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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第一章~最初の一年前半戦~
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8.食事

(……このローブを掴んでたら状態異常、最悪の場合死に到るの分かってて掴んでるのかね……? まぁ一応抑えておくが……)


「んー……とりあえず栄養バランス的に……鍋でいっかぁ~」

「はい……」


 今村は散々色々な物を買ってから食材コーナーに行った。祓は今村の買い物に付き合って若干疲れ気味だ。


「……それにしてもここ何でもあるなー」

「そう、ですね。」


 今村の言葉に相槌を打つ祓、今村は何で急に懐かれたのか気になったが特に突むことでもないかなぁと思ってスルーし、色々な食材を見ていく。


「ん~メインが魚の鍋もいいんだが……鍋に鱗が浮いてるとテンションマジ下がるしな~肉系で行くか~」


 今村はそう言って色々入れていき、祓はそれを見ながらついていく。そんな中祓が人とすれ違う時に急に今村が祓の隣に立った。


「なぁ?」


 今村は突然歪んだ笑みを浮かべて声を発した。祓は律儀にそれに反応する。


「……? はい?」

「あぁいやお前じゃない……ちっどっか行ったな……」


 反応された今村は一瞬だけ祓の方を向くがすぐに横を向いた。……が、そこに目当ての相手がいなかったらしく舌打ちして祓の前に戻る。


「……? どうしたんですか?」

「……んーまぁ気にしなくてもいいかな~……ちょっとあんたが誘拐されかかっただけだし……お、葱やっすいな~やっぱすき焼き行くか?」


 祓の言葉を聞き流しながら食材を選んでいく今村。だが祓の方は今村の言葉を聞き流せなかった。


「え……えっと?」

「あーフェデラシオンのアーミーナイフ欲しかったな~多分旧式だったんだが……まぁしゃあない。そんなことより鍋とすき焼きどっちがいい?」


 戸惑う祓に今村はとんでもなく軽く言い放つ。


「……そんなことって……と言うよりなぜあなたは気付いて……」

「ん~? この体でも気付けたのは中学のころ色々あったからかな~……あ、まぁでも相手も隠す気なかったしな。バレて当然だって感じだった。多分テレパスでばれてるから逃げることしか考えてなかったじゃね?」

「それでも私を狙うってことは少なくとも裏の人間ですよ……? それに気付くってどんな中学生だったんですか……?」


 驚き呆れる祓に今村はやはりどうでもいいという扱いその話を適当に流しつつ食材を選び終える。


「普通。まぁ機会がありゃ話すよ。よし、会計行こう。」


 今村はそう言って会計を行った。





 『幻夜げんややかた』に帰ってきた二人は祓の部屋に直行する。


「よし、すき焼き作ろう! 変な物入れるつもりはないが見ときたいなら見てな~」

「あ、いや……いいです。」

「あっそう。じゃあすき焼きの心得でも調べて待ってな~」


 今村が訳の分からないことを言った二十分後。料理が出来上がった。


「うんまぁ、いいでしょう。個人的には味がしみ込むのを待つ方が良いんだが。煮ながら食べるのもまた好し。えーと……そうだ祓だ。祓~出来たよ~。」

「あの……名前……忘れてましたね……? 私こんな扱い初めてです……」

「何事も初めてはいいもんだ! 食うぞ?」


 午前十時半。今村と祓は学校の敷地内ですき焼きパーティーを開始した。


「……っ! 美味しい……」

「ん~……まぁまぁかな~やっぱもう少し我慢するべきだったかね~?」


 すき焼きを食べ始めた今村と祓はまず一口目にそう言った。祓は若干感動してどんどん食べていく。


「……まぁいいんだけどな……」


 今村は祓の安定しないキャラに苦笑いしながら食べていく。そしてそれを食べ終わると祓は今村を見てこう言った。


「……先生……と呼ばせてもらってもいいですか?」

「は? ……別にいいけど……何……?」


 こうして今村と祓は仲良くなった。(祓が一方的に)




 今回の使用魔道具:冥界の調味料とくせいスパイス:中身は秘密

      ※原材料の一部にアレルギー物質あり(小麦、大豆、卵、リンゴ)

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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