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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第二章 幼児期から少年に
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16 剣術稽古

どうも作者さんです。

汁のあるうどんよりざるうどんやぶっかけうどんの方が好き。

 

 今日からオレはダグランさんに武術や剣術を教えてもらう。

 結構頼み込んだものだ、最終的にはオレの気迫に負けてくれた。

 ソフィはセドルにまだ教えてもらうことがあるらしいのでオレ一人だ。


「おーう! ガルゥ! 来たかぁ!」


「はい。よろしくおねがいします。ダグランさん」


「ホレ、お前用の木剣だ。アドヤのオッサンに作ってもらったんだから後で礼をいいに行けよ」


「あ、そうなんですね、分かりました」

 

 アドヤのオッサンとはアシヤカ村唯一の武器屋さんの人だ。一応武器は一通り揃えてあるし、防具も幾つかはある。元々は鍛冶屋になるつもりだったらしい。

 あまり儲かっているとは思えないのだけど。


「よーし!ガルゥ、お前強化魔法は使えるな?」


「はい大丈夫です」


「よし。じゃあお前は強化魔法を使って打ってこい。それで現状のお前の力を見てやろう」


「いいんですか?」


「あぁ当たり前だ。これでも元は王国トップレベルだぞ」


「分かりました! 全力でいかせてもらいます!」


 実際にダグランさんはかなり強い。

 今では鑑定Lv6というところまでいったので、こないだダグランさんを鑑定してみた。

 ちなみに派生スキルはアンに確認したところLv10まで成長するらしい。

 その【鑑定Lv6】によると、


 〔・個体名:ダグラン・チヨクス

 ・種族:ヒューマン

 ・性別:男

 ・状態:健康

 ・レベル:39

 体力:359

 魔力:77

 攻撃力:82(+45)=127

 防御力:86(+20)=106

 素早さ:60

 ・所持スキル

(固有スキル) 【????】

(通常スキル)剣術Lv? 気配感知Lv? 体術Lv? 防御Lv?

(派生スキル)[剣の??Lv?][護る??Lv?]

(耐性) ??耐性Lv??

 ・称号 :【元・騎士】〕


 というふうになっている。ステータスを見るとやはり相当強いのが分かるが、攻撃力と防御力が普通の装備なのに100を越えている。


 攻撃力や防御力は万全の状態での数値らしく、そのとおりのダメージにはならない。

 もちろん、数値か高ければ高いほどいい。

 剣ならば切断力が高いということで、弓とかならば矢の飛ぶ勢いが変わったりする。

 防御力は全身の総合値だ。

 これらの情報はアンのおかげだ。


 鑑定を使える人は少ないと思う。

この村にはオレしか使えない。

そういえばアン曰くオレはスキルを覚えやすいとのことだった。

生きるための才能が後押ししているのも関係しているとのことだ。

パッシブスキルなんだ、便利すぎて怖い。


 鑑定はLv6位になるとスキルに一部分からないところがあるくらいだ。

 他の人も色々鑑定してみたけれどオレのように一杯のスキルがある訳ではなかった。


「おい、ガルゥ何、ボーッとしてやがる! 早く強化魔法を掛けろ!」


「あ、は、はい。えっーと…

『風よ風よ流麗なる風よ。我が身体を包みて援助せよ』……」


 薄い緑色のベールが体に巻き付く。

軽くジャンプして感覚を確かめる。

オッケー、これで外側の強化はできた。次は…


「『水よ水よ清涼なる水よ。我が身体の力を援助せよ…』」


血管の動きが分かるくらい体全身がポンプのようになる。

瞬間的に体が暑くなるがまだ大丈夫。


「おぉ! セドルに聞いてはいたが、本当に外と内の同時強化をするとはな! あと、もう詠唱を短縮出来ているのか。聞きしに勝る魔法の天才だな」


「えへへ。ありがとうございます」


 いやぁそんなに褒められたら照れますよぉー。

これでも頑張りましたからね!


