表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十八章~四界滅亡?~
335/644

8.ノリと気分とテンションで

 現在、【無尽】は今村に飽きられて放置されていた。


 切り札としてあった【移ろう者】の力。今村が【移ろう者】を向こうの世界で一度殺したときに会い、何かあった時の為にと分離した分を託されていた【移ろう者】の残滓なのだが、それも刹那の時間も持たずに消し飛ばされて【無尽】は呆然とするしかない。

 対する今村は何をしようか考え中で、この場にいる術式で身動きをとれない面々を軽く一回し見てから頷いた。


「んじゃあ。折角だし実験しよう!まずは、これっ!」


 今村がにこやかに術式を展開するとその魔方陣から黒い靄のようなものが湧き出て【無尽】の体に付着すると爆発的に増えだした。


「ぎゃぁああぁぁあぁあぁあああぁっ!」

「もう少しお静かに。たかが体に無理矢理黴を生やしてるだけじゃねぇか。キノコが良かったよって?贅沢言うな!ってかさぁ、こういうことされるのが嫌ならもっと熱くなれよ!」


 今村の一言で「呪言発剄」が自動で発動し【無尽】に漆黒の炎が灯り、一気に全身へと燃え広がり【無尽】はのた打ち回りながら火だるまになる。


「命乞いなら聞くよ?「た、助け…」聞くだけだけど。…根性無しめ。人の話は最後まで聞け!」


 そう言って今村はまた理不尽に【無尽】の腹に蹴りをぶち込んだ。


「うわ~……洗脳された振りして隙を見て先生の所に戻ってこようと思ってたんですけど……余計なお世話だったらしいですね…」

「ん?お、マキア。暇なら解説役になって?」


 マキアが不敵な笑みから微妙に引き攣った笑みになって今村の後ろに回ると今村は今の今まで敵対していた事実を全く感じさせない爽やかな口調で言った。すると続いてヴァルゴも首を傾げながらてくてく今村の方へと進んできた。


「やっぱり、なんかおかしいですよね~?私もそちら側につきますね~?」

「ヴァルゴは……特に仕事はないな。帰って飲み会の準備でもしとけば良いと思うよ。あ、行きつけの店のこと覚えてるかな?」


 今村はヴァルゴの頭上に手を翳すと現在の精神状態を把握してやれやれと言わんばかりのジェスチャーで首を振ると指を鳴らした。


「…………………はっ!あ、危なかったですね~……ぎりぎりセーフでした…」

「ん?余計な分まで戻したか…店の情報だけ復元しようと思ったんだが、絶好調すぎるな!…まぁいいや!予約よろ!」

「はい~……それにしても、危なかったですね~…」


 ヴァルゴは何度も危なかったと言いながら目の前の光景を邪魔する者への束縛のために掛けられた【実影縫い】で身動きがとれないカラフルズの面々に何とも言えない視線を向け、今村の変なテンションの危ない視線を感じて急いで店に連絡を取るために消えて行った。


「さて…なーんか飽きてきたなぁ。面白くない。【実影縫い】解除。」


 今村はいじめ…ではなく、決闘に飽きてきたので乱戦に変えることにした。


「オラ来い。殺してっから。」

「舐めやがって……っ!テメェら!」

「あ、初手で俺の方に来たらこうなるから。」


 早速今村の元に飛び込んできた何人かの生徒を血祭りにあげ、ローブで吊るして見せしめにすると今村は嗤った。


「あれ~?んじゃあ俺との戦闘の前に何すればいいのかなぁ?簡単に強くなれる方法を考えよう!まずはキス!オススメ!さぁまずは野郎どもぉ!全員でそこの男に群がるがいい!『赤糸繰り』!」


 【無尽】が何かをする前に今村は術式を組んでその場にいた全員の運命を捻じ曲げて【無尽】以外目に入らないレベルの盲目の愛情を繰り込んだ。


「敵を目の前に何してんだこの野郎!」

「グガァッ!」


 【無尽】が包囲していた人物たちの性的な猛襲に対処しようとすれば今村にぶちのめされ、彼の唇は物理的に奪われた。そこで今村は微妙な違和感を感じて、「赤糸繰り」を発動して参加していない面々の糸を見る。


「敵の分際で俺を目の前にして何を自律思考してんだコラ。さっさと行け!あ、まぁいっか。解けて来てるし時間かければ終るでしょう。後回し後回し。そんなことより次のゲーム逝ってみよう!拒否権?あると思う?」


 【無尽】は口を千切られており不明瞭な言葉しか発せられない。そして今村の強制イベントは実行された。突如としてこの場にドームが現れるとこの場にいた全員がドーム内に収納され、今村と【無尽】以外は観覧席に移動し、二人はタッチパネルが付いた机とそれに合わせておかれた席に着いていた。


