優れたビジネスマン像
「どうだい米倉さん」
「ああ、なんとかなったさ」
「計画どおりいきそうでよかった」
そう言って二人で顔を見合わせ苦笑した。
神谷が来るまで米倉はある同僚に振りまわされっぱなしだったのだ。その人物はどういうわけか段取りを自分の都合で勝手に変更してしまうので、米倉は困惑してしまうのだ。
(慣習をかえて変更するなら、ひと言いってほしいもんだ!)
なんどそう思ったかわからない。
しかも、変更して仕事がスムーズにいったかといえば、そうでもない。
「彼はしょっちゅう上司の言うことと違うことをするしな。要注意人物なんだよ」
「そうなの? 俺初めて知ったよ」
やがて彼は部署を変更されることになった。
【孝経十章より】
親に事ふる者は
上に居りて驕らず
下と為りて乱れず
醜に在りて争はず
上に居りて驕れば則ち亡ぶ
下と為りて乱るれば則ち刑せらる
醜に在りて争へば則ち兵せらる
三者除かれざれば、日び三牲の養を用ふると雖も
猶ほ不幸たるなり
(親孝行なものは、人の上に立っても驕らず。人の下についても反乱することもなく。大勢の人の中にいても誰とも敵対することはない。驕れば亡び、反乱すれば処刑され、敵対すれば兵刃を交えることになる。この三者を除かないと、神に供える3種の生贄を毎日父母に与えて養っていても親不孝のままである。)
【ビジネスへの応用】
立派なビジネスマンは
上司としては部下に対して傲慢にならず
部下として上司に反乱することはせず
同僚と不毛な争いはしない。
部下に対して横柄ならやがて地位を失い
上司の命令にいたずらに反すれば罰せられ
仲間同士と力を合わせようとしなければ損失を出してしまう。
この三つのことに気をつけなければ、どれだけ一生懸命に働いていても
立派なビジネスマンとは言えない。