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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第二十一章〜気分転換で〜
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14.兄妹の話より

「まぁ、そんなことより訊きたいのはやっぱ逆ハーだね。うん。君どうするつもりな訳?本命は誰か聞きたい。」

「ぎゃくはー?……そんなことより、おにぃはさっきの話終わってない……」


 ソフィは今村に戻って来て欲しいと懇願するが軽くあしらわれ、そんなことで片付けられたのにやっと泣き止んだ顔でムッとする。

 だが、その程度で心変えをして話を戻すような今村であれば今のような状態にはならなかっただろう。当然、ソフィの話を無視して続ける。


「要するに、ソフィはあの中と……もしくはそれ以外の誰と付き合うのか。はたまた全員喰ってしまうのか。どうするの?」

「え?付き合うって……おにぃ以外じゃだめだよね?ソフィ何となくわかるもん。男の子と付き合ったらおにぃぜぇったいに遠くになるでしょ?おにぃは自分以外がやるなら任せるもんね。」


 今村は色々突っ込みどころがあったがそう言えばこの世界の今の貴族は多くの世界で良くある血統主義で近親婚も結構あったなぁ……と思い出して念のために臨戦態勢を取った。


「ぅぅ……ゖぃゕぃっょぃょ……じょ、じょうだんだよ?えっと、あの人たちとはなんでもないの。ソフィまだ好きな人はおにぃだけ~!」


 今村の警戒心を見てソフィはすぐさま取り繕うがそれでも内容があまり良くないので警戒は微妙に除かれなかった。


「まぁ、捨て置こう。その辺はどっかにうち捨ててっと、そうか。……まだ誰も好きじゃないフラットの状態か……」

「……だってソフィおにぃ探しで忙しかったもん。そんなどうでもいいことあんまり考えてないよ……」


 ソフィが困ったように、そして若干何かを期待するように今村をちらちら見ながら言った台詞に対して今村の脳裏に彼女が考えた子どもの名前が幾つか思い出されたがそれを突っ込むと蛇が出て来そうだったのでやめておいて話を膨らませることにする。


「じゃ、今は考える余裕できたってことだよな?」

「……でも、ソフィそういうのあんまりいい……おにぃと一緒がいいな~」


 本人的に隠し切っていると思っているが好意溢れる様子をまざまざと見せつけられて今村は煽るスタイルで男性陣に行動を起こさせるのもアリかなと方針の一案を考えてそれによるデメリットを考えてやめた。

 因みにデメリットはソフィの好感度上昇だ。別段自分を過大評価も過小評価も、むしろ評価自体していない今村だが、ここに来た理由を鑑みるにこのデメリットはかなり大きく見えた。


「ソフィは男女7歳にして席をおな……この世界に当てはめるならもう少し若い方がいいか?……まぁいいや。ソフィ?お前幾つになった?」

「16歳!結婚するのにちょうどいい時期だよ!子どももいっぱい産めると思うよ!ソフィ頑張れるよ!」


 色素の薄い金髪の美少女が前傾になって小さく拳を握ってアピールして来ているこのよほどのヘタレでも彼女が自分を想っていると気付け、関係を持つか考えるであろう状況に今村は別段何も思わずに切り出す。


「……そう。まぁ、要するにソフィもある程度大人になったんだから俺から離れないといけないよ?って話。」

「ふぇ……む、……むりだよぉ!せっかく見つけたのに!なんでそんなにひどいこというの!?」


 ソフィは即行で嫌がった。今村は説得の言葉を考える。何かもう面倒になって来たから強制的に転移して後適当に学校で遊ぶか、もしくはもう学校にすら行かないでダンジョンで遊ぶか悩んだが一応学校に通うことに決めているので学校に行く。


(……つーか基本的に俺まともに学校に通えてないしな……中2以降……いや、小学校からか?基本何らかの問題抱えてイカレっぱなしだし……この前の大学計画も変な所に拉致されたしな。……アレ?今回も何か変じゃね?俺が学生で行ったのに何で講義したんだ俺?)


 ちょっと今更何してたんだろうと思ったがまぁ気にしないことにして目の前で嫌がってるソフィを見た。


「もっときりっとした大人な顔じゃないとダメなのかなぁ?おっぱい小さいのがダメかな?髪の色が薄いのがダメ?」

「……そのままで十分可愛いから。お前は自分が恵まれてることに自覚持て。敵を必要以上に作るな。」


 人の身でありながら神に近しい美を得ている妹に今村が突っ込みを入れると顔を輝かせてソフィがまさに喜色満面で飛び上がって不思議な踊りを踊り始めた。


「おにぃがソフィ可愛いって言ってくれた!今日は記念日だよー!」

「……何かメンタルポイントが減った。吸い取られたか?」

「おにぃだいす……普通に好き!」


 踊りの体勢からがばっと飛びついて顔をすりすりするソフィに今村は抱っこを嫌がる猫のような顔をして早口で詠唱するとソフィを地面に縫い付けた。


「落ち着け。」

「ふぁい……えへへ……えへへへへへ~」

「あ、もうこんな時間だから帰りなさい。」


 地面に体の影を縫いつけられて動けなくなったソフィがそれでも喜んで変な笑みをしているのに溜息をついてふと時計を見るといつの間にか結構時間が進んでおり翌日も教師としての仕事があるソフィは帰らないといけない時間になっていた。


 そう思って今村は時間のことを言って影縫いを解いたのだがソフィはそこに座って帰るのを拒否した。


「おにぃと一緒に寝る!これは譲りたくない!ソフィ頑張ったもん!おにぃを探すために魔王倒したんだよ!これくらいのご褒美はあっていいと思う!」

「……いいけど。変なことしようとしたら叩き出すからな?」

「やったぁ!」


 何か疲れたのでもうどうでもよくなった今村はダンジョンに誰も入って来ないし今日はここまでとしてソフィに風呂場の場所を言って雲の女王がソフィとバトルするのを蛮食植物くんと眺めながら紅茶を飲み、そしてソフィと一緒に床についた。


「えへへ。おにぃがいっしょ。」

「……はいはい、おいで。」

「ん♪」


 今村はソフィと一緒に床に就いて、そしてご機嫌なままソフィが眠りについたのを見計らって口の端を吊り上げた笑い顔をすると魔術を使って細工を始めた。


(……さぁ、ハッピーエンド目指して頑張ってくださいね。)


「おにぃ……いっしょだよ……?」


 そんなソフィの願いとも言える寝言は魔力によって動かされているペンの音でかき消されて行った。





 ここまでありがとうございました。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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