「さぁクイズ!問題です。君のライバルがモテモテです!どうする!?」


 電気椅子の様な拷問具的な椅子に右腕以外は縛り付けられている【無尽】の席の前の机のタッチパネルに選択肢が現れた。


 A:・祝福する。

 B:・是が非でもぶち殺す。

 C:・皆殺し。

 D:・全裸でライバルに求愛。


「聴衆と五分五分。あと電話があるよ。あ、喋れるようにしてあげるね。」


 今村は人工的な唇を適当に付けてあげた。何か顔のバランスに合わないたらこ唇になったが気にしないで行く。


「い、意味が分からん…!?手が…勝手に!」

「さっさと選ばないとこっちで選ぶよ?」


 【無尽】は取り敢えずAを選択した。するとドームにある巨大なモニターに選んだ選択肢が出た。


 A:闇の祝福をする(要するに殺す)


「何て心の狭い人間なんだろう…はぁ。」

「これは…まさか『・』と『。』は文字で出来てたんですね!」


 観覧席に座っていたマキアが突然大声を上げて解説してくれた。今村は満足気に頷くと彼女を解説席へと飛ばした。


「罰ゲーム!では衆道地獄よりお越しの衆道地獄界のドン。ゴルギダガンズさんこちらにどうぞ?」

「ゔむ…」


 全身モザイク掛かった不思議な巨人が現れると低い声を漏らした後彼は【無尽】の顔の眼前でだけ一瞬モザイクを外し…


「ぅっぎゃあぁぁっぁがげぉっ…おぇぇえええぇぇぇっ!止め…」


 熱いベーゼを交わした。舌と舌を絡め合わせる濃厚な、だが一瞬で終わったそれの後ゴルギダガンズはモザイクを取り戻し満足気に消え、後に残った【無尽】は吐きながら涙を流す。


「涙の数だけ強くなれるよ。知らんけど。んじゃ、次の問だーい。今から君の処罰について決定しまーす。どれがいい?」


 A:普通

 B:チーズケーキ(レモン汁なし)

 C:世界史

 D:まず、爪と肉の間に竹串を刺し込み、それに酸を伝わせて爪に火を灯す。竹串に着火しそうになったところで竹串を中でへし折って万力で骨を砕き、第1関節を切り落とす。続いて血管内に極細の生姜の摩り下ろしエキスが滲み込んだ爪楊枝を捻じ込んで止血した後、今度は凍結させる。感覚がなくなる前にアイスピックで穴を開けた後、そこから凍気を入れて完全に凍らせて第2関節まで砕く。≪中略≫上腕と太腿まで切り落とした後は人豚として1月文明が微妙な発達の世界で浮浪者用トイレに張り付けて晒し、排泄物を掛ければ金が出るように設定。1月後、小汚い腐れ人豚になり尊厳を投げ打ったゴミとなった後その数千倍も綺麗好きの豚様のお相手を耐えてきたご褒美としてもらう。オスにもメスにもその気になってもらうためにフェロモンなどを存分に付着。豚様が飽きたらナメクジの相手になって≪後略≫。


「ぐっ…!」


 【無尽】は全力でDから逃れようとするが今回、選択肢は高速で移動しまくるので押すに押せない。


「はよしろや。あ、電話使う?」

「あぁ!?電話して何になんだよ!?」

「答え分かるかもよ~?はい、んじゃ電話です!」


 今村は勝手にテレフォンを繋いだ。


 ―――……ん?何だいこれ……―――

「はーい!テレフォンの相手はどなたでしょう!?」

 ―――?こっちからも仁の声が聞こえるけど……え?―――

「今回はな、なんと【可憐なる美】さんがスペシャルゲストです!」


 今村が大袈裟に言う中、声だけでこの場にいた今村と【無尽】以外を魅了して気を失わせた【可憐なる美】。

 その声で【無尽】が固まる。その瞬間に全ての力を入れ忘れ、彼は高速で動くDを自動で追い掛ける装置に負け、Dを押した。


「おやおや。Dですね。分かりました。それでは【可憐なる美】さんありがとうございました~」

 ―――え、結局何…―――


 今村は最後まで話を聞かずにテレフォンを切ると、罰の執行を全自動で行うための人造人間を創造し、【無尽】を抑留した。


「…ん~遊び足りんが……まぁでもまだ読み終わってないしなぁ…まぁ取り敢えず手だけやってからその時の読書の進行具合で後は決めよっと。」


 そして今村もドームを解除して空き家を瞬時に復元すると読書に戻って行った。




 此処まで有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
よろしければお願いします
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