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異世界の人生はミルクから…。  作者: 翠ケ丘 なり平
第六章 月の涙
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95 教会

どうも作者さんです。

夜の方がネタが沸いてくる率が高いような気がします。

特に、もう寝そう…と思っているときの方が…普通に眠ってしまいますがね。

 

 冗談ではない雨が降ってる。

 雷が落ちないのが不思議なくらいだ。

 いや、別に雨が降ったからと言って雷が落ちるわけでもないのだが。


 やはりこれほど雨が降れば人はほとんど見えない。

 路地に目を向けて見れば、浮浪者が雨宿りをしているくらいだ。

 わざわざこんな雨の中、外に出ようとするやつもいない。


 オレ的には濡れて哀れになるような感じを望んでいるのだが、一人で歩かない限りそういう気持ちに陥れないだろう。

 しかし、基本的に何故かオレがリーダーシップを取ってしまっているのでオレが一人で行くと言えば付いてくるような気がする。


 う~、しんどい。

 あーアメアメ─フルフル─メッチャフルー

 急に頭おかしくなったと思われても仕方ないぞ、これ。

 イヤイヤ、ただつまらないことを考えるぐらいでしか頭を冷やせる気がしないだけだ。

 なんなんだ、教官が死に、ソフィが去り、セーベが誘拐されるって。

 あ~ムカつきが止まらない。


 ソフィが去ったのはまぁ、仕方ないとしてもだ。

 こうも短期間に何か起こるかね?

 神が定めた世界の動き…とかだったらオレはその神さんを好きにはなれない。

 絶対友達にはならないタイプだ。


 しかも何故かセーベの位置が最後に分かってるのは教会らしいし?

 教会か…前世でも行ったこと全くねぇや。

 立ち入るのが怖いって言うのもある。

 しかし、無視は出来ない…、出会いが最近だろうがオレの心情的には仲間だ。


 とにかくウジウジしてても仕方がねぇと言うわけだ。

 折角の出会いをつまらん横やりで無くしてたまるかよ。

 雨を散らしながら教会目指して走る。

 しばらく無言で走っていた。


「…着いた……ここ」


 ピタシーナの腕のなかで唸っていたチヌネアが指差した。

 指の先には、白亜の城にも似た純白の建物がデカデカと建っていた。

 イメージモデルなのか、蔦を鞭のように持った女性の姿が壁面に彫られている。

 すべてに黄金比が適用されているようにデザインが優れている。

 …金がかかっていることがこの一面だけで分かる。

 やはり宗教というのは儲かるのだろうとしみじみ思う。


 特に信心もなく、願いをよせることも特にないから宗教に関してはどうでもいい。

 気になるのは金が稼げるかどうかと言うことだけ。

 まぁ、それも今は関係無い。


「尋ねてみよう、セーベが居なくても姿を見ているかもしれないからな」


 大体こういうときは皆頷く。

 あまり他の意見を出さないのだ、どうせオレの意見が粗方正しいと勝手に納得している節がある。

 認められているようだから悪い気はしていないのだが。


 それにしても、思わず全員で教会に来てしまったが迷惑ではなかっただろうか、しかもずぶ濡れだ。

 教会にいるとも限らないし…手分けするべきか?

