3話 甘い匂い
更新が一日遅れてしまって申し訳ないです。
今回は謎の少女との出会いの話です。
遠くでは若人達の喧騒が鳴り響く。
それに伴って年季の入った古い窓が音を鳴らす。
隣では茶色の骨とう品のような壺に入った甘い蜂蜜を器用に銀製のスプーンを使って、久しい友に会うかのような視線を送りながら黙々と食べている少女がいる。
「おいしい。」
手ぐしをしたといしても一切引っかりそうもない真っすぐでいる銀髪の少女はそうつぶやいた。
ことの始まりと言っては大袈裟だが簡単にこうなった経緯を整理しようと思う。
薬草の採取クエストを終え、少し浮かれた足で冒険者ギルドへと向かう。
木製のドアが音をたてるがそれさえも心地のいい音に聞こえる。
「薬草採取のクエスト終えました!」
「では、確認させていただきますね。」
そういうと受付のすこし耳のとがったお姉さんは少し泥で汚れた麻袋を躊躇なしに掴むと丁寧に一本一本確認していった。
「はい、ご苦労様です。全て薬草であることが確認できました。それにしてもたくさん採ってきてくださったんですね」
朗らかでいてなんとも自然な笑顔に思わず胸が高鳴る。
「初日なので思わず頑張っちゃいました。それで報酬の方は?」
「はい全部で5000Gです。お受け取り下さい。」
剣と盾の紋章が細部にまでいき渡った銀貨を5枚手渡される。
「ありがとうございます。それで安い宿知りませんか?」
「安い宿でしたらギルドをでて右の路地裏を抜けると『アンテイクの宿』というのがありますよ。」
「ありがとうございます!明日また来ます。」
足取り軽く銀貨を腰の麻袋にいれるとふと思う。
(あれでNPCなんだよなぁ…よくできてるな。)
しばらく言われたとおりに歩くと、薄暗く少しほこり臭い路地裏に入った。
(この路地裏なんか雰囲気こわいな…。)
はやく抜けだそうと駆け足になろうとしたときだった。
「甘い匂いがする。」
耳もとでガラスのように透き通っていて平坦な声がした。
「ひえっ。」
思わず悲鳴を上げてしまう。
「叫ぶなんて失礼。罰として甘いもの頂戴。」
そして話は冒頭に戻る。
ダンジョンに潜るのはもう少し後になりそうです。
後ほどこれまでの話に修正が入るかもしれません。
話の流れなどは変わらないです。
次回は4/15に投稿できればと思っています。