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例外者の異常な日常  作者: 枯木人
第十三章~強化年間~
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1.自分探しの旅行?

「あー…将来を色々見失ってる…」


 昨今、今村は強くなることを決意して血反吐を吐くようなトレーニングに勤しんでいたのだが、強くなりすぎたら原神と戦わされる恐れが出ていることが頭をよぎるとトレーニングの手が緩くなる。


「ちょっと整理するか…」


 頭の中を整理するためにトレーニングの手を一端中断。自世界から外に出すと質量のあまりに自壊する模擬刀を地面に置いた。


(…まず、簡単に言えば死ぬほど面白いことに出合って死ぬために生きてます。それを見つけて死ねば消滅できる。っと。)


 何も問題はない。難しいこともない。今村は頷く。


(で、それを見つけるために邪魔なものを捻じ伏せるために力をつけます。)


 これにも問題はない。トレーニングというより、今村的には自分が最強と思っている奴らのどうやっても勝てない…という絶望的な顔はとても好みだからその中に死ぬほど面白いリアクションを取ってくれる人がいる可能性も捨てていない。


 つまり、強くなるのはとてもいいことだ。しかし、


(…仮に障害物に原神が入るとなれば…いくらなんでも無理だよな。でもあの2柱がいれば不意打ちして罠にかけて全力で1柱1柱潰しにかかれば…)


 昔、罠にかけ不意を打ち、めっためたにして2柱と1人で戦ったことを思い出す。奴等は自分が強すぎるので奇策に強くないのだ。今の今村が住んでいる10階の罠が天国に見えるほどの鬼フィールドを展開した。

 勿論出口はなし。入口も消える。道と見せかけた地獄の罠しかないという鬼畜仕様で、ゴールのご対面…直前でゴール地点から逃げるという嫌がらせの為だけにダンジョンを創った。


(…いい案ないかな~演算のレベルが落ちてるし碌なこと考え着かねぇ。)


 とりあえず生徒の誰にも出来ない程度の自分用特製地獄メニューくらいであれば京年かかろうとも原神の相手にはならないのでこれは続けることにする。


(ん~…まぁ迷った時は旅に出るか。祓とかの問題が出るから…あー祓も祓でねぇどうにかしないと…ってかどう考えても術式は成功してるんだけどなぁ…起動してるし。)


 因みにその辺は別方面の研究中のマキアの手によって尽く対策を練られている。もし、自分に「スレイバーアンデッド」がかかったらその機を逃さないために様々な対策を元々持っていた。

 それを協定を組んでいる中のポルタ・オルディニが独自に作り上げた回線を通して教え合っているのだ。


(さて…どうするか)


 と自問するが、個人的には答えは既に決まっている。思い立ったが吉日だ。


「誰も知らないところに旅に出よう。仕方ないから祓を連れて。」


 祓も祓で大概適当な奴だから自分との二人旅を承諾するだろうし、嫌なら嫌で「スレイバーアンデッド」問題の解決の糸口になり、一人で旅に出れるだろう。


 最近あいつ俺のこと割と好きなんじゃないだろうか…いや、女運は多分あのイカレれてる2柱で使い果たしてるだろうし、元々モテるわけがないとその考えを打ち消した今村はミーシャと祓に話を通した。


 ミーシャは難色を示したが、祓は快諾。今村は少しウトピア(中央の国)の方へ旅行に出かけることにした。














 翌日。飛行機に乗るための移動中の電車の中に二人はいた。今村が左端に座り祓はすぐその横だ。

 この時点で今村は少々首を傾げる。


(…何でこいつこんなに席空いてるのに俺の真横に来るんだ…?しかもぴったり…真正面に行けばよかったのに…余り離れないようにしたくて座ったが目測を誤ってこんな状態になって、退くと気まずい雰囲気になるかもしれないと恐れての出来事か…?これで俺から退くのもアレだしな…)


 因みに駅を進むごとに人口密度に偏りが出ている。中学生の時にも同じような経験したなぁ…と思いながらその時と同じ行動を今取るのは躊躇われる。


 何しろ2人だけの旅行なのだ。機嫌が悪くなるようなことはあまりしたくない。


「あの…駅に着いたら起こして貰ってもいいですか…?」

「あぁ…別にいいが…」


 そちらの方が気を遣わなくて済むので楽でいい。そう思ったが、祓は乗り物に乗ってやってみたかったことをするために言っただけだ。眠りはしない。


 少し緊張しながら祓は今村に寄り添うように頭を添えて目を閉じた。


「……まぁいっか…」


 まだ寝てないよな…と思いながらも取り立てて騒ぐことでもないと判断して今村は魔力の練り合わせで時間を過ごしながらトレーニングすることにした。
















「祓。起きな。」

「…あ、」


 いつの間にか安心のあまり本当に寝てしまっていた祓は今村の声で目が覚める。手ぶらでの出立だ。


 因みに、今村が旅という感じを出したいと言ったので今のところは電車を使ったが、ここから先は自家用車で「レジェンドクエスターズ」が保有する土地に向かい自家用ジェットで飛ぶ予定だ。


 このためにミーシャは頑張って昨日各方面に連絡を入れてくれた。そのお礼に今村は10階のフロワ全体の攻撃無力化証をあげた。


 豪華な内装だけどそこまで欲しいかね…?と思わないでもないがミーシャはとても喜んでいたため何も言わないでおいた。


 目下、ミーシャは9階の攻略に勤しむだろう。マキアがミーシャに売買の話を持ちかけていたがその途中で出て来ているのでどうなったかは知らない。


「軽く飲んでおくか。チーズカドと鮟鱇の肝の塩蒸し。それにビーフジャーキーと甘いものを適当に。それとピザとワイン。」

「…あ、キッス・イン・ザ・ダークください。」


 ファーストクラスレベルの機内で二人は寛ぐ。今村は知らないが、中にいる乗務員たちは今村たちが精神世界内にいたころに入学し、卒業している「幻夜の館」の元生徒たちだ。


 すぐに手配が済み、この時期ならあるかな?と思っていたものの特に期待もしていなかった鮟鱇の肝も来て、酒盛りの準備も済む。


「さて、快適な空の旅と行こうか。」

「乾杯…」


 こうして二人きりの2泊3日が始まった。




 ここまでありがとうございます。


 一応…

 チーズカド→cheese cadです。要するにチータラですね。

 キッス・イン・ザ・ダークは甘口のカクテルです。チェリーブランデーをマティーニに入れたものです。

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全盛期、相川だった頃を書く作品です
例外者の難行
例外者シリーズです
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