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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第一章~最初の一年前半戦~
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27.病気

 ガニアンの金で『幻夜げんやの館』に買って来ていたテレビを見ていた今村は番組が終わり、CMを見て突然言った。


「よし、紅葉狩りに京の都に行くぞ!」

「……いいんですけど……また急ですね……」

「『翔靴しょうか』使えば日帰りで行けるし、祓は飛べるだろ?」

「……言ってましたか?」

「いや。見りゃわかる。ということで今日は準備にして明日から紅葉狩りに京の都へ行こうか。」

「はい。」


 二人は準備にかかった。












 翌日。今村は自室の布団の上で体のダルさを感じて目を覚ます。


(……だりぃし頭痛ぇ。今日は学校休も。……『バイタルコントロール』)


 そう念じて体温を少し上げ、体温計で体温を測ると38.5度。結構な高熱になった。


(……こりゃ『バイタルコントロール』なしで普通に熱あるな。んじゃ報告に行きますか・)


 今村は1階に下りて母親に学校を休む旨を伝えた。


「……あら、大丈夫? 母さん今日仕事休んだ方がいいの?」

「いや。必要ない。行ってきな。」

「あらそう。じゃあ昼食は作って行ってくるわね。」


 ドライな会話を終えると今村は部屋に帰った。


「ふむ。じゃあもう紅葉狩りはいっかぁ。」












「祓君。今日は今村君が休みですので行動を控えてもらいます。……まぁいつも通りにして貰えばいいのですが、一応報告だけしておきます。」


 今村の休みの報告に理事長が祓のいる『幻夜の館』に来ていた。


「え……? 何かあったんですか?」

「今村君の保護者の方が言うには体調不良だそうです。」

「……そうですか。」


(お見舞いに行こうかな……)


 そんなことを思っていると理事長が思い出したように付け加える。


「あぁそれと……このままだと十一月にが入りそうですので一応伝えておきます。」


 祓はそれを聞いて小さく頷いた。それを見て満足げに退出する理事長。理事長がいなくなって祓は看病のやり方について調べ始めた。










「仁っ! 大丈夫か!?」

「……チャーンド。俺の部屋ってさぁ結界張ってたと思うんだけど?」

「壊した。後で直す。で、大丈夫なのか?」

「知らん。」


 今村の家にはチャーンドが今村の結界を破壊して襲来していた。今村は若干キレ気味で応対する。


「人の体は脆弱だ。治すから動くなよ?」

「あー。そういえば治療得意だったな。」

「人間の治療は初めてだが……『氣』での治療はできなさそうだな……そうだ。食事は済ませたか?」

「あー? 台所に今回の母親が作ったのがあるはず。」

「よし、新しく我が作ろう。」


 チャーンドは急にそう言うと部屋を後にした。


(……飯あるってのに。)


 今村がそんなことを思っていると突然部屋の壁が爆発した。


「っとおいっ!」


 飛来してくる壁の残骸を髪で防御する。それで頭痛が悪化した。今村は本日二人目の襲来者を睨みつける。


「先生大丈夫ですかっ!?」

「たった今までなぁっ! 何しやがる!」


 そこから飛び出てきたのは祓だった。彼女はベッドで身を起こしている今村に飛びついて抱き締める。怒る気を削がれた今村は不機嫌に訊いた。


「……何?」

「先生の部屋の結界が壊れたのが感知で来て……心配で……」

「……何でお前俺の家知ってんの?結界があるのも……これ一応俺特製の結界だから敵意のない奴が直接視認するしか見つける方法はないはずだが……」


 疑問に思う今村。そして直接祓に尋ねようとして祓を見ると祓の首元、ついでに今村の目の前に祓の背後から日本刀の刃が添えられていた。





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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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