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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第三章 冒険者…?
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閑話 ハロウィン

少し本編とは異なる世界です。ガルゥのテンションが後半高い……。

 

 あれはオレが8歳の時

 

 赤の月の二度目の新月の日。

 要するに10月31日。

 そう!地球のハロウィンの日!


 神が言っている。

 ジャック・オー・ランタンを作り、中身を使って料理を作り、ハロウィンを広めろと!

 本当はコスプレを広めたいが時間がないし、技術がない。だから悔しいが今回は諦めるしか無い。くそっ!


 仕方がないのでペリメ姉さんの八百屋兼道具屋に来た。

 そういえばペリメ姉さんと呼んでいるが、彼女はぶっちゃけて言うと『オバサン』である。

こんなことは間違っても言えないが…。言ってしまったらどうなるか分からない…。確実に恐ろしいことが起きるだろうことは分かるが…。

年齢不詳、永遠の18歳だと公言している。一応村の重鎮だ。

 さて、話を戻そう。

 この世界には地球に似ている野菜、果物が多い。名前はちょっと変わっているが。

なので当然南瓜(かぼちゃ)がある。


「ペリメ姉さん。これ下さい」


 オレが買おうとしている南瓜はオレの腕で抱え込んで持ち上げる位の大きさで、バスケットボールの一回り大きい感じといえばいいだろうか。

南瓜はこっちではなんという名前なんだろうか。


「ほいよ!ケーボチャだね。一個500ゲニアだよ」


 ケーボチャだった。相も変わらず似すぎだ。


「五つもらえますか?」

「五つもかい?あとで運んであげようか?」

「いいんですか?じゃあ四つ運んでもらえたら嬉しいです」

「分かったよ。あんたの家に運べばいいんだね」


 銀貨二枚、大銅貨一枚を払い、ケーボチャをひとつ受け取った。

 普通の8歳だったら重いであろうケーボチャもオレなら楽々運べる。


 一応家に持って帰ってきた。さぁジャック・オー・ランタン作りだ!

 魔法を使えばちょちょいのちょいよ。と言いつつ最初はナイフを使います。

 まず上部を斜め切りにして蓋として使えるようにして、中身をくりぬくっと。

ここは風魔法で種を取り除き、果肉を取り出す。この時になるべく顔にする面の果肉を多く削り取る。こうすると簡単に顔を作れるからいい。


 よし。顔を作ろう。

 三角おめめに三角おはな、ギザギザお口を付けたなら~!

はい!ジャック・オー・ランタン!!完成!

 全部風魔法を指先から出すイメージで切りました。イメージは簡単だったけど以外と魔力を喰ってしまった。

 あとはすぐ傷まないように天日干しをする。っと。


 さてと。中の果肉を使ってなにを作ろうかな?お菓子系がいいかな?

 一応昨日にはパイ生地作ってるんだよな。

 えっーと。パンプキンパイでいいか。

 なかなか砂糖が高いから作りづらいな。ハチミツを使えばいいか。

 材料は、取り出した南瓜、牛乳、バター、ハチミツ、パイ生地、卵黄か。

 バターと牛乳は、村でも家畜として飼っている牛から取っている。ちなみに魔物ではない。他にも豚や犬等の魔物ではない動物もこの世界にはいる。

 卵はウズラに近いけどそれより一回り大きいグラウンドバードの卵を使う。


 まず、南瓜を乱切りにして、串が刺さるくらいまで茹でる。茹であがったら冷ましておいてっと。。

 茹でた南瓜と牛乳大さじ2、バター一欠片、ハチミツ大さじ3を混ぜる。この時に入れ潰すようにしていこう。。

 混ざったらパイ生地にのせて、パイ生地を好みの形に包んでいく。包めたら溶いた卵黄を塗って焼く。

 焼くのはもちろんオーブンなんかないので魔法でしまーす。

 火魔法で強火にしながら風魔法で熱が逃げないようにするっと。これを30分続ける……魔力持つかな…。



 ……………30分後


 ゼハァゼハァ……、ハァ。グッ!だるい眠いしんどい………魔力回復さん頑張って…。


 《魔力完全回復まで4分です》


 ありがとうアン。魔法同時発動はやっぱり負担が凄いな。


 《【調理Lv2】から【調理Lv3】に上昇しました》


 こんだけ苦労したしスキルレベルも上がるよなぁー。

 まぁ!完成したし、グジグジする必要はないな!

