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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第二十四章~さぁ、動き出そう~
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16.実験実験

「く……あぁ……あ~」

「ぅ?……ぅぁ~あ。…………はょ……」

「あぁお早う。」


 今村はソファの上で目を覚ました。自室のドアを開けた入口に死体が幾つか転がっているが通り様に蘇生して下へと降りて行く。


「あ~……よう。」

「おはよーございます!皆さんご飯は済ませてます!あ、その子どもはまだ食べてないです!」

「……あぁ。」


 適当な返事をした今村の前には10種類余りのパン、3種類のスープに様々な種類の肉と多種多様な調理法で調理された卵などの豪華な食事が並んでいた。ついでに子どもの食事を見ると皿にサプリが1錠転がっている。


「…………食べたい………………いぃ……?」

「ぅぅぅうう~……」


 そんな食事を前にアルマが今村の袖を引いて片手で眠気眼を擦りつつ尋ねてくる。獣娘はサプリと今村の食事を見て今村に対して控えめに唸って来た。


「……けだものっ子もアルマも俺のやつから食べたい分取っていい。るぅね。俺今日和食の気分。」

「はーい!作るね!」


 アルマと恨めしそうな顔でこちらを見ていた獣娘に目の前の食事をあげると今村はまずブレンドしてある米から出された。


「お味噌汁行きます!お魚焼けます!卵焼き行きます!るぅねも一緒に食べてくれると嬉しいです!」

「……けだものっ子。食われたいんだって。」

「…………がぅ……」


 口の中いっぱいに食べ物を詰め込んだまま、非常に困ったことを言われた顔になった獣娘。るぅねは既に自分が何を言ったのかすら忘れて今村の食事を提供し終えた。


「さて、るぅね。」

「にゃんですか?」


 ほけっと首を傾げるるぅねに今村は今日奴隷たちに摂取させる薬剤の名前と効能、それに錠剤などの形を載せたのリストを渡した。


「ほえ~……これまたいっぱい……」

「今日は髪の毛についての薬を与えるつもり。」

「あ、るぅねこの髪の毛が艶々するの使いたい!」

「実験が終わってからな。」


 のろのろと、一般的には非常に早いスピードで食事を摂って今村は席を立つ。ついでにるぅねを褒めておくと奴隷たちを集めた。


「…………あぁ、言い忘れてた。俺に殺気を向けたら一先ず殺すから。何か知らないが俺の部屋に入る時は気を付けろ。特に寝ている間は危険だから。」


 一同の顔を見て今村は先ほど死んでいたことを思い出し、考えられる要因を告げてすぐに本題に入る。


「で、これを飲め。」


 全員の前に適当に薬剤を並べ、るぅねに誰にどれが渡ったか書き止めさせると今村は念動力でそれを飲ませた。


「ふしゅんっ!」

「くにゃ?」

「えへ……えへへへへへへへへへ~!」

「あ゛……ぅふ……ぅん……はっ……はっ……」

「私が悪いんですぅぅぅうううぅぅぅっ!」

「るぅね、メモ。」

「はーい!」


 全員、副作用が発症した。くしゃみのようなものをした獣娘は目を蕩けさせて真正面にいる今村を見た後体を摺り寄せさせて、変な声を上げた少女は首を傾げてそのまま倒れてもぞもぞし始める。

