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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第二章 幼児期から少年に
19/115

18 ロックパンチベアー

 

「グルゥワアアアア!!!」


 大きな咆哮が聞こえた。威圧感があるから、これはおそらく威嚇音だろう。


「な、何!?何!?」

「ロックパンチベアーだ!こんな森の浅いところに!やはりこの森に何かが起こってるようだな」

「ダグラン師匠!ロックパンチベアーが近寄って来ます!」


 オレがゴブリン倒したあとに『ロックパンチベアー出ないかなぁ』なんて考えるから!オレのバカ!アイツ結構恐ろしいぞ…とりあえず鑑定…


 {個体名:ロックパンチベアー

 ランク:C-

 体力:128

 魔力:33

 攻撃力:99

 防御力:38

 素早さ:42

 手を岩で固め殴る熊。腕の振りは遅い}


C-ってホントにどれくらいの強さなんだろ?


「いい機会だ!ソフィ、ガルゥ、二人でロックパンチベアーを倒せ!俺が周りを警戒しておく!」


 ええー!マジか。師匠手伝ってくれないの?


「無理だよパパ!あんなの勝てっこない!」


ソフィには外見が恐ろしすぎなのかもしれない、何たってオレたちはまだ8歳だし…オレがやるしかないな!


「ソフィは後衛で魔法を撃ってくれ、オレが剣で戦う!」

「ダメだよ!ガルゥ!」

「いいから!駄目だったらすぐ逃げてくるから!信じてくれ!ソフィ!」


オレはソフィの肩に手を置いてしっかり目を合わせハッキリと言う。


「それでいいガルゥ、冷静にな。大丈夫だ、ソフィ、ガルゥならC-ランクの魔物なんかに負けるかよ。俺の弟子だぞ!」

「ありがとうございます!師匠!」

「う、うん…無茶したらダメだよ!?」

「分かった。行ってくるよ!」


 大丈夫、大丈夫だ。ロックパンチベアーのステータスに攻撃力以外負けてない。オレのステータスは…


 〔・個体名:ガルゥシュ・テレイゲル

 ・種族:ヒューマン

 ・性別:男

 ・年齢:8歳

 ・状態:健康

 ・レベル:9

 体力:159

 魔力:211

 攻撃力:78(+15)=93

 防御力:71(+11)=82

 素早さ:69

 ・所持スキル

(ギフト)【生まれ変わる力(残り使用可能回数:1】

  【言語理解】

(特殊スキル)【解答解説[アン]】【守護】

(固有スキル)【生きるための才能】

(通常スキル)遊泳Lv5 思考Lv5〈-〉 運気上昇Lv3 観察Lv5〈-〉 詳細 エネルギー吸収Lv2〈-〉 姿勢維持Lv5〈3〉 本能Lv3〈-〉 魔力感知Lv5〈4〉 魔力操作Lv5〈-〉 身体強化Lv5〈2〉 気配感知Lv5〈4〉 聴覚感知Lv5〈3〉 魔力回復速度UPLv5〈2〉 安心Lv2〈-〉 隠蔽Lv5〈3〉 隠密Lv5〈3〉火属性魔法Lv5 治癒魔法Lv3 体術Lv5 土属性魔法Lv5 風属性魔法Lv5 水属性魔法Lv5 剣術Lv5 防御Lv5 疾走Lv1 算術Lv5 開発Lv2 詠唱短縮Lv4

(派生スキル)[高速遊泳Lv1][瞬間思考Lv3〈2〉][鑑定Lv6〈2〉] [剣の達人Lv1][護る者Lv1]

(耐性) 悪臭耐性Lv1 熱耐性Lv1 酸耐性Lv1 激痛耐性Lv5 無酸素耐性Lv1

 ・称号 :【意思ある精子】【英雄の核】〕


多くのスキルに、5歳の頃よりダグラン師匠との訓練のお陰でステータスも向上している。ロックパンチベアーの素早さより上なんだ。勝てる!


