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フリーターと謎の組織

おはようございます、微生物です。新生活のためにいろいろと立て込んでいますが、できるだけ投稿できるように努めます。就職先が泊まりがけなもので……

数ヶ月間ストップしてしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。

*登場する人物や企業名などはフィクションです。

ん……ここはどこだ……? 知らない天井だ……あ、そうだ! と、俺は脇腹を触って確認する。ガーゼが当てられていて、治療された後だった。確か……何かに刺された気がする。ミンミンに言われたバトルロワイヤルが実行されたのだろうか? 正式名が“罪の祝杯”だっけかな。全く、面倒くさいことに巻き込まれたもんだ。優香に拉致られ、殺人未遂だ。まあ、死んだら保険金落ちるから、お得だがな。ただ、優香の方も面倒臭くなっちまう。下手したら、報復を始めかねんぞ……どっかの国のように、テロリストの親類を惨殺するかもしれない。まあ、どうでもいいがなぁ。


「「正義(お兄ちゃん)! 」」


優香と秋保が物凄い顔面になって入ってくる。二人とも目の辺りが真っ赤になっている。泣いていたようだ。


ぐは……


抱きついてきやがった。傷口に障る……だが、しばらくはそっとしてやるか……面倒くせーけどな……


***


それから三十分後……一時間後…………五時間後……


なげぇ……いつまで抱きついてんだよ。傷に障る! さっさとどけろや!と、 俺はこいつらを振りはらおうとした。だが、部屋の外から視線を感じる。よく見たら、優香専属のメイドがいやがる。ここは世間性を考えて、痛みを耐えるしかない……面倒くさいが仕方ない。


そろそろ避けてもらいたいと思ったが、優香が俺の体をベタベタ触り始めた。気のせいだと思いたい。しかし、段々と、太ももを触ってくる。しかも、股に手を突っ込んできやがった。俺はチョップを食らわせ、サイコパスの奇行を止める。恨めしそうに睨らみを効かせてくるが、知ったこっちゃない。こいつと別れたのも、これが原因だ。過度なセクハラや、性行為の要求。明らかに異常だ。


「正義はヘタレです。容姿端麗な私がこれまでにどれだけ誘ったことか! さっさと私に赤ちゃんのも……


こいつが言い切る前にチョップを食らわせた。この場に俺とお前だけならまだしも、妹がいんだぞ……

特にこいつはそんなゲスな言葉を全然知らない。意外に純粋なやつだ。


「あ、お兄ちゃん、優香さんがお姉ちゃんになるなら大歓迎だよ」


こ、こいつ……知ってやがった。まあ、そんなことより。こいつらが落ち着いたから、事情を聞くことにしよう。


***


ふむ……秋保が言うには、俺が入った数分後に入っていたやつがいたのか……ホモか……


「正義が寝てる間に監っ……防犯カメラは全部調べました」


あ、こいつ、監視って言った。思い出したが、ところどころに全方方位のカメラがあった。多分、俺の監視のためだろう……金の力は恐ろしい。


「……帽子を深く被っていたので、写っていませんでした……でも、体格は大柄だったことから男だと推測されます。詳しい解析を泉谷が伯父様に依頼したので、後はおじさまにお願いすることにしました。おばさまもそのことで、連絡してくださるそうです」


泉谷さんは優香専属のメイドだ。現役の国立大生だが、先祖代々の眷属業を全うしている。美女なのにハイスペックだ。それと、優香の伯父さんは私立の犯罪捜査研究所を設立している。警察のお偉いさんの俺の親父も結構頼りにしているそうだ。


「でも、なんでお兄ちゃん襲われたのかなぁ……もしかして、また優香さんの婚約者関係? 」


優香の婚約者候補……小山知高、イケメンのリア充のお坊ちゃんだ。就職したい大企業の五位に輝いている【小山重工】の御曹司かつ優香の婚約者候補となっていた。しかし、女遊びが激しくて優香に嫌われている。俺と交際していた時、いろいろ犯罪まがいなことをしてくれた。それに切れた優香と親父が手を組み、会社を潰して社会復帰不可能にしたらしい。最近は保釈金を払い自宅謹慎されていると、聞いた気がする。


「でも、その線はあっていると思います。あのゲスのことだから、またでしょうね。どこから情報が筒抜けになったのでしょう」


ん……そんなことより、ミンミンはどうしたんだろうか。おそらく、やつも関係ある。例のバトルロワイヤルに巻き込まれてしまったのだろう。あのピンクモルモットから事情を聞かないとな。とりあえず、あいつを探そう……


「ああ、ミンミンなら食堂の野菜の切れ端を食べてるよ。さっき、食べさせたのにものすごく食べるんだ」


……あいつは怠惰より、暴食があっている気がする。


***


「泉谷、解析の方は? 」


正義が食堂に向かう頃、優香は泉谷に確認をしていた。


「はい、お嬢様。先ほど、所長から連絡がありました」


優香は犯人特定の他に別のことを依頼していた。正義を搬送する時、両手の甲に刻まれていた痣についてだ。痣に刻まれていた文字などに疑問をもったからだ。


「結果は、わかりません……文字についてもです。ただ、痣の部分がまた別の物質だとわかったようです。詳しくは未だですが、元素すら変化していることも……」


(やはり、あの痣は何かあるのですね……思い過ごしかもしれませんが、今日のことももしかして……)


「そう、わかったわ。ところで、犯人は? 」


「はい、秋保さまの憶測どうりに知高さまが関係していると……あと、これは組織絡みの犯行だとわかりました……」


泉谷の表情が暗く歪む。いつも平常心の真顔をもっとうにしている泉谷がだ。それを察したのか、優香は真剣な顔になる。いろいろと覚悟を決めているのだろう。


「それで、その組織は? 」


「はい……思い過ごしかもしれないですが、西アジアの武力組織に関係あるかと……」


「……小山知高……そこまで堕ちたのですね……泉谷、至急手配をしなさい。相手は過激派宗教と小山重工の残党です。……私の正義に手を出したのです……死をもって償っていただきましょう……」


普通にしていれば、誰もが憧れる美女だろう。しかし、今は愛する者を守る狂気に満ちあふれていた……
































見ていただきありがとうございました。


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