 いや、いいや。

 なるべくなら皆オレの手が届く範囲にいてほしい。

 心配はしてないが、何が起こるかわからないのだ。

 ……そういうのを心配って言うのか。


「ごめんください! どなたかいらっしゃらないでしょうか」


 少し高めのところにドアノッカーがあったので強めに叩く。

 雨音で聞こえないことを考慮してのことだ。

 しかし、反応がない。

 ノック音が聞こえるから響いているハズだが、気配が感じられない。


「……出てこない、居ないのか?」


「開く? 鍵が掛かってるかな」


 メルネーの声に押されるようにして金属製のドアノブを回す。

 雨で滑りながらも軽く押すと、地面に擦れる音がして扉は開いた。

 湿った木の匂いがして、ムワッとした空気が流れてくる。


「おい、誰もいねぇのか?」


「セーベはどこにいんだ!」


 クラメとクラベがほぼ同時に叫んだ。

 その声は反響し次第に吸い込まれて消えた。

 反応を返すものは居ない。


 教会内は長椅子がたくさん並んでいた。

 扉を開けた真正面には、これまた真っ白な女性の像が穏やかな顔をもって佇んでいた。

 正直美しいと思う。

 これで奥にステンドグラスがあれば更に美しいのだろうと思ったが無いのだから仕方ない。


 この宗教って何て言う名前なんだろ、今後警戒できるし知っておきたい。

 まぁ、出来ればでいいんだけど。

 誰かいたら聞けるのに……


「本当に誰もいなさそうねぇ。セーベちゃんもいなさそうだしぃ」


「でも誰も居ないのに鍵が掛かっていないなんて…おかしくないかしら?」


「……奇妙」


「わけわかんねぇ、教会って人いないものなの?」


 ピタシーナの言葉に女子組が一人ずつ言葉を返す。

 クレール、チヌネア、エミッタの順で、この教会への疑問を口にした。

 確かにどうしたって感じてしまう。

 何か不穏な空気感だ、どこかおかしい。


「静かすぎ…っていうのはちょっと違う、外の雨音との差かな」


「どうだろう、僕らの耳でも静かに感じているし、人がいるようには感じられないね」


「……隠密…じゃない…」


 メルネーの耳は細かい雑音も聞き分けるぐらい性能がいい。

 そんな彼女の耳でも、人の気配に敏感なセントも人がいるとは思えないようだ。

 ゼンの言う通りだろう。

 めっちゃ静かなんだ。

 普通に喋っているだけなのに軽く反響するほどには。


「カッパはもういいか、脱いでここにおいておこう。後で取りに来ればいい」


 濡れたカッパを脱いで端の方に置いておく。

 皆もオレに続いてカッパを脱ぎ、濡れた肌を風魔法で応急的に乾かした。

 寒さを感じて身震いしたが、不気味な教会のせいかもしれない。


「とりあえず手分けして探すか? クラベの兄貴も段々イライラしてきてるしよ」


「教会も広いだろうし、そうするのがいいかもだね。左右で別れようか」


 クラメとゼンの判断で二手に別れることになった。

 今さっきのオレの顔は渋い顔だったと思う。

 葛藤してたんだから仕方ないとは思うんだ。

 ただ…心配だし…でもなぁ信用してないみたいで……

 と言うことで、悩みつつも頷いといた。


「1…2……10人か。5人ずつで、感知力の高いメルネーちゃんと戦闘力の高いガルゥシュを骨組みで別けようか」


 ゼンの一言でチームを分ける。

 オレの方は近接戦が苦手な方と組む。

 クラベの戦闘力が分からないからこっちになった。

 それについてくるようにしてクラメ、またそれにつくようにしてクレールだ。

 更にチヌネアを守る形でオレがいるわけだ。

 向こうのチームはピタシーナも、ゼンもいるし大丈夫だろう。


「教会内は暗い、慎重にな」


「あぁ、大丈夫。心配するなって、大丈夫さ」


 二回も言われた。

 そんなに顔に出ているだろうか、ゼンだから分かるのかもしれないが…いや、たぶん分かりやすいんだろう。

 不安が全面から立ち上ってる的な……思わず自分の顔をいじくってしまった。


「ハハハ、心配そうなガルゥシュを頼んだよ」


「問題ねぇ、いざとなったら自分の身ぐらい守れるだろ。ガルゥもそう心配すんなって」


 ゼンに笑われた挙げ句、クラメに励まされてしまった。


「じゃあ後で、セーベがいたらこれ鳴らしてくれ」


「魔道具だね、分かった。ここを押せばいいんだろう?」


「あぁ、そうだ。試験の時のチームだった子の親父さんに作ってもらった」


 ミナの親父さん、ヒートン魔道具店は評価されてないだけでかなり便利な道具を作る。

 時たまオレの要望に答えてくれて、それらしい魔道具を創作してくれる。

 あの親父さん気分が乗らないと作り始めないから道具数が少ないんだよなぁ。

 今回のはバイブレーション機能を持った筒状の道具だ。


「おい、早くしろ! セーベを助けにいくぞ!」


 クラベが完全にソワソワし始めた、確かにちょっと急いだ方がいいだろう。

 セーベがどうなっているかも分からないし。


「あぁ、分かった。行くか」


 急かされる形でオレたちは右手の部屋に入っていく。

 カンテラも無いが等間隔に灯りが灯されているから大丈夫だろう。

 セーベを助けにいこう。

はい。作者さんです。

何かをコレクションしたいとは思うのですが、いかんせん、その何かが分かりません。


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