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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第一章 ゴールデンなところから
2/115

2 意思ある○○

作者さんです。

イカ美味しい。


 

 《【生まれ変わる力(残り使用可能回数:1)】となりました》



  お、オレは一体───


 どこだ? ここ? オレの体は?

 弟と妹はどうなってる? それにあの声は一体?


 なんか思うように体が動かない?


 頭がうまく回らない。

 死んだのか? ここは死後の世界?

 これが天国? そんなバカな!

 

 まて、冷静になろう。

 周囲の状況を把握しよう。

 感覚を研ぎ澄ませろ………視覚、聴覚、味覚は効かない。

 触覚はこの場所が何かヌメリ気があることを知らせてくれる。


 あと嗅覚だが一番情報として良いかもしれん。

 何故ならどこかで嗅いだことのある……イカくささ……これは…

 オレなんなの?

 動かない、動かせない感じから人では無さそうなんだが?


 冷静になれ、今までの情報を精査した結果オレは…もしかすると…


  せ、精子…?


 うそだろぉぉ!!

 生まれ変わるってこれなの?

 転生ってここから!?

 ここから!? スタート!?


  そ、そんなバカな!

 普通の転生小説ならせめて赤ん坊からだろ…? 辛すぎる!


 クッソッ、なんもみえん。

 においはするのに目は見えないのか。

 確認したいが、なんとなく、そうなのだろうと思う。


 そうだオレは精子だ。精子だよ!

 グスッ。これから精子として生きていくんだ。

 短く、儚い遺伝子情報の塊として……


 ハァー…ん? あれ?

 なんで精子なのに考え事が出来るんだ? おかしくね?


 《【思考Lv3】を所持しています》


  うぉっ、ビビった。

 まさか解答がくるとは。【思考Lv3】?思考するのに何かの能力がいるってことか。

 そりゃ、精子が考え事するなんて話、何処からも聞いたことねぇもんな。


 しかし、それにしてもこの声はなんだ?

 機械音声にしてはかなり柔らかいし、女の子よりの声って感じの…若干脳に直接届いたあの声に似ている気もする。


 《特殊スキル【解答解説】による効果です》


  特殊スキル……

 スゲェな。ますますゲームっぽい。

 あっ、【思考Lv3】もスキルか。

 スキル、スキルね?

 オッケー、理解した。


 よし、じゃあ分かった事として…

 今、オレの唯一の話し相手なのが【解答解説】か。

 よろしく頼むわ。

 返答してくれるだけでもありがたいので。


  つーか、生まれ変わって数秒ってところだろうけど…ね?

 なんだか、んーと、すっかり精子として順応しちまってる気がする。

 これもなんかのスキルなんだろうか?


 《固有スキル【生きるための才能】による効果です》


  へぇー。スキルのお陰か。

 感謝だなー、よく分からないスキル名だけどね。

 うむ、にしても…固有…スキル…いい響きだ!


 あっ、そうだ!

 ゲームっぽいなら、スキルの情報って見れないか?


 《残念ながら[個体名:精子]では開示できません》

 《[個体名:卵子]と融合すれば可能になります》


  そうか。そうなのね。

 卵子と融合──受精か。

 卵子には思考のスキルはねぇんだろうなぁ……


 じゃあ、今の自分のステータスだけでも見れない?


 《可能です。開示しますか?》


  おぉ。出来るんだ。ちょっとワクワクするな。

 もちろん、はい っと。


 〔・個体名:精子

 ・種族:ヒューマン

 ・レベル:0

  体力:1

  魔力:1

  攻撃力:0

   防御力:0

  素早さ:2

 ・所持スキル

  Ⅰ.ギフト

  【生まれ変わる力(残り使用可能回数:1)】

  【言語理解】

  Ⅱ.特殊スキル

  【解答解説】

  Ⅲ.固有スキル

  【生きるための才能】

  Ⅳ.通常スキル

  遊泳Lv4

  思考Lv3

  Ⅴ.耐性

  悪臭耐性Lv1

 ・称号 :【意思ある精子】〕


 こうしてオレは新たな生命として転生した。

 確実な生命と言えるかどうかは解らないが、このままだと過酷な道を辿ることになりそうだ…ということだけ分かった。

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