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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十七章~ロールプレイ~
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6.適当に往こう

「そうそう、こういうのこういうの!」


 イベント攻略!と言って曹操による任意同行の時にすべて任せて!と言ってきたライアーに全交渉を任せた結果、色々突っ込みたいことはあったが、成り行きで曹操軍の中に客将として編入された。


 そんな今村は袁紹軍と戦争していた。


 戦争の発端になったのは張角によって潰された黄巾族の残党処理の際の領地処理で両者が譲らなかったことだ。


「多少温いが…まぁこの前よりマシ!よっしゃ突っ込むぞ!」


 今村の掛け声とともにいきなりこんな得体の知れない人間に与えていいのか?と思ったが気にしないことにした私兵300を連れて袁紹軍の左翼に突っ込む。


 因みに今村は初戦争の時に音楽を電子精霊に頼んでみて「『オスマン・トルコ』的な威勢のいい音楽ない?」と訊いて「トルコ行進曲ならあります!」と帰って来たので任せたら朝寝坊したことから始まる歌を大音量で流されたので爆笑しながら戦争したせいで歳殺さいせつ将軍と名を付けられている。


 陰陽道の神の一柱の名前を聞いた時に歳殺は戦に凶だろ…と思いつつ時代背景もおかしくないか?と突っ込みをいれたくなり少しだけ心が疼いたが何でもなかったことにして戦争を続けている。


「クハハ!射掛けて来るよなぁ!そりゃそうだぁ!歩兵部隊が馬に乗ってる相手から逃げられるわきゃねぇもんなぁ!」

「戦場とは思えない出で立ち!嘶き一つで馬を怯えさせる馬の化物!光を反射しない黒鉄で出来た戟!羅刹将軍が来たぞ!逃げろ!」

「また新しい称号が付いたね。でもまぁ個人的には『覇帝神公』がお気に入りだけどね。」

「不慮の事故に気を付けな!」

「うわっ!」


 そんな感じでじゃれつつも戦争を進めて行き、更に領土を進めた所で袁紹軍が砦に引き籠ったので今村は曹操の使者に続いて来ていた曹仁と入れ替わり、曹操のいる本地に戻った。



















「おぉ!今村戻ったか!」

「戻りましたけど、はしたないと思うので離れましょうね?」

「はは、こやつめ。私がはしたないだと?この程度挨拶代わりに過ぎんだろう?」


 今村が許昌の城に戻ると城門前に曹操が出迎えに出て来ていた。それとこちらも攻略キャラらしい女体化した張遼、荀彧がその脇に控えている。


 張遼は少女で薊の紫色を若干薄めた色の髪型、荀彧は藍色の髪をショートボブ位の長さにしている童女だ。そんな二人は曹操を見て苦笑している。


「殿。危ないですから城に戻りましょう?話は中でもできるでしょう?」

「うむ。そうだな。行くぞ。」

「え、肉まん食べに行くから…後ででいいですかね?」


 今村は微妙に拒否したが曹操は城の料理人に作らせるから行くぞ!と言って取り合わなかった。何となく会話に混ざれていないライアーが独りごちる。


「…何でイベントこなした僕じゃなくて今村君がいい思いしてんのかね?いや本人は戦争の方を気にしてるからどうでも良さそうだけど…がっつくのが駄目なんだろうか…?」


 ライアーは郭嘉たんも逃げて出会いイベントの場にいて実際の世界では燃やされた孟徳新書を読んでいて今村の方に逃げて懐かれたしなぁ…と残念に思いながら次からのアプローチについて考えて今村達を追った。



 そしてその数日後、連日の戦勝を祝う宴が行われる中で事件は起きた。



「孟徳様!北方の袁紹軍と公孫讃が同盟を結び大挙しております!」

「何!?くっ!すぐに兵を出せ!」


 宴の席での酔いが一遍に覚める中で今村は普通に食事を続けていたが、人が減って行く中で残っているのが目立ち曹操がやって来た。


「今村。手を貸してくれ。」

「ん?待った方がいいよ。二面攻撃喰らったら兵数的にきっついし、村人たちを連れて両方の合流地点くらいまで下がって油断させたところで両方叩いた方が効率がいい。」


 今村は鹿の肉をスパイスで焼いたものを食べながら曹操の方を見ずにのほほんと言ってのける。それを聞いて曹操は眦を吊り上げた。


「一合もせずに逃げろと?それに民の暮らしはどうなる!?」

「何のために食料の備蓄してんの?補償すればいいんじゃないですか?」

「……敵兵が増えたことで臆病風に吹かれたのか?もうよい。謹慎しておけ。我が軍だけでも勝利してくれる!」


 曹操はそう言って立ち去って行った。今村はいつの間に自分が客将から曹操の下に付いている扱いになってるのか意味が分からなかったが放っておくことにしてライアーと食事を続ける。


「今ので一気に15好感度下がったけど……まぁ君は気にしないよねぇ?」

「まぁ。許昌で左慈仙人が来るってイベントは見てみたかったけどなぁ…術を術で返して見たかったが…まぁ死にそうかな~?」

「死ぬね。因みにバッドエンド。回避するなら今日の夜に郭嘉たんとのイベントをこなして戦いに行けば郭嘉たんとの好感度が8上がって曹操ちゃんの好感度が6上がる。あ。この魚の姿揚げ美味しいよ。」

「マジ?…ちょっと酢が効き過ぎな気がする。」


 今村は左慈の技を見るために後で郭嘉とのイベントを熟すことにして勿体ない分の料理を私兵たちに食べさせながら宴会を続けた。


 そしてその夜、ライアーにイベントを熟しに郭嘉の部屋に行かせた今村は病弱設定で引き籠りがちだった郭嘉(化学療法済み)に部屋のベッドに忍び込まれ自分でイベントを熟すことになり、泣きながら行かないで!と言って来る郭嘉をヒステリーかな?と思いながら見ていると唇を奪われた。


 その現場を居ないんだけど?と報告に来たライアーに見られて戻って来たら夏候覇(女性・美人系らしい)を口説くまで曹操軍に滞在することを約束させられ、私兵と共に城の門を出た。


 その途中、伝令と出会い曹操が夜襲を受けて二方面からの攻撃により軍が大混乱に陥り、至急援軍を求めているという報告が入った。


「んじゃ、俺ら足止めに行くから。城の中にいる司馬懿とかに頼んどいて。」


 伝令にそう伝えると今村たちは闇の中に消えて行った。




 お付き合いいただきありがとうございます。



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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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