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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十六章~遊びましょう~
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3.今度は

「誰ぞこの中に勇者と共に旅立ち、この世界に光をもたらさんとする志高き者はおらんか!?」


 こんにちは。今村です。今度はファンタジー系のRPGの中です。目の前には勇者が1ダースほど。8人男で4人女。


 俺は当然…


「ふぁ~ぁあ…」


 傍観者役で。具体的に言えば序盤のお助けキャラ。でも、この物語の主人公に手を貸す気はないので。


 だって奴感じ悪いし。どうやら異世界転生したと思ってるっぽい。何かやたらとゲームの中に俺以外の転移者がいるけどまぁいいや。うん。


「なぁなぁ…?フェーラさん。俺、かなり強くなるぜ?今の内から…」

「すまないが私はサヨの担当だ。コウガ殿には別の方が…」


 そんなお助けしなければならない彼は今、宮廷魔術師の第2か3かその辺りの筆頭隊長を口説いて駄々をこねている状態です。


「えー!俺あんなよえーの要らねぇよ!まぁ…実際言うと、俺にとっちゃみんな同じだけどね…だから王様さぁ、むさい男じゃなくて綺麗で可愛い女の子くんない?最悪戦闘能力なくてもいいよ俺が守るし。」


 …向こうさんも要らねぇっつってるし。さて…どう手を回すかな~ざまぁ!を叩きつけたい。中学の時も楽しくやったし。


「ねー王女様とかでもいいって。俺勇者だろ?そんくらいあってもいいと思うんだけど?」


 何だかんだあってから王女様が同行を承諾し、俺は何か別キャラのお助けキャラになった。


「よ…よろしくお願いします…」

「ユウナちゃん何か心配だったら俺ん所に来てもいいよ!そこの騎士むっつりそうだし!」


 目の前のショートヘアの少女に付けられた。それで、見目麗しい彼女に勇者コウガはウザいことを言って来る。


 斬り捨てていいかなぁ…?あ、今の俺のスペックなら。


 ということで一瞬だけ彼の胴体を切り裂いて何事もなかったかのようにくっ付けた。細胞も斬られたことに気付けない早業。…案外できるもんだ…


「!?何か…いってぇ…?まぁいいや。俺が世界を救ってくるから安心して待っててくれよ!」


 王に何たる口を!不敬罪で斬殺っ!ひゃっはー!凄いなこれ。


 首を一閃しておいたが水平ぴったりで斬ったのでそのままくっついた。もう1回もー1回わーたしは今日もこーろしますっと…うおっ


 不意に袖を引かれたので危うく普通に殺してしまうところだった。袖を引いたのはユウ…カ?まぁ勇者様で統一しよ。


「どうなさいましたか勇者様(笑)?」

「あの…気にしないでいきましょう…?」


 (笑)は面に出さずに言葉通りに従う。そして、旅の始まり…の前に。


(また外からのメール…怠いんだけど。まぁ旅支度系統は怠いからスキップしてもいいとはいえねぇ…水差された気分になるっての…)


 またも侵入者という事で俺は旅自体も怠いと思ってゲーム設定でムカつく勇者だけゲームモードを街中でも普通に敵とエンカウント、またそれに応じて住人の能力値最大化してから出て行った。



















「…またあいつらか。」


 カラフルズ(命名)が来ていた。ので、まず叩き落とし、地面に用意しておいた穴に埋める。そしてセメントで固める。


「よし、いい仕事したっ!お疲れ様でーす!」


 今回は月美とか言う人が出て来る前に処理をしてから旅自体もスキップした方が楽だなぁ…と判断して仕様を変更。


 途中で生意気勇者(笑)が住民の家の中を漁ろうとしておばさんにぼっこぼこにされているのを目撃したので笑っておく。


 ステータスカンストしてんのに不思議だろうなぁ?まぁ君のステータスが全部255でカンストしているのに対しておばさんのステータスは全部53万固定だから…


「まぁガンバってことで…今の内に銃火器ぶっ放しに行ってみるかなぁ~?」


 今度はゾンビのゲームだ。


 このゲームのあらすじを簡単に言うと自身の恋愛に関心が薄くなった人々にこのままではこの人種が消えてしまう!と危機感を持った科学者が創ったI薬品の暴走で旅行先の国がヤバいから頑張って海外に逃げてね!と言う感じのゲームだ。


 I薬品のIとは本能を意味するinstinctの略と愛を掛けて作られた物。つまり本能を刺激して愛を深めよう的な意味で作られたらしい。


 そんなI薬品が暴走して人々は本能だけで行動するようになり、ゾンビ化してしまう。


 そんな状態が高校卒業後の旅行で起きてしまい…と言うお話。



 因みに全員が18歳以上という事で結構ヤりたい放題している。そんな中で今村は主人公が殺す覚悟に目覚めるための犠牲者でこの後の各ヒロインが主人公を気に掛けるための足かけ的な役目…


 つまり、主人公の親友…と書いてあるハーレムの除け者役をしに出かけるのだ。


「…まぁ…素直には行かせないがな!」


 月美がここに来た時には今村は既にゲーム内に飛んでいた。



















 取り敢えず、今村は序盤の彼らの話は全無視した。序盤では彼らの行動いかんで感染者が増える。(薬は液体内でしか存在できないので、感染者に噛まれたりすると増える)

 でも銃火器の出番ではないので今村は口出ししない。今同時にクリアしようとしている他のゲームのモニターを見ながら適当に返事しておくだけだ。


「じゃ、俺とカホとみのりとサチはここで住むところとかの確保をしておくから仁とマリーは軽く周りを見て来てくれないか?」

「ちょっと!タカフミは私だけ仲間外れにするつもり!?」

「仁もいるだろ?」

「そういう…もういいわ!仁!特別に私をエスコートさせてあげます!」

「あいよ。」


 今村はこの時点で銃火器をぶっ放すとまだゾンビより人間が多いのでゲーム的によろしくないと判断し、まだ我慢しておく。


 そして外に出ると見目麗しい外国の美少女、マリー目掛けて本能のままに色々な意味で襲い掛かってくるゾンビたち。

 それを今村は冷めた目で見ながら欠伸をする。マリーは護身術で頑張っているがあまり長くはもたなさそうだ。


「ちょ…仁!見てないで助けなさいよ!」

「逃げようぜ?何でわざわざ戦わないといけないんだ?周囲を軽く見るのは終わったのに。」

「それじゃタカフミに褒めてもらえないでしょ!?」

「さいでっか。」


 原作ではその言葉で苦笑しながら「まぁ…マリーらしいね。」とか言って助けるのだが今村にその気はない。我儘言うのなら勝手に死ねばいい。


 という事で一行が立て籠もりを続けているビルの従業員入口へ帰って行った。それを少しの間呆気にとられてマリーは見たものの、すぐに我に返ってからビルの中に戻った。


「はーっはーっ…」

「おっつー月み「何ですか?」帰れ。」


 ドアのすぐそこでマリーを出迎えて動画を見ていたときに邪魔だなと思いながら見た某バーガーショップのCMの真似をしようとしたら月美が出て来たので即座にそう言ってから追い出した。


 マリーは今の光景が理解できずに少し固まっていたが、しばらくすると気を取り直したかのように烈火のごとく怒り出した。


 今村はそれをスキップで飛ばしながら聞き流し、オートモードにしてからさっさと銃使いてぇなぁ…とぼんやり思いながら消えて行った。




 ここまでありがとうございます。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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