上司と部下の関係
「あんたにはいろいろいけんされるなあ」
ある酒の席でのことだった。社長が私に近づいてそう言った。
「その場では、ついカッとして腹の立つことも多いが、あとで考えるとあんたの言うとおりやった……ということが多いでなあ」
うちの社長とは学生時代からの先輩後輩の間柄で、お互い言いたいことをいう。それが口論になることがあるのだ。
私は社長はパワフルで人を引っ張っていく力をもった、リーダーにふさわしい人と尊敬している。だがその反面パワフルすぎて、あれもしたいこれもしたいと一種の『欲しがり』気質を持つ。だから、欲しがり気質の彼にストップをかけるのが私の役割だ。
「これからも頼むで!」
ボンッと私の肩をたたいて笑ってくれた。
(もしかしたら、けむたがられているかも)
と思うこともあったが、評価してもらえているようだ。
これからも二人で成功と失敗を繰り返しながらもやっていけることだろう。
【孝経十五章より】
父に争子有れば則ち不義に陥らず
(父親に不正をこばむ子供がいれば、不義におちいることはない)
【ビジネスへの応用】
きちんと意見の言える部下がいると、その上司の失敗は少なくなる。