「よし、準備は大丈夫だな! しゃあ! こい!」


「遠慮なく! いきます!」


 ダグランさんは今のオレから見るとかなり大きい。

だから脚狙いで…


「ふんっ!」


「ぐえっ!!」


「おいおい…一直線に来すぎだ。当てようとして目線でバレバレなんだよ」


思いっきり胸にヤクザキックを叩き込まれた。

剣を振ろうと起き上がったタイミングで見事に合わせられたんだ。

一瞬で距離を詰めたのに……


「ガハッ…ゲホッゲホッ」


「強化張ってんだからまだいけるだろ。おらっ! もういっちょ!」


「だぁあ! ていっ!!」


「振りがおっせぇ!」


横振りの木剣を上に逸らされる。

全然当たる気がしない。

ダグランさんが殺そうと思えば瞬殺だろうな。


 《剣術Lv1を習得しました》


Lv1かぁ、無いよりはマシだろうけど。


……


「おいおい、まだいけるだろ」


剣を肩に担いだダグランさんが上から見下ろしてくるが返事をする体力もねぇ。

 はぁはぁまだ全然敵わない。

Lv1なんかじゃ敵わない。


「ガハッ!」


「ブッ!」


「ブゲッ!」


 ………


 このあと、オレは何回も何回も転がされ一度もダグランさんに剣を当てることが出来なかった。


「おし。今日はこんなもんだろ。明日から剣の振り方と戦略を教えてやる」


「はぁはぁケホッ。あ、ありがとうございます…お願い…します」


「まぁ5歳ならこんなもんだろ、筋はさほど悪くはない」


 さ、さほどですか、まぁ仕方ない。

はぁはぁ…キッツ~マジでいてぇし、疲れる…ん?

この気配は…


「フンフフーン……あ、お父…!? えっ!?ガルゥ!! ガルゥ! 大丈夫!?」


「あ、やぁソフィ。だ、大丈夫だよ…」


「お父さん! ガルゥに何したの!!」


「い、いや俺はガルゥに稽古をだなぁ…」


「ふんっ! お父さんの、バカッ! もう知らない!」


 可愛い顔の眉間にシワを寄せ頬を膨らましてプンプン怒るソフィにダグランさんはタジタジだ。

ソフィはソフィで、何してるか聞いたのに知らないって突き放すとは…五才児らしいな。


「『水よただ我が掌に集まりて癒しの力を持て…[水癒(アクアキュア)]』」


 ソフィの手のひらに淡い水泡が幾つも出て、その水泡をオレの体に押し付ける。

すると水泡が、オレの体にじんわりと染み込んでいった。 


「あ、ありがとうソフィ、もう大丈夫」


「お、あ…そ、ソフィ。し、仕方がないんだ」


「うるさい! お父さん! あっちいって!」


 アハハ…

ダグランさん額に冷や汗をかいてオロオロしちゃってる。

こんなにゴツイ人がタジタジしてるとこ見るのも気持ち悪いし、助け船を出してあげるかな。


「まぁまぁ、ソフィ、オレが今日の稽古を頼んだんだダグランさんを許してあげてよ」


「うぅガルゥが言うんだったら…」


「す、すまないなガルゥ。確かにやり過ぎたかもしれん」


「いえいえ、お願いしたのは僕なので」


 そうだ! 折角教えてもらうんだから今度から師匠と呼ぼう。


「じゃあこれからもよろしくお願いしますね? ダグラン師匠(ししょう)!!」


 教えを請うんだから当然だよなぁ。

おっと、あれ? 口をポカンと開けてどうしたんだ?


「ハッ。お、おう。し、師匠か。ハハハ」


 こ、今度はニヤニヤしだした。

なんだ嬉しかったのか…


「よしっ。ガルゥ! 俺の弟子よ! みっちり鍛えてやるからな!」


「絶対やり過ぎたら怒るからね!」


「わ、分かったソフィ」


 またタジタジしてるし…

 とにかく、こうしてひとつの師弟関係が出来た。

 オレはダグラン師匠に教えてもらったことを忘れることはないだろう。

 例え生まれ変わったとしても……


はい。作者さんです。

五才児の癖に運動神経が半端じゃないほど高い神童です。

神童が天才のまま育つのって努力あってこそだと思います。

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