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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十三章~強化年間~
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7.買いに行きましょう

「…あー普段大人しくしてるのになーまぁいいや。」

「…持ちし人には持たざりし人の気分が分からないんですよ~ところで仁さん~先程揉む揉まないの話の時に何かありそうな顔をしてましたよね~?もしかしておっきくする手段あるんですか~?」


 今村は黙秘権を行使した。


「あるんですね…」


 祓はそれだけ呟く。サラはその件に関してはノーコメントだ。


「どうでもいいだろそんなん。ただ、医療用の腕に関してそれの応用で出来ないこともないってだけだ。」

「…後で天界に秘密裏に来てくれませんか~?出来れば夜お願いします~」


 ヴァルゴの言うことは無視することにして今村は祓に道案内を頼んだ。


「…やっぱり先生は…大きくなってて良かった…」

「俺はどっちにしろあんまり興味ないからな…?」


 胸についての興味は多少はあるが、相手による。要はバランスの話だ。今村はロリ巨乳とか見るとまず病気の診断をお勧めする。例え神相手でもする。


 とは言っても今村の目には「真偽眼」があるのでその辺は分かっていて言っているが。


 因みに「真偽眼」を使うとそれが天性のものか後天的に何かしたのかもわかる。祓は天性のものだ。特に意識して見てはいないが始終近くにいるので何となく視てしまった。


「…どうでもいいこと考えてた。さっさと携帯買いに行こう。」

「近くのでいいんですか…?」

「あんまり遠出したくないしなぁ…」


 祓は今村の距離感がよく分からないのでとりあえず最寄の所に行く。


「いらっしゃぁせー!………………ちっ…………」

「何がいいんだ?」


 今村は男の店員の舌打ちをばっちり聞いたが立場が逆であれば多分自分も笑顔で舌打ちして酷いプランをオススメし、悪口雑言を慇懃無礼に装飾して相手が気付かないよう遠まわしに罵倒しそうな気がするのでスルーしておく。


 羨ましくなくても、今村は他人の幸せ(自分主観)を見るととりあえず何かしらのアクションを取りたくなるのだ。


 勿論、相手が喜んでいない状態でも勘違いの状況に持ち込んで泥沼化させるのも好きである。


「仁と始終連絡が取れるものがいいのぅ…」

「私もそう言うのがいいです~」

「…………………………ちっ!…………」

「んなもんねぇよ。」


 本当は一応ある。今村が自分で創った機器であれば異世界からでも連絡が取れるのだが、それは今村が連絡を取りたい相手だけに配るのでこの二人には渡したくない。

 祓も持っていないし、ミーシャも持っていない。この世界にいるものは誰も持っていない物体だ。持っているのは負の原神の内友人が4柱。それと前世の時に愉快な日常を送っていたときのメンバーの内何人かだ。


「とりあえず最近の機種にして貰えばいいと思う。」


 ということで舌打ち店員の方に行った。席のスペース足りないのでヴァルゴは今村の膝に座ろうとしたが、取り合いになりかけて店員がキレかかったので祓の膝にヴァルゴが行くことになる。

 その間今村は聴覚なしの状態だったのでプランのセットに目を通しておいた。


「ご家族セットのプランになさいますか?」


 その言葉に今村は少々黙った。この二人はすでに天涯孤独の身なのだ。空気があまりよろしくない方向に行くのではないか…?と思ったが、サラとヴァルゴはプラン内容を見て頷いた。


「これでいこう。」

「ですね~家族以外と話す予定もありませんし~」

「…霊体と電話は出来んぞ?」


 もしかして携帯電話を冥界電話と勘違いしているのだろうか?と思った今村だったが、サラのすらりとした指で指してあるところを見て顔を引き攣らせた。


「彼氏…?」

「そうじゃ。」

「いや、無理があるだろ…」

「リア充は死ね…」


 目の前の人から大変美味しそうな怨嗟の念が届いてきたので美味しくいただいておく。その横で今村の否定に対してサラが首を傾げた。


「なぜじゃ?」

「…いや、仮に4238無量大数2988不可思議3028那由多歩譲ってそうだとして、ヴァルゴは…?」


 どれだけ譲らないといけないのじゃ…と落ち込むサラを放っておいてヴァルゴに尋ねるとヴァルゴはサラの落ち込みを見て笑いながら笑顔で答えた。


「私もそれですよ~?恋人はセット料金なんですよね~?」

「いや、無理だろ。」


 通報される。と続けようとしたところで今までセット内容を見ていた祓が口を開いた。


「…先生。私も個人で携帯欲しいです。恋人セット…」

「あ、よし。相馬の連絡先はっと…」

「…絶対嫌です。」


 祓も恋人セットに入りたいな…と思って言ったのだが諦めの悪い今村は未だに相馬と祓の仲を諦めていないので組ませるのにいい顔をした。


 祓はとてつもなく苦い顔をしてそれを即座に斬り捨てる。


「何で…あんなのと…」

「マイナスから始まる恋物語もあっていいと思う。」


 祓の苦々しい呟きに今村はキリっとした顔で答えた。正直、嫌っているのは知っているが祓の好悪の感情のバロメーターが相馬以外に何も示されていない…眼中にないという状態なので相馬以外に期待を持てないのが現状なのだ。


 例えそれがマイナスとしても何かしら思うところがあるならば何とかできないものか…と思っている。


「すみませーん。他のお客様のご迷惑になるので決めるのをなるべく早くお願いしてもよろしいでしょうかー?」


 店員はこれ以上こんな場面を見たくないのでクレームが入るのを覚悟でそう言った。これで免職くびになっても自分は間違っていないと断言する。


「じゃ、もう面倒だし一番安いセットで。どうせゲームもしないだろうし…」

「げーむ?仁はするのか?」

「めっちゃする。じゅ…7台中2台ゲーム用。」

「は…?10台持ってるんですか…?7台じゃ…」


 個人回線として3台創って隠し持っているのだ。内1台は≪自主規制≫が必要なジャンルで、一つは優秀過ぎる結果を収めている人材たち。そしてもう一つはどんな世界においてもブラックボックスの人物・神物用だ。


 7台の内訳は、2台が仕事(レジェクエ用と地球用。受信できるものが違う)。1台は普通の交友関係用。1台はグレーゾーンの人たちで遊ぶ用。そして1台で地球の音楽、小説、動画、スレッド系統を受信。そして最後の2台がゲーム用(地球用・ゲネシス・ムンドゥス用)だ。


「まぁ気にしない。」

「…そんなに持ってる意味ってあるんですか~?」

「ある。そんなことはいいからはよしようぜ。」

「むぅ…」

「こちらの機種2つで…ご契約内容の方を…」


 何だかもう面倒になって来たが、この後も今村たちはしばらく携帯ショップにいて、結果この店の周囲は野次馬まみれとなり、何故かサラと祓はサインを頼まれる羽目になった。




 お疲れ様です。寒いのでお体にお気をつけて。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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