「『水よ。我を強化せよ!』」


体の奥から力が涌き出てくるような感覚…その感覚あとオレの体からうっすらと青い気が出てくる。


「ガアアアア!!!」

「来い!オレが相手だ!」


ロックパンチベアーはもう岩で手を覆っている。ならばもう殴る速さは遅いはず。

とっとと、けりをつける!


「ハッ!」


まずは懐に入って腹を横一線に切る!


「グオッ!」


そのまま手首を返して斜め上に切り上げ、ロックパンチベアーの足下に土壁をだし、体勢をよろめかす!


「グワ!グルァ!」


な!?土壁を避けた!くそっ!

ハッ!?

パンチが目の前に…受けきれるか?いや、受け流そう。これは受けきれる攻撃じゃない。


「フッ!…ッグ」


キツイッ!ちっ!

ロックパンチベアーの拳の岩を蹴って反動で後ろに跳ぶ。

咄嗟に判断しなかったら危なかった。


「グルゥ…ガァアアアア!!!」


後退したオレ目がけ走ってくるか。今度こそ仕留めてやる!


「ガァ!」

「ハッ!トゥ!だりゃぁ!」


熊野郎は右のパンチを繰り出してきたのでオレはその拳を踏み台にして、野郎の顔に剣をぶっ刺した。かなり力を込めて突いたから感覚はあまりない。


「グ…」


最後の声を漏らしてロックパンチベアーが地に沈む。


「ハッ、ハッ、ハッ。ふぅ。」


戦闘中には感じなかった自らの荒い呼吸がようやく聞こえてくる。


「よし!よくやった!ガルゥ!一度は危なかったがな。手を蹴って跳ぶというのは面白かったぞ」

「凄いよ!ガルゥ!で、でもごめんね。ガルゥに当たるかもと思って魔法撃てなかった…」

「いやいいよ、ありがとうソフィ。オレを心配してくれたんだろう?」

「うん!かっこよかったよ!ガルゥ!」


ソフィに誉められるなら頑張った甲斐がある。ソフィ段々と可愛く綺麗になってきたからな。オジサン、将来が楽しみです!

と、そうだ!


「師匠、ロックパンチベアーの剥ぎ取れる素材はなんですか?」

「おう。ロックパンチベアーの素材は魔石と毛皮と掌の肉球だ。肉はかなり獣臭くてな、食えたもんじゃない」


へぇーそうなのか。確か熊肉ってちゃんと処理すればとても美味しいらしいって聞いたけど、前世で。


「ダグラン師匠。少し肉を持ち帰ってもいいですか?」

「あぁ?聞いてなかったのか?不味いっていってんだろ」

「少しでいいんです。お願いします」

「あぁ?ま、ガルゥが持ち帰るんなら俺はなんも言わん。ただし俺はぜってぇ食べねぇからな」

「えぇ。すみません、ありがとうございます」


ちょっと試したい料理もあるし、オレは肉を貰った。

その後師匠が取り出したのはロックパンチベアーの魔石だった。その魔石は小さな茶色い宝石のようで…


「へぇー綺麗ですね」

「本当だぁ。キレ~」

「Cランク以上で長く生きてる魔物の魔石は宝石っぽいのが出るようになるんだよ。こいつは結構長く生きてたみたいだな」

「そうなんですか。それは知りませんでした」

「だから結構高価な物なんだ。まぁこれはお前の獲物だからお前の物だ」

「えっ!いいんですか?なんかすいません」

「売るなり誰かにやるなり好きにしろ」


前世は全然宝石とか興味なかったけど綺麗なものだなぁと今のオレはそう思う。


「よし!帰るぞ。毛皮と肉は俺が持つから、残りは適当に二人で持て」

「はい」


さっきの肉は師匠が持ってくれるみたいだ。その他は肉球を半分ずつオレとソフィで持った。

初めての魔物を倒し、いい経験が出来た。でもなんで森の浅いところにロックパンチベアーが出たんだろうか?まぁいいか。たまたまだろう。

あぁ精神的に疲れた。早く帰って寝よ。

バトルむずすぎ。

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