 笑い出した娘はそのままブリッジを決め込み、凄まじい速さで動き始めて急に発情した泣き虫娘は意思と欲望の戦いを始める。


 最後の娘は号泣して今までの罪を懺悔し始めた。


「……?何か思ってたのと違うぞ?っと、電話か。何だ?」

『今村くん、菫だけど、今大丈夫かしら?』


 今村は副作用の所為で騒がしい場を一応見渡した。


「アハハハハハハハハハハ!キャハハハハハハ!いぃぃやっほぉぉおぉぉぉおおおぉぉぉぉぉっ!」

「本当はぁ、私の所為じゃないんですけどぉ!借金がぁあぁあっ!ぅわぁぁあぁああん!ごめんなさいぃぃいぃっ!」

「んっ……あ……くぅっ!ご、ご主人様……何を……」

「きゅー……きゅー……」

「この世とは一体なんだ!?真理はどこにある!?正義とは!?そして私とは一体誰なんだ!?」


 全員の様子とまだ食事中のアルマの様子を一通り見た後今村は頷いた。


「大丈夫だ。問題ない。……それで?何の用だ?仕事ならしないぞ?俺は現在長期休暇を取ってるからな。オフだ。」

『……本当に大丈夫なの?』


 電話先にも聞こえる騒音に白崎は今村に尋ね直す。今村は断言した。


「長電話すると最悪、今いる世界の周辺が滅びるかもしれないがおそらく大丈夫だ。」

『それって……まぁいいわ。じゃあ短くいくわよ?あなた、寝取られてるわ。いいの?』

「いいよ。」


 即答だった。白崎は溜息をつく。


『……一応念のために言っておくけど、私はあなた一筋だからね?他の子たちが大勢何かに苦しんでるのよ……』


 今村は【最悪】の術式は白崎には効かなかったか……と思いつつ原因について並行思考で考えながら応える。


「へぇ。でも、危なくはないんだろ?危険であれば俺に通知来るし。」

『……そうよね。あなたが何かしたんじゃないかと思ってるのだけど……その辺どうなのかしら?』

「色々やってるぞ。あ、アルマが構って欲しそうな顔でこっちに来た。……取り敢えずさぁ、まだ何かある?今色々あってちょっと切りたいんだけど。」

『……凄い地響きが聞えてるわ……取り敢えず、切るわね。』


 白崎は疑念を抱いた声で今村との通信を切った。今村は今村が少し忙しそうだからと気を遣って暇つぶしに比較的近くに在る国を潰し始めたアルマを後ろから抱え上げる。


「……………………終わったの……?」

「おう。壊した国は直そうな。」

「ウン……」


 おもちゃのお片付け感覚で破壊箇所を直すアルマ。それを見届けつつ今村は不意にテンションを上げて来た。


「何かなんとなくテンション上がって来た。」

「……………………滅ぼ……ス?」

「おう。往くぞ~……その前に、武器何にしよう?」


 るぅねに経過を見るように言って、危険になったら治すように付け加え、更に5分後に「神・行方不知」を掛けるように指示してから今村は変な武器を使うことに決めてランダムで選ぶ。


 引き抜いたのは石の剣のような物だった。


「……これか~。独自因子のせいで重いんだよなぁ……今の俺でも。」

「行こ……イコ……ねぇ……」

「待て、次に滅ぼす世界を決めないと。……この辺にあいつの縄張りの世界は少ないなぁ……ん~……レベルが低い。滅ぼすのもアレな世界だし……あっちだな。結構遠出になる。」

「にー様……イコ……」


 座標を設定して今村はアルマを連れて結構大きめの世界転移を行った。













「ハロー!死ね!」

「アハハハハハハハハハァァアアアッ!死ンジャエぇぇえええっ!」

「きっ貴様は!【冥魔邪妖霊神王】」

「……だから、長いって。ただの化物で良いからさぁ……何か恥ずかしいし。」


 今村は振り下ろしにより非常に加速された一撃で大陸ごとその天使を破壊しながらそう言った。


「【冥魔邪妖霊神王】……っ!それに狂危きょうき凶瀾(きょうらん)恐厭姫(きょうえんき)】までいるだと!?すぐに【勇敢なる者】様へと連絡をばがっ!」

「まだしなくていいよ。もう少し暴れまくって殺すから。」

「キャハハハハハハハハ!」


 殺戮と破壊。二人の行動を表すにはそれだけで十分だ。残虐な方法でもなく殺すことと壊すことに特化した動き、それらを続けること数分。憤怒の表情でこの世界の主が現れた。


「貴様らぁ……」

「だから喋る前にホイッ!」


 口を開いて音が発されるよりも早く、今村は手に持っていた超重量の石の剣を【勇敢なる者】へと投げつける。思いの外重いそれは【勇敢なる者】に微量ながらダメージを与えることに成功した。


「……ここまでだ。死ね。」

「嫌だ~!死にたくないよ~!『壱禍倒千』『弐禍倒万』『惨禍死億』『死禍骸兆』『伍禍壊京』『陸禍崩星』『失禍破界』『苦禍裂世』―――『呪禍滅全』以て発動せよ『数え殺……あ、早……」


 ブチ切れた【勇敢なる者】の攻撃に対して今村は歪んだ笑みで応戦するがその途中でるぅねの帰還式により強制転移される。アルマもまた同様だった。


「あのジャリがぁああぁぁああっ!」


 滅ぼされた世界の中で微弱ながらも怪我を負った【勇敢なる者】は吠え、生き残った神使たちを生き返らせると探知して舌打ちする。


「屑が……屑が屑が屑がぁっ!絶対に探し出して八つ裂きにしてやる!」


 またしても見つけられなかった怒りと、逃げられた悔しさにより叫ぶ【勇敢なる者】。


(……やはり、あの男にやられたというのは……)


 そんな彼を複雑な思いで神使たちは見るのであった。




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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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