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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十六章~遊びましょう~
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4.お遊び継続中

 今村はモニターを見てそのゲームを永久に閉じ、二度と入らないでおくことに決めた。


「…BLはないな。ちょっと…実際見ると…思いの外…あれだった…」


 中ではミホりんことヒロインが全力で奔走して己が欲求を満たすカップリング製造を行っており、軽いトラウマチックな物を叩きこんでくれた。


「あれはこちらの世界に持ち込んではならぬものじゃ…うんうん…」


 今村はそう頷きながら言うと、月美は今村から一部だけ管理補助を許可されていた過去の入所許可リストから志藤隆の欄を削除した。


「んで…そろそろ中ボスの前だし…ちょっとだけ勇者(笑)のいる炭鉱に寄ってから俺の担当の勇者がいるところに…」


 その時だった。またしてもブザー音が鳴り響き、そしてしつこいカラフルズが懲りずに現れていることに気付いた。


 しかし、今村は今回1人増えていることに気付いた。今回は黒髪の童女も連れているのだ。そしてその彼女は立派な物をお持ちだった。


「…成程。ロリ巨乳ですね。アレは…まぁ鵜呑みにしたら駄目だから一応警戒しながら…ウチに入れないとなぁ…」


 で、今村は少々考える。童女といつものカラフルズの距離は非常に近く、細かい操作に慣れていない今村ではちょっと補足がし辛い。


「ん~…罠見せすぎたなぁ…」


 しかも、カラフルズは罠に対して敏感になっているので、狭域超音波・マイクロ波・その他色々の罠にもかからず、何かむしゃくしゃして来た。


「…一回全部入れちまうか。怠いし。ってかカラフルズは俺を殺しに来たのかトレジャーハンターなのか分からんがしつこい。一回きちんと話しつけるか。」


 今村はそう決めて面倒なので全員中に転移させた。


「……っ!先生っ!やっと…」

「さて…誰か知らんが訊こうか。宝がいるのか、それとも俺に用があるのか。」


 今村は呼んだら思っていたより美人だなぁ…と感想を抱きながらカラフルズと対峙する。

 しかし、能力全使用不可の効果により、その言葉を理解できるのは同じ世界の祓だけで童女を除く他の面々は訳の分からない言葉を言いながら今村に向かって飛びついて来た。


(よし、敵か。問答無用だな。)


 それに今村はカウンターで合わせる。寒々とした気配を感じて一瞬の内に下がっていたヴァルゴは蹴りによる反撃から難を逃れたものの、サラは今村が腕を引いてその向かってくるエネルギーごと叩きこむ一撃をもろに喰らった。


 が、


「…何か…びっくり。…まさかこんな受け方があるとは…」


 その衝撃はサラが誇る脅威の胸囲によって封じ込められた。一応サラは涙目になるほど痛かったらしいが、それでも今村が考えていたレベルには程遠いほど惰弱なダメージだ。


 ヴァルゴが悔しそうにしている。その奥で祓は今村に普通のトーンで訊いた。


「先生…どうしたんですか?」

「…まぁ宝目当てじゃなさそうだなということで。」


 しかし、今村は祓の問いに答えることなく彼女たちがいた場所に大穴を開ける。


「じゃあね~次来たら殺すから~!お元気で~」


 今村は城から落としたのに浮いている彼女たちを見て能力使用不可のフィールドを広げ、地面までそれを繋げる。

 それで潰れて死ぬかなぁ?とか思いながら見送ろうとしたが、目の前の白髪の彼女が自分をじっと見て軽い口調で呟いた。


「あぁ…先生は私のことをもう嫌いになられたみたいですね…では次の世界で今度こそ…先生は私を殺したいようですし…それではまた後で殺されに来ますね。最期は大好きな…愛する人を見て死にたいですし。」


 祓が落ちながら笑顔で言った台詞に今村は若干顔を引き攣らせてから時間もないので目の前のロリ巨乳さんに問いかける。


「えーと?居場所がないならウチにいるといいけど…」


 黒髪ロリ巨乳さんことクロノは今村の言葉に是非もなく頷いた。それを受けて説明の方を月美に頼んで今村は中ボスとのファーストフェイズを終えてしまったRPGの世界の中に飛び込んだ。



















「盟約を忘れ、欲に任せて我らを襲う愚かな人間どもめ…我らの怒りを思い知れ!」

「うおっ!範囲攻撃か。」


 着いてすぐに範囲攻撃を暗い今村は少々慌てるが、それでも目は相手から離さずに回避に成功する。


「今村さん!」


 勇者が安否を確認する大声を出す中、今村は二刀流で2尺3寸の小太刀を逆持ちにして左手、6尺3寸の大太刀を順手で右持ちし目の前の植物型中ボスに襲い掛かる。


「死ね…」


 2本の触手が躍りかかって来るがそれはほぼ無意識に小太刀で払い切り落として球根みたいな形をした本体に突撃。そして大太刀で真っ二つにする。


「…何か乗り移られた気分。」


 斬り捨てた後、今村は自分の戦いについてそう思った。しかし、一応楽しかったのでそれはそれでいいことにする。


(ん~二刀流か両手剣が俺の主流なんだよな…でも銃火器もやっぱ…まぁ行って来てから決めればいっか。)


「!貴様はまさか…ククククク…何も知らずに人間の駒として戦う哀れな娘よ…真実を知り、尚も人間の為と言って戦うことが出来るのか…?」

「何を言って…?」

「はーっ!」


 そんなことを考えている間に勇者さんと植物型モンスターさんは言い争い、その結果に植物型モンスターが爆発して勇者は白い光の中に消えて行った。


 今村は何もしていないが「多重返しの復讐法(ポリ・ハンムラビ)」と言う機械的な低い声が聞こえて爆発の余波を全て発信源に叩きつけて塵も残さずに消し飛ばした。


「…あ、今から少しの間主人公の過去についての物語かな?煽りに書いてあったやつ的に…」


 それを受けてちょっと調べた結果、今村はこの本来のこの立ち位置のキャラは王国に報告もせずに5日間ほど毎日勇者の為に中の捜索をすることになるのを知ったのでオートモードにしておく。


「…ん~ゾンビの方もまだ若干ヒューマンドラマ中で怠いんだけどなぁ…まぁいっか。主人公が一番好きな一目惚れの彼女と別れ別れになってるところだから…そろそろだし。」


 原作では、お嬢様キャラのマリーを助けようとして逆にマリーに助けられるという失態をした友人キャラがマリーに行って来いと言われて一目惚れの彼女を助けに行って死亡するという流れだ。


 その際、一目惚れの彼女は私の所為で云々言って主人公と慰め合い、お嬢様キャラも気に病んでいるのを見て主人公はどうこう言う。


 そしてその後ゾンビ化した友人が出て来てゾンビになって一番苦しんでいるのは彼だ!だから俺が楽にしてやる!という押し付けがましい意見と共に友人を殺し、主人公はゾンビを物として扱うようになり、変な力にも覚醒するようになる。


「…行くか。」


 勿論今村がその友人キャラになったからにはそんな頭のおかしい友人役などやってやらない。しかし、多少ストレートに行くのも(今村)らしくないなぁ…と思いながらその独り善がりなヒューマンドラマの中に移動して行った。




 ここまでありがとうございます。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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