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ツボを押さえた接客
「いろいろしてさあ、先方の子どもさんの話になったんだよ」
「ほう」
「そしたら盛り上がって、ほとんどその話ばかりしてたんだよ」
「そして、肝心の契約はあっさりといったわけだ」
「うん」
先ほどの商談の話を二人でしていた。こういったことはよくあることである。
株の話が好きな社長がいたり、釣りが趣味という人がいたりである。こういった話で盛り上がって仲良くなると仕事の話もスムーズに行くときがある。
今回がそうであったのだ。
「今回は子ども好きなお父さんだったわけだ」
「そう」
「相手の喜ぶツボを見事に押さえたね。おみごと!」
【孝経十二章より】
一人を敬して千万人悦ぶ
敬する所の者は寡くして、悦ぶ者は衆し
これ之を要道と謂う
(一人に敬意をはらうことで千人万人がよろこぶ。敬意をはらう者が少なくとも、よろこぶ者はたくさんあらわれる。これを要道というのだ。)
【ビジネスへの応用】
例えば、社長に敬意を払えばその会社の社員皆が誇らしい気持ちになる。
一人に敬意を払えば、多くの人が喜んでくれることがある。
これはビジネスマンとして覚えておくべき教訓である。