケメンなら、オレもイケメンになれる確率は高いからイケメンであることを願う。

 といってもどんな人類なんだ?

 ずっとキン○マの中だからな。

 さっぱり想像がつかない訳で。

 日本人のようにアジア系なのか、はたまた外国人っぽい金髪だったりするのか?

 それとも全然違うエイリアンか…… 宇宙人かもしれないんだよな…こわっ。


 まぁ、人種は置いておくとして、どんな国なんだろう?

 まさか地球のままか?

 転生してるくらいだから異世界だと思うんだけど……どこか判る方法…


 《エイゲニア王国クレメト辺境伯領アシヤカ村です》


  ウオー! やっぱり異世界じゃんか! キター!

  わりと詳しい内容だ、素晴らしい。

 さすが【解答解説】!

 ありがとう。

 それでも時代はさすがにわからないか。

 西暦があるとは思えない感じだしな。

 まぁ、場所が分かっただけでも収穫だと思うことにしよう。


 未だに精子だからな、異世界だと言う実感が余りない。

 いや、ある意味ではめちゃくちゃファンタジーなのだが…

 何てったって精子が意識持ってるんだからな……

 しかもそれが自分って…

 そんなのだから夢オチとかもあり得そうだなぁ。


 でも結構ワクワクドキドキしてる。

 なんといってもオレは引きオタクだった訳で。

 そりゃ転生ものも結構好んで読んでた。

 溢れるくらいあったわけだし。

 こんな辛い転生は記憶にある限りでは読んだことないが……


 そんなことはいい。

 この世界ではオレにも才能があるんだ。

 スキルでも何でも使って、精一杯生きてやる!

 その前に卵子まで辿り着かないと行けないんだけどな。

 

 さっきの場所の情報から見て、アシヤカ村というだけあって恐らく村人からだろうな。

 …かといって、村人Aとか地味すぎるのはなりたくない。

 せめて少しでも裕福な家がいい。

 それだけでスタートダッシュが違うと思うんだよな。

 貴族とか大地主とかさ。

 逆に面倒な予感がするから貴族は若干嫌かもしれん。



 おっ! 来たか。

 再び空間が狭まるような感覚が押し寄せる。

 周りの精子仲間たちでぎゅうぎゅうになっているのだろう。

 精子としての体はフニャフニャしてるから満員電車のような窮屈さは感じない。


 さて、ここでオレの人生が決まる。

 外に放り出されたら数秒で死んでしまうだろう。

 かといって行動を起こさないと玉の中で人知れず死ぬ。

 そんなものは転生とは認めないからなっ!

 どうか! どうか卵子に辿り着けますように!


 現状を(かんが)みるに、どうも現在オレたちのまわりには膜があるっぽくて、グループのように分かれているみたいだ。

 この膜に覆われたまま膣内まで行くらしい。

 兄弟たちがいるのは見ることは出来ないが感じることは出来る。

 ある意味では全員ライバルだ。


 おっと!?

 グングン流されるような加速感が体全体にかかる。

 流れるプールとかいうレベルを越えてる、渓流下りの倍以上の速さじゃないか?

 広い空間から細いところに入ったのか膜内が窮屈だ。

 より臭いが強まったような感じがする。

 そのまま身じろぎも出来ずグングン進んでいく。


 不意にさっきの窮屈さが和らぐ。

 今度は広めのところに出たっぽいぞ?

 でも完全に外じゃないし、周りも熱い。

 ということは、ちゃんと膣内に入れたらしい。

【運気上昇Lv2】のおかげだろうな。

  あとはこのオレたち精子を覆っている膜が溶けるのを待ってそこから泳ぐんだろう。


 そして他の精子たちを抜いていくだけだ。

 なんか意味がおかしな文だな。まぁいいか。


 他の精子は本能だけで進んでいくだろうが、オレには記憶の知識と思考することが出来るから卵子に辿り着けるだろう。

 逆に知識が邪魔をしないことを祈るのみ。



 前の人生で見聞きした知識によると、卵子にたどり着くまでおよそ1時間から1時間半位かかるようだ。

 確か 卵管なんとか ってところで卵子と出会うらしい。

 けれどもそこまでであり得ないくらいの精子たちが力ついて、死に絶える。

 おおよそ日本の総人口位の精子があっても、卵子に辿り着き卵子を取り囲めるのは数十から数百の選ばれし精子のみらしい。

 本当に命懸けで泳がねばならない。


 精子には膣内環境はかなり辛いところらしく、膣内は酸性に保たれているらしい。

 それを防ぐためにオレたち精子の周りにはアルカリ性の膜が張ってあるようだ。

 それで酸性に対抗して泳いでいくわけだ。

 運動能力の高い、幸運な精子だけが卵子の中へ~ と言うわけだな。


 ってなんでこんなにスラスラと?

 前に見たっていってもそうとう前だぞ?

 中学生の保健体育か何かだったと思うけど。

 普通の知識はな? 純粋な基本知識は…

 もちろん授業でこんなに詳しくはしてない、思春期だったんだ。

 何故かオレの心が(えぐ)られていく気がするが……性行為を深く調べすぎたんだよ…その記憶がこんなにも鮮明だとは…どうしてだ?


 《固有スキル【生きるための才能】により【記憶復元力UP】の状態が付与されています》


 なにそれ、超便利じゃん。

 それだけでも前の人生楽だったんじゃね?

 固有スキル、恐ろしい子!!

はい。作者さんです。

【記憶復原力UP】欲しい。切実に。

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