 さぁ!ハロウィン文化を広める第一歩!


「ソフィ~!今日特別のお菓子があるんだけど食べてみない~?」

「たべる!ガルゥ!私たべる!」


 フッフッフ。最初はソフィに食べさせてあげるのさ!


「ガルゥそれが、その特別なお菓子?」

「そうだよ!パンプキンパイっていうお菓子さ!」

「パンプキンパイ?変な名前~!」


 この世界では変な名前になるのか…。迂闊に名前を付けられないな。ちょっと変えないとダメか。


「まぁ、まぁ。食べてみて?ほらアーン」

「う、うん。いただきます。アーン」


大口を開けてパイにかぶりつくソフィ。餡までたどり着いたのか一気に目を見開く。


「おいひっ!おいひいよ!ガフゥ!」

「ははっ。喜んでもらえて何よりだよ」

「ング、ねぇ!ガルゥ!パパたちにも食べさせてあげて!」

「もちろん。そのつもりで沢山作ったし、食べさせてあげよう。でも夜になったらにしようかな。夜に村の広場に村の皆を呼んで面白いものを見せてあげたあとに配るから」

「う、うん!分かった!夜ね?」

「そう。夜だよ」

「うん!じゃあ夜にね!ガルゥ!お菓子美味しかったよ!」


 よし。あと、もうひと頑張り。ペリメ姉さんのところで五つも大きなケーボチャを買ったんだ。しっかり作りきってやる!



 ……………………夜。


 広場に村人が喧騒を作り出している。娯楽に飢えた村人にとっては集まれるなら何でもよいのだ。


「なぁ。ソフィティアちゃんから夜に村の広場に集まれって言われたけどなんかあんのか?」

「セドルの所のガルゥシュがまたなんか作ったらしい」

「おっ!旨いものか?」

「さぁな!分からねぇが楽しそうだ!」


 そろそろいいかな?皆集まっただろう。よし。


「さぁ!アシヤカ村の皆さん!今宵はあるお祭りを開催しようと思います!」

「ひゅーなんだ!?なにするんだー?」

「おお!なんだ?なんだ?」


 ここでジャック・オー・ランタンの中に火をつける!

 ポッ、ポッ、ポッ、ポッ、ポッと火魔法を指先からロウに移し灯す。


「オオー!」

「これはジャック・オー・ランタンといって南瓜の飾りです。秋の収穫を祈るお祭り、それがハロウィンなのです!」

「かわいいー!」

「面白いな」

「きれー」


 受けは上々。ほとんどオレの話聞いちゃいねぇけど。


「ハッピーハロウィーン!!さぁ!御一緒にせーの!」

「「「「「ハッピーハロウィーン!!!」」」」」


 はい!いやぁー、広まってくれるといいね。


「よし!皆さん!お菓子を配りますよ!パンプキンパイという、お菓子です!」

「「「オオーッ!!」」」

「ガルゥシュのお菓子!パンプキンパイ!」


これが目的なのがわかりやすいことこの上ない。オレが作るものは上手いとかいう謎の噂があるらしいし、仕方ないのかもしれない。


「押さないで!沢山作りましたから!」


「おいしー!!」

「うめぇ!!」

「さっすが!ガルゥシュ!この村に住んでて良かったぜ!」


 よし、パンプキンパイも好評だな。ま、味見してそんなに悪くなかったら、この世界では大抵美味しいと言われるけどね。

 …………………



「じゃあ皆さん!毎年赤の月二度目の新月の日は~?」

「「「ハロウィーン!!」」」

「さぁ!御一緒に。せーの!」


『『『『『ハッピーハロウィーン!!!』』』』』


 この日を境に毎年各地で段々と赤の月二度目の新月の日にはジャック・オー・ランタンを飾り、パンプキンパイを作るという風習が広まっていった……。


 ガルゥシュ・テレイゲルはコスプレも広め、『ハロウィンの祖』と言われるようになるのはもう少し後の話……


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