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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
章間1
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1章おまけ

 これがいつもより少なめって言えるの文量にしたいと…

「四界会議の時間だ。まずは『天界』から始めようか。」


 天上の美しい庭の中で白い円卓を囲み四名が座っている中、「星海神」イグニスがそう言って会議を始めた。するとその場にいる唯一人の形をしていない金色に光る雉ほどの大きさの神々しい鳥が椅子の真ん中から中途半端に高い声を出しイグニスの問いに答えた。


「我が天界は特に異常もなく経過してるえ。」

「そうか…次は俺らが治める人界だが…今村 仁という方…じゃなくて、奴が生まれ、呪帝、九行を殺した。以上だ。」


 イグニスが発した言葉に周りの者が少しざわめく。大半は九行に対する侮蔑の言葉だった。イグニスはそれらを黙殺して会議の進行に努める。


「続けるぞ。冥界は…」


 イグニスの言葉にチャーンド(代理)は黙って資料を見せる。それを見たイグニスは話を進める。


「それにしても…大将は復活したんだし、いい加減喋ってもいいと思うが…」


 だんまりを決め込むチャーンド(代理)に苦笑いで話しかけるが代理は代理なので話すこともできない。それを否定と受け取ったイグニスは肩を竦めて地獄界に話を聞くように進ませた。すると地獄の女帝―――異常なスタイルを誇る美女、サラが苦りきった顔で話した。


「…言い辛いんじゃが…呪刀が…消えてなくなった。」

「まぁ、そうだろうな。」


 ものすごく言い辛そうにしていた地獄の女帝にあっさりとした返事で応じるイグニス。それは彼にしてみれ持ち主が復活したのだから当然のこと。だが、事情を知らない者たちにすれば一大事だ。


「なっ!これがどういう事だかわかってるのかえ!?」

「あぁ。持ち主によってはこの世界は終わりだろうな。」


 慌てる天界の主に対しイグニスは冷静に返す。そんな二人のやり取りをただ見ていたサラは軽く目を伏せて言った。


「…返す言葉もない。」

「まったくだえ!死んで詫びるえ!」


 天界の主に責められる地獄の女帝サラ。チャーンド(代理)も何かいう事が出来たら大声で責めていただろう。そんな騒然とするその場に突如一人の少年が現れた。


「まぁまぁ、落ち着きなよ。」


 そこに現れたのは光を反射させキラキラ光る少し癖っ毛の金髪。海を思わせる穏やかな青色の目。そして白磁器のような美しい肌を持った可愛らしい美少年だった。


「アーラムさん…」

「「アーラム様…」」


 その少年が現れると場の空気が凍りついた。そして最初に動いたのは地獄の女帝サラだった。サラは立ち上がると深々とアーラムに頭を下げた。


「申し訳ありませぬ!妾の失態で『世界を切り崩すもの』を!」

「あぁ…うん。別にそれはいいんだけど…ねぇイグニス。何て言った?」


 サラの言葉を興味なさそうに切って捨てるとイグニスに尋ねる。


「…大将が起きました。」

仁兄ぃが?…どういうことだい?」


 アーラムと呼ばれた美少年はにこやかに。だが目の奥に一切の光を宿さずにイグニスに訊き直す。イグニスは努めて冷静に言葉を返す。


「…知りません。気が付いたら『カースローブ』の封印解いてたからあわてて行きましたよ。」

「へぇ…だからチャーンドはいないんだ…僕を差し置いて兄ぃに…」


 訊いておきながら話は聞いていないアーラムは怒りを覚えているようで怯える一同。特に身代わりがばれたチャーンド(代理)の怯えようは異常だ。そんな中アーラムは呟いた。


「…仕方ない。とりあえず今チャーンドがいないってことは冥界かな?じゃあね。」


 アーラムが消えこの場には平穏が戻った。











「…あ~やっぱり兄ぃの体なくなってる…ってことは死んじゃったのか…」


 アーラムは荒れ狂った「死に中州」を訪れていた。


「う~ん…こんなに早く死んじゃうって予想外だったなぁ…兄ぃが死ぬなんて考えられなかったんだけど。案外死ぬものだね…の…割には…僕の感知に引っ掛からないんだけど…どういう事かな…避けられてたら泣くよ僕…」


 色々と作業をしながら考えごとをしてフラフラその場を歩き回るアーラム。そこに別の人が現れた。


「…どういうこと?」


 現れたのはまごうことない絶世の美少女だ。金の長いストレート。その髪はシルクのように細やかで美しい。これ以上ない程の整った顔立ち。少し怜悧に見えるその顔には妖艶で吸い込まれそうになる薄紫色の大きな目、自己主張しない程度に高い鼻。そして桜色の綺麗な唇がそれぞれあるべき場所に揃えられている。

 また、体も非常に綺麗なプロポーションを誇っており、特に胸などはサラには及ばないものの立体縫いした服でないと服に入らないのではないのかと思われる程凶悪だ。

 そんな美少女を見てアーラムの顔が引き攣る。


「や…やぁアリスぇ…」

「うん。どうでもいい。…ひとくんは?」


 引き攣った笑みで辛うじて行った挨拶を一刀両断されるアーラム。アリスは顔だけはにこやかに、その気配はすべてを押し潰さんとするほどの『氣』を纏って迫ってくる。


「え…っと…まだどこかわからないなぁ…」


 正直に答えるアーラム。だがアリスは信用していないようだ。にこやかな顔で目だけ光を差さずにアーラムの方へ近づいて行く。


「何で?あなたが作った世界なのに?」

「全部は…補足できないから…」

「全部補足とか言ってないよ?ひとくんだけ聞いてるの。」

「えっと…『カーレリッヒ』っ!」


 アーラムは余りにもきついプレッシャーに逃げ出そうとしたが回り込まれた。


「…私にスピード勝負?…光速で動く私と?」

「は…はは…」


 乾いた笑いしか出ないアーラムをアリスは問い詰める。


「隠してるでしょ?隠してるよね?私の愛するひとくん隠してるよね?」

「…何でここまで壊れちゃってるんだ…?兄ぃ…助けて…」

「ひとくん成分が足りなぁいっ!」


 無駄に激しい戦いが始まった。




ここまでありがとうございます!


 アリスは今壊れてますが…まともな子です。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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