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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十七章~ロールプレイ~
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5.省略したい

 失礼しました。

「はいはい賊軍潰すのに尺取ってられんからさくさく行こうか。どうせ雑魚ばっかだし。んでメンドイから奉高と濮陽、それに白馬と任城と陳留に匡亭。あと何だ?定陶か。落としたら終わりってことで。境目は知らん!」

「え、あの…何でそんなに投げやりなんですか……?」

「あー?ちょっと色々失望したから。面倒臭さが圧倒して来た。ぶっちゃけもう帰りたい。まぁ一応一回は全員見に行くつもりだが…」


 サクサク行くことにした今村。現在2つの城を得ており、そのどちらも城攻めとは言えないレベルのまずは小手先試しという粗末な作戦で城を攻め獲ってしまったのでやる気が激減している。


「はぁ…おい腐れマザファッカーども!城に籠って自分で自分を慰めてばかりじゃ猿にも劣るぞ!っつーかしすぎたら死ぬから気を付けな!弱者を気遣ってやってんだから平伏してありがたく聞き入れやがれこの底辺にも存在できねぇ人の成り損ない!あぁ、そうだ俺らが怖くてこもりきりなモヤシ共に多少マシになれるようにカマキリの卵をあげようか。アレの方がまだ勇敢だから是非見習ってほしいね!≪中略・及び自主規制≫…そら臆病風に吹かれたゴミ屑共相手じゃ鎧も何もいらねぇからだよ?流石に矢を払うために戟を持って来てるが…仕方ない!テメェらは素手で来てやっと外を見てくれるレベルだもんな!次から素手で来てやるよ!気が利かなくてごめんな!こんな生ごみを生んでしまった父母兄弟は可哀想に…いや、親兄弟もその程度だからこんな存在が末代までの恥なのが生まれたのか!?……だからこの程度の挑発に乗るなっての…」

「この程度って…大概だと思うけど…」


 今村が挑発すると城の門が開いて一部の将兵が突撃してくる。その目は血走っており今村だけを見ている。


「オイオイそんな目しても俺にその気はねぇよ!お前さんらのボスと違ってな!」


 そんな彼らの攻撃は今村にかすりもしない上、今村が乗っている的蘆の俊足が初速度からおかしいので乱戦の中で城に乗り込まれ、城がまた落ちた。


「馬鹿ばっかり。つまんね。」

「んじゃ君も武器変えてみたら?僕最近これにはまってるんだけどなかなか楽しいよ?」


 一緒に入城したライアーがグローブの指先に触れるだけで斬れる頑丈な細い糸を付けた彼の武器で自慢げに地面に叩き、5本の爪痕を残して言ってきた。だが今村は首を振る。


「そういうんじゃねぇんだよなぁ…何かこう…血沸き肉躍る感じに打ち合いたい。後急に何だがカレー食べたい。」

「あ、カレー食べたいなら許昌とかそっちの方に行かないとこの辺は田舎だしルウが手に入らないよ?」

「…ルウあんの?」


 一気に戦国物の感じが薄れて更にテンションを下げながら今村は潜伏していた兵に襲われ、逆にそいつを斬り殺した。


「まぁいいや。ギャグ路線の世界って感じで割り切るわ。」

「楽しまなきゃ損だってことで。僕も口説きまくるよ。ってか僕は何でモテないんだろうか…顔もいいし、神だよ?」

「知るか。」


 首を傾げるライアーをその一言で斬り捨て、今村はカレーの為に許昌に移動することが出来るようここでの用事を速攻で済ませることにする。


「んじゃ、賄賂も通ったことだし城を落として空城を幾つか量産してさっさと次の所に移動しますか。」

「んじゃ、許昌ということで……やっぱ曹操ちゃん行く?」

「先に落としてからな。」


 この後少し失敗して城を崩壊させてしまったりもしたが一応勢力回復は成功し張角が兗州全域の太守になったところで今村は姿を晦ませた。



















「えーと?曹操だったなぁ……?どんな感じなんだ?」

「ん?んー……武将の数は凄いことになってるよ。何せ年齢適当だし。」


 そして今村たちは中辛と書かれたパッケージのカレールウを買おうとして普通に飲食店があったのでそこに入り、今村はカツカレー。ライアーは水餃子を食べていた。


「…にしても…時代背景というか…土地というか…何と言うか…まぁカレー喰いたかったところだからいいけど。」

「敢えて君の服装に関して突っ込みは入れないけど、この世界はウラの地球の中でも日本のゲームを参考に適当に作ったやつだからねぇ…あんまり深く考えたら楽しくなくなるよ?」


 宗教の軍だからローブでも導師服のノリで何とかしていたが、流石に普通の町ではローブは駄目だろうと今村は現在Tシャツ、フリース、ジーンズといったどこかの大学生のような出で立ちで三国志の世界に居座っている。

 しかも、今村自身もそんな感じでふざけているのにメニューに筑前煮だの芋煮だのがめ煮だの何だのあって何かもう色々諦めて出ることに全力を費やし始めた方がよかったか…?と思ってたりする。


 しかし、取り敢えず呂布と闘うまで頑張ることにしているのでカレーに浸していた豚カツの最後の一切れを食べ終わると話に移った。


「んで、幼女でも呂布を名乗るんだから強いんだよな?弱かったらこの世界破壊するわ。」

「強いよ。まさにょぅ「で、どこに居るんだ?董卓のところ?丁原のところ?それとも独立してるか?」…最後まで言わせてくれよ~丁原ママの所。」


 この後丁原に関するどうでもいいアピールを受けたので適当に流して今村は北上するためにこの町を出ようとして―――隻眼の男に出会った。


「ん?もしかして……あれ夏候惇?何でもう目玉食ってんの?」

「仕様だから。」


 曹操を庇っての下りの戦争が起きていないのに隻眼の彼を見てライアーに訊いてみたところ仕方がない文句が帰って来たのでじゃあ仕方ないと歩を進めようとするその一瞬の隙に後ろから大刀が迫って来る音がした。


「ん…?」

「僕に当たりそうだったからズタズタにしてみた。」


 今村が敵意に反応してその大刀を弾く前にライアーが鋼糸のようななにかで大刀を8分割させていた。隻眼の男は息を吞んで今村たちに尋ねる。


「お前ら……何者だ?」

「あー?一応神らしい。」

「同じく神だよ?」


 おちょくられたのかと思って睨んでくる隻眼の男だったが、それを遮る少女と大人の過渡期に差し掛かっているように見える美少女がそれに割り込んできた。


「惇どうした?」

「…孟徳、お前が人前でも簡単に俺の字を呼ぶから見ず知らずの者どもに俺の名を呼ばれたんだが?」

「おぉ怖い怖「俺の名前を言ってみろ!」…い?「あー俺とこれとは無関係なんでそこの所よろしく。」なんだこやつらは?」


 何となく使命感に駆られたらしいライアーが叫んで曹操は不審者を見る目でライアーを見た。

 今村は曹操の髪を見てブルーベリーヨーグルトを思い出して買い出しに戻ることを選択し、ライアーを置いて行こうとしたが何か流れで曹操たちと城に行くことになった。




 ここまでありがとうございます。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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