閑話休題……龍花の1日
きちんと両親に引き取られた龍花は、まだ小さいからと言うことで、両親の部屋か兄たちの部屋で寝起きしている。
「おはよう。龍花」
今日は目を覚ますと端正な父の顔があった。
「おはようございます。お父様」
「今日も、私たちの可愛い娘は本当に可愛いね」
微笑み抱っこしてくれる父に、ぎゅっと抱きつく。
「お父様、大好き!」
「私も大好きだよ。龍花」
「お母様は?」
「ご飯を作るのだとね」
龍花は瞬きをする。
「ご飯……お母様作れるのですか?」
「あぁ、龍花は知らないだろうけどね、作れるよ。ここには料理人もいるけれど」
「わぁぁ……」
朝食には5人が集まる。
すると、龍花の余り知らないものが姿を見せる。
「これは?」
「サンドウィッチだよ。パンに野菜とかハム、卵とかを挟んで食べるんだ」
「お父様達と形違う?」
「型抜きでお花柄にパンを抜いて……花の形にしてみたの。龍花に食べやすいかと思って」
桃花は微笑む。
「龍花は嫌? お花とか……」
「ううん! お母様ありがとう! それに、これはなぁに?」
「時間がなくて、ゼリーよ。ジュースを固めたものだけど。午後のおやつにはプリンを作ろうかと思って」
「ゼリー……プリン……」
「ご飯を食べてからね? 龍花。じゃぁ、いただきます」
父親の言葉に頷いた龍花は、スティックに刺してあったサンドウィッチを頬張り、目を見開く。
そのまま口の中でもぐもぐと咀嚼し、飲み込むと母親を見る。
「お母様、美味しいです! お母様ありがとう」
「どういたしまして。お母様と龍花だけ、タマゴサンドはだし巻き卵のサンドウィッチにしました」
「えぇぇぇ! 良いなぁ。俺も食べたい!」
子鵬は訴える。
「お母様、私とお兄ちゃん達は違うのですか?」
「お母様は実は内臓が弱くて、お父様達のサンドウィッチの中に入っているからしがダメなのよ。それに、龍花はまだ小さいから、辛いものはなるべく口にしないほうがいいの。慣れてからにしましょうね」
「はい! えっと、お兄ちゃんも食べますか?」
「ダメだよ。龍花。龍花の食べるものがなくなるでしょう?」
子麟が止める。
「また今度作ってもらうから、今日は龍花の朝ごはんはちゃんと食べようね?」
「はい」
再び龍花は食べ始める。
型抜きしたものだけでなく、ハムと野菜をクルクルと巻いたのとイチゴジャムを巻いたロールサンドに、ジュースは野菜ジュース。
そしてスープとデザート。
それをうさぎさんのプレートにまとめている。
お子様ランチ風である。
それを食べる姿に子竜は目を細める。
「うん、可愛い……美味しいかな? 龍花」
「はい、お父様。それに、お父様とお母様とお兄ちゃん達と食べると、いっぱい美味しいです」
「ゆっくりでいいからね。食べられるだけ食べなさい」
「はい」
食べ終わると、今度はゼリーに手を伸ばす。
口に入れると、ほおに手を当てて、
「プルンプルン……美味しい……」
とほおを赤くして喜ぶ。
子竜達はその無邪気な龍花の声に、微笑みながらコーヒーを飲むのだった。




