表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第三章~異世界その1~
55/644

4.酷い

「えっと…正直今村の話の方が気になるんだけど…」

「普通の日常を送ってたよ。」

「中学時代と同じ…?」

「…う~ん…難易度で言ったら同じ位かな…そんなことはいい。…あ!しまった」


 自身の高校生活を思い出していると今村はこの一年間大体ずっと一緒にいた少女のことを思い出した。


「…ちょっと行って来る。怒ってるかなぁ…?」


 今村はマジックアーケードで買った首飾りに力を込めるとこの場から消えた。



「…よ!ん?ここはどこだ?」

「先生!」


 行った先は草原ではなくどこかの部屋。そして祓は今村を見るや否や飛びついた。


「おぅ…えっと…?何で草原にいないんだ?」

「初めて異世界とかに来たんですよ!?どうなってるか全く分からないんですよ?何で置いて行くんですか?」


 いつもと様子が至近距離で問い詰めてくる祓に今村は及び腰になる。


「え?…俺も初めてだけど…別に大丈夫だが…と言うよりここどこ?」

「先生を基準にしないでください!」

「…ん。俺の嫌な奴センサーが超反応してる。祓ちょっと我慢してくれ。」


 今村の髪の毛の一部がゆらゆら一定の方向を指すと今村は嫌な顔をして祓をぎゅっと抱きしめた。祓は今までの怒りやら不安やらが一気に吹き飛んで大混乱に陥る。


「は…はわ…」

「『王・行方不知ゆくえしれず』プラス…あ、キツイ。」


 使った後で後悔した今村。…だが、きちんと飛べた。そして今村と祓は反乱軍のアジトに戻った。


「がっは…これ元々一人用…昔の俺ならまだしも…」


 最後まで言うことが出来ずに脱力した今村は抱き着かれたまま祓を押し倒す形になる。祓は今村の下敷きになりながら受け止めて少し躊躇ってから少し強めに抱き締め直した。


「…何やってるの…?」


 いきなり消えて再び現れたら抱き締め合っているというふざけた二人を見て蟀谷こめかみをひくつかせる小野。今村も強めに抱き締められて困惑したが回復まで動けない。


「…よし、離せ。…あと祓、『氣』の流入は俺自身じゃないとできないから抱き着いても無駄だ…」

「はぁ?あんたこの状況で…」


 今村が照れもせずに立ち上がったのを見て小野が困惑する。祓はそんなやり取りをしている二人を見て今村に尋ねる。


「…そちらの方々と…どういった関係で…?」

「元同級生。」

「…まぁ…今はそうね。ところで今村。その人は…?」

「天明祓。…関係は…何だろ?」

「恋人候補です。」


 今村の問いに対する祓の答えは今村には聞こえていない。だが、周りの反応は驚きに包まれる。


「「「えぇー!?」」」

「ちょ!今村ぁ?」

「…?」


 今村には聞こえていない。何となく詰め寄られてどうしたのかなぁ…と言う気分になる。そこで今村の聴覚が元に戻った。


「…で?何で禁句を?」


 今村は冷ややかな目で祓を見る。いきなり聴覚を奪われてイラッと来ているのだ。祓は今村に聞こえなかったか…と残念そうで申し訳なさそうに言い訳する。


「…前と違う言葉を言いました。」

「…フム…言語系の問題かねぇ…俺が知らない系…ヘブライか?」

「いえ、エスペラントです。」

「なら聞こえないわけ…でも実際聞こえてねぇんだしな…」


 考え込む今村。小野が再起動して今村に訊いてみる。


「い…今村は…その子と付き合ってるわけじゃないのね…?」

「あ?俺如きがこいつと?はっありえんありえん。」


 鼻で笑った。微妙な雰囲気がこの場を支配する。そんな場の空気に対して周りを睥睨する今村。


「あ?何か文句あんのか?」

「…いえ。何にも…」

「…さて、そろそろ奴らも帰って来るな…『呪式:統合』あっ!しまった!」


 不意に今村は大声を上げる。そして頭を抱えた。


「…タナトス入れっぱなしだった…式神ぃ…融通効かせよ…まぁいいか。」


 今村は割り切ることにした。そしてドーム状の広場に人がいっぱいになる。…その中にはタナトスもいた。


「よ!久し振り!」


 タナトスは今村が思っていたほど機嫌は悪くなかった。いや、むしろ良かった。理由は知っているが一応謝罪は入れる。


「悪ぃね入れっぱなで…まぁ格闘マニアのお前にとっちゃこの三ヶ月は楽しかったろ?」

「あぁ…その為にクリスマスが終わっても準備期間としてあの中で武器を作らせてたんだな?」


 忘れていたとは言えないので話を合わせる。


「そうそう。今から戦争だ。…式神から聞いてるよな?」

「あぁ…楽しみだ。」

「念を押すが今回は手出ししないように。」


 二人して仄暗く笑う。そこに3人が飛び降りて来た。一人はブロンドのロングストレートで小柄な美少女。後二人は赤髪短髪の美青年だ。今村は少し嫌そうな顔でブロンドの美少女を迎える。


「…よ。」

「これがお師匠様本体ですの!?」


 ブロンドの美少女は隣にいるタナトスに興奮気味に訊く。タナトスは頷いた。


「そうだ。円武術を創った…今村仁様だな。」

「お師匠様ぁっ!」


 飛びつかれた。今村は棒立ちのままそれを受ける。


「ほうほう。矢張り匂いは違うのですね。紙の匂いじゃなくて…紅茶ですのん。」

「…ルカ。離れろ…」


 もの凄い匂いを嗅いでくる美少女に今村の顔は引き攣る。それと同時に祓と小野が両側からルカを引き剥がしにかかる。だがルカの手を掴んだ瞬間二人は何故か床に座っていた。

 今村は溜息をつき右手で頭を抱えた。


「…こんなことで技を…」

「あっ!はい!『今村流円武術…」

「てめぇ勝手に俺の名前を…」


 だがキラキラした目で見られると今村は勢いを失う。頭を掻いてニヤニヤしているタナトスをローブで殴った。


「…寧々!お前の夫がルカ見てニヤニヤしてるぞ!」

「はっ!えい。」


 今村の攻撃を受けてくらくらしているタナトスの唇を寧々は奪った。


「んんーっ!」


 目を見開くタナトス。今村は逃がさないようにローブで手足を固定する。寧々の蹂躪劇は数十秒に及んだ。


「プハッ…あぁ…」


 銀色の糸を口から引いてうっとりとする寧々に対して屍の様になっているタナトス。


「ふん。俺をからかうなら覚悟しとけ…で?ルカは何?」

「流石ですお師匠様!ついでにあのキスしましょう!」

「何のついでだよ!えぇい鬱陶しい!」


 今村はルカを払い落した。払い落とされたルカは地面から尊敬の眼差しを送る。


「今のは『今村流…」

「黙れこの阿呆が!ちっ…憂さ晴らしだ野郎ども!一軍の2000で近所の城落とすぞ!」

「あの!それは駄目です!まだ軍備が…」


 大分規模のおかしい憂さ晴らしにルゥリンが反対する。それに復活したタナトスが答えた。


「何のために俺がいたと思ってるんだちびっこ。完璧…っつったら怒られるな。万全の備えに決まってるだろ。一般の神々の戦争位なら勝てるようにしてる。」


 明らかに過剰戦力になった兵士を連れ今村は出陣した。












「さて、ん~力攻めでも余裕だけど…スマートに行こうかな?」


 今村はそう言って大量の烏を飛ばした。…ここで今村の率いる軍の異常な装備を紹介したいと思う。


 兜:ハデスの兜(タナトス製レプリカ)…姿と気配を消すことが出来る。


 鎧:獅子の羽衣(ネメアの獅子の皮、タナトス製レプリカ)…刃物を通さない。


 靴:ヘルメスの靴(タナトス製レプリカ)…空中を駆けることが出来る。


 剣:デュランダル(タナトス製レプリカ)…切れ味良好。


 弓:アルテミスの弓(タナトス製レプリカ)…必中。


 …明らかに人間の戦争で使う装備でない。その上今村及び「武威神」の訓練を受けた人間たちだ。これらが合わさった時何が起こるかは想像に難くない。

 一方的なワンサイドゲームだ。


「はっはっは!不細工は人間じゃないとかのたまいやがった屑どもだ!遠慮はいらねーぜ!見張りをれ。各門の櫓に4人ずつ。で、城の中に入ろうか。住民は無視!」


 正直戦闘にすらならずに数分後、この城の城主の首が落とされた。





 ここまでありがとうございます!


 「呪式:統合」は式神との記憶の統合です。本体の今村に記憶など全部戻します。


 …今回の戦闘はごめんなさい。ここは辺境ですのでローゼンリッターの戦力が雑魚なんです。能力者も使えないのが2~3人でした。しかもそのなけなしの戦力もここを治めていた貴族によって使えない状態でした。


 あと強力な武器を持っているのは一軍の2000人だけです。ローゼンリッターは強いのが1万5000、全軍で20万います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
よろしければお願